ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォークリューズ レ・プラン
このワインは今年の6月に間違って2本買ってしまったもの。前回は二日目のほうが落ち着いておいしかったそうなので、今回も二日にわけて飲んでみましょう。
まず香りをチェック。ちょっと湿った杉の木材のような香りがするけど、それは最初の印象で、そこから胡椒をまぶしたお線香のような、刺激的で、どこかスペインワインのような線香系フレーバー(というかガルナッチャ種=グルナッシュ種がたぶんこういう線香系なのだ、イタリアワインに感じる線香っぽさよりも赤色で梅っぽい線香を連想する)が炸裂している。その後ろからザラメ糖のような甘い甘い香りもこみ上げてくる。
口にしてみると、血のごとく濃くて鉄っぽくて、でも果実味は豊満、ブラックベリーとプルーンと梅紫蘇を合わせたような甘くて強い味がドーン!と来た。タンニンは意外とおとなしめ、コーヒー系のコクたっぷり、その上に豊満な果実味が乗っかっていて、なかなかわかりやすくおいしい。
※二日目は昨日よりもお線香っぽさが強調されて、ガルナッチャ然とした雰囲気が強くなった。甘みが少し減って酸味が増えたせいもある?ただ、これも決して悪いものではなくおいしくいただけたと思う。
【1427】Concha Y Toro Casillero del Diablo Pinot Noir 2014
カッシェロ・デル・ディアブロ・ピノ・ノワール
※リンク先はヴィンテージが現行品と思われます。
今日は出先で簡単なイタリアンを囲む機会があって、これのお供としてグラスワインに出てきたのがコンチャイトロのピノ・ノワール。実物は初めて見た。
まず見た目はピノ・ノワールとしては濃い部類に入って、ブルゴーニュだったらコート・ド・ニュイのワインにありそうな暗いガーネット色。香りは、お店の普通なグラスのせいかほとんど感じられない。
口に含んでみると、驚きの甘酸っぱさ。「よく熟したストロベリー」という表現がぴったりの、甘味と酸っぱ味のバランスの良いワインで、タンニンは程々、ビターでバターなコクを伴っていてなかなかおいしい。それなりピノっぽく、突出した要素はないけれども円満においしく、ピザやパスタを相手にすると出しゃばらずにしっかり食事を支えている感じ。夕食のお供のグラスワインとしては非の打ちどころがなかった。
【1426】Pieropan Soave Classico 2015
ピエロパン ソアーヴェ・クラシコ
※リンク先はたぶん最新ヴィンテージです
今日はポケモンGOのために遠征した帰りなので、疲れた身体にもやさしそうなワインを。我が家では定番の、ソアーヴェ・クラシコをあけてみることにした。ちなみにこの銘柄は、直近では2014年モノと対峙していて、2015年モノは初めて。
まず、見た目は薄い白ワインの色で、どうということはない。ほんの僅か、今回は気泡が混じっているように見受けられる。香りは爽やかな花畑~台所洗剤系だけど、甘きに流れず、すごく酸っぱそうな雰囲気。
口をつけてみると、アタックは爽やかな酸味。香りの花畑系のフレーバーがそのまま口のなかいっぱいに広がる。けれども余韻がソアーヴェ独特の滲んだような後味で、疲れた身体には心地よい。以前に呑んだ、ソアーヴェ系でより廉価なアルファ・ゼータのガルガネガと比較すると、こちらのほうが非力かつ酸味に褪せたようなところがあるけれども、そのかわり余韻の柔らかさはこちらのほうが上。してみれば、アルファ・ゼータの品は1100円としてはよくできていたというか、単純ながら善戦していたということか。とはいえ、ソアーヴェ・クラシコの基準点としてはこのワインが一番便利なので、これからも贔屓にしていこう、と思った。
※二日目は、前日よりも酸味が蘇って若返ったかのような。かえって飲みやすく気持ち良くなった。
【1425】Cono Sur Organic Cabernet Sauvignon Carmenere Syrah 2014
コノスル カベルネ カルメネール シラー
※リンク先は現行ヴィンテージです
チリの定番安ワインメーカー、コノスルのワインは何度も何度も飲んでいて、もう飲まなくてもいいやと思ったりもするけれども、よく調べると飲んだことのない品もあって、そういうワインとは対峙しないわけにはいかない。こいつは、カベルネソービニヨンとカルメネールとシラーという、ごつい品種三種類をブレンドさせた品で、そういえばコノスルのブレンドワインって飲んだ記憶が無いなと思ってトライしてみることにした。
色は、ごっついワインレッドで不透明感満点、ブラックベリーがそのまま液化したような色彩。香りを確かめると、なんと、煮豆と杉の木、イチゴチョコレート、梅、墨汁などが代わる代わる匂い立ってきて非常にリッチ。うまそう。
口をつけると、とにかく大柄、甘みがしっかりした、果実味のあふれんばかりのしっとりとした味わい。ジューシーな葡萄とイチゴミルク、そこに柔らかめのタンニンと墨汁風味が口のなかいっぱいに広がって、収縮力があるのか、それとも口のなかで膨張するのかわからないようなテイスト。すぐに飽きるかと思いきや意外と飲み飽きずに進められるのは、この種の濃い新世界赤ワインを久しく呑んでなかったせいか、それともこのボトルが単純に優れているのか。かりに本来は飲み飽きるものだとしても、グラスワインとして一杯だけ出されたらさぞかし満足しそう。夏らしい酸っぱいワインばかり呑んでいたせいを差し引いても、改めてコノスルの底力を思い知った。この値段にして、カベルネとシラーの良い所が合わさっているように感じられる*1、いいブレンドワインだ、また買おう。
※二日目もあまり変わらない様子、でも安定出力がこのワインのいいところだから、文句はなし。
*1:カルメネールのことはさっぱりわかりません
【1424】Domaine William Fevre Chablis 2014
ドメーヌ ウィリアム・フェーブル シャブリ 2014
今日の夕食は鶏肉スープと牛肉サラダを中心としたもの。なんだか疲れが溜まっているような気がしたので、おいしくて疲れがとれそうなワインを選びたい……ということで、ウィリアム・フェーブルの無印(だけどドメーヌもの)シャブリをあけてみることにした。
まず見た目。薄い白ワイン!これと同じぐらい薄いのは、とびっきりの安ワインかソアーヴェ・クラシコぐらいのもの。とにかく薄い。香りは、初手では花の蜜のような、爽やかさと甘さを伴った匂いがほんのり匂う程度、あまり匂いは強くない。
口をつけると、爽やかな酸っぱさが炸裂!うわぁこれじゃないと!お馴染みのレモン風味が炸裂しているけれど、この2014年モノは苦みがちょっと強くて「レモンとレモンの皮」と例えたくなるようなところがある。いつもの口当たりの良さはあまり感じられず、かわりにシャブリ一級に迫るような、鉱質風味がびりびりと感じられて硬いワインと感じる。グラス一杯をあけたぐらいで米糠の風味が漂ってきて、一層シャブリらしい雰囲気になってきた。前回のような圧倒的な旨さは感じないけれども、シャブリとしては、こちらのほうがそれらしいのかもしれない。あるいは早飲みしすぎたということか?現代シャルドネとしては痩せているけれども、やたらと立体的なワインだった。
※翌日はゴツゴツのミネラルが少し和んでレモネードっぽさが強まった。けれども苦みが若干気になって、2013に比べると集中力が弱いようには感じた。
【1423】Pupitre Cava Brut (N.V.)
カヴァ ピュピトレ・ブリュット
まず見た目は、普通のスパークリングワイン、泡は滾々と湧いて来るけれども、色彩はかなり薄い。香りを確かめると、青リンゴっぽい香りにメレンゲ系の香りが加わって意外とリッチな雰囲気がする。
口をつけてみると、青リンゴ風味がしっかりしていて、鼻腔にはメレンゲ~トースト系の香りが入ってくる。このあたりはなんちゃってシャンパーニュっぽいけれども、苦みや甘味はあくまで軽い。シャンパーニュにはやはり及ばず、イタリアのスプマンテに近い感じ。でも、キンキンした辛さを伴っていないし夏みかんのようなすっきりしたテイストだし、暑さに対抗するためにぐいぐい飲むぶんには問題なし。残暑をしのぐのに相応しい一杯だった。