北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1439】Conti Zecca "Cantalupi" Salice Salentino Riserva 2011

 
Conti Zecca "Cantalupi" Salice Salentino Riserva
 
 今日の夕食はローマ風ピザをメインにした南欧風料理。だったらということで、南イタリアの安くて濃くておいしいワイン、サリチェ・サレンティーノを選んでみた。こいつは同種のなかでは少しお高い2000円以上の値段がついていた品、ちょっと楽しみ。
 
 グラスに注いでみると、なんだか凄く濃くて茶色い。不透明なワインで、黒々。香りは、ガルナッチャとモンテプルチャーノ・ダブルッツォの中間のようなお線香系の第一印象だったものが、鼈甲飴のような香りやセメダイン系の香りが加わってゴツい雰囲気に。凄いおいしそう。
 
 口をつけると、ビターでピーナッツっぽい、コクのやたらある口当たり。そこに、ほんのりと鼈甲飴&セメダインの香りがアルコール臭と共に駆け抜けていく。5年経ったワインとは思えないほどタンニンがびっしりで、我が家で普段飲まれる赤ワインよりもふっさふっさとしている。ピザとの相性は抜群で、ビターな風味が食欲をかきたてる。
 
 ただ、食後に飲み進めると、やけに重くてしんどい感じに。直球で濃くて、漆喰のような雰囲気さえ帯びているんだけど、それが辛いと感じる。最近、南イタリアのワインを飲み慣れていなかったせいかもしれないし、これは食事の友としてナンボってことでしょう。明日以降に持ち越しましょう。
 
 ※二日目。うへーきつい。昨日とあんまり変わらない。むしろ苦みとタンニンが厳つくなったような。撤収~!
 
 ※三日目。少し酸味が強くなって、荒々しさがとれてきた。これは結構いける。少しフランスワインぽくなった、とでも言えば良いのか。果実味、コク、ビター、酸味、やわらかな風味に少し苔系のオーガニック感が加わって、いくらか複雑にもなった。ということは、熟成させてナンボだったってことだろうか。でもこの価格帯の熟成なんて不可能だなー。庭に穴でも掘って一ダースほど埋めるしかない?
 

【1438】Charles Smith Family Vino Pinot Grigio 2014

 
Charles Smith Family Vino Pinot Grigio
 ※リンク先のヴィンテージはアップロードした段階では合っていますが、ずれていきそうです。
 
 フランスではピノ・グリと呼ばれている品種はイタリアではピノ・グリージョと呼ばれていて、これがフランス産よりも酸っぱくてチープで自分好みなんだけど、今回のワインは、物好きにもアメリカ人がワシントン州でわざわざピノ・グリージョと名付けて育てているもの。ちょっと楽しみな気持ちでスクリューキャップをあけた。
 
 まず見た目は、すっごく薄い白ワイン色。こいつは安ワインだ!それでも一応の黄色っぽさ・黄緑色っぽさはあって全く透明というわけでもない。香りは、初手では酸っぱそうな花畑系の香りがぶわっと吹き上げてきておいしそう。
 
 口をつけると強烈な酸味。ピノ・グリージョというだけあって流石に酸っぱい。もちろんワインは豊満なんだけど、こいつは風船のようなワインというか、口のなかで膨張感はあるけれども充実感が乏しいところがある。助けになっているのはフレッシュな酸味で、これが、かろうじて風船のようなワインの味と膨張感をつなぎとめているようなところがある。
 
 今日の夕食はブイヤベース主体のものだったけれども、これとは驚異的に合って、ブイヤベースを盛り立ててくれる(ブイヤベースがワインを盛り立ててくれるのではなく)。そして飲み進めていくと、苦みとスモーキーな口当たりがしてきて、ピノ・グリージョ的でなくピノ・グリ的な要素が露わになってきた。ここでも酸味は強い味方。ワインがかちゃかちゃにならないのは、酸味が骨組みになっているからだろうなぁと思った。
 
 ※翌日は、ちょっと安ワインっぽいかったるさを帯びてしまった。それも含めてピノグリージョらしいっちゃらしいけれども、お値段もそこそこなので喜んで良いものか、迷う。
 

【1437】Allegurini Valpolicella Ripasso "Corte Giara" 2013

 
Corte Giara Ripasso Valpolicella Allegrini
 
 今日のワインは、イタリア北東部ヴェネト州でアマローネをつくっているところの、リパッソ。リパッソはアマローネの「出涸らしでつくったワイン」、二番煎じみたいなものだと思っているけれども、二番煎じで良いワインなら一番茶は買うに値するものでしょう。前哨戦のつもりでレッツトライ。
 
 まず色合いは暗くて不透明、でも青紫よりは赤紫に近い色調。ここはそんなに特徴的じゃないんだけど、香りがとにかく「おがくず」っぽい。木の匂いはワインからよく漂ってくるけれど、こいつは飛びぬけて「おがくず」が来る。少し鼻が慣れてくると、熟した果実系の香りと苦い苦いコーヒーを予感させるものが来る。
 
 口に入れると、まず苦い!コーヒーを濃く入れて別の苦み成分(パフェの上に載っていることのある銀色のつぶつぶみたいなやつとか)を混入したような苦さが来る。ただ、この苦さに果実味が乗っているらしく、後味の段になると苦みと熟した果実味が長く残る。タンニンは予想よりは穏やかで、後味はとても長い。
 
 この苦さと果実味の控え目っぽさが、なんとも「二番煎じ」な雰囲気なんだけど、後味はなかなかパワフルで余韻が長く、後になるほど果実味が湧きあがってくる。暫く付き合っていると、ちょっと良いローヌのようなお線香混じりのフレーバーになってきて、これもなかなか嬉しい。このメーカーのアマローネはちょっと高価だけど、期待できるかもしれない。ご縁があったらお迎えしたい。
 
 ※二日目は、なんと苔のような風味がフワーっと吹き上げてきて、なんだか偉そうな雰囲気に。果実味も二日目のほうが甘酸っぱくて美味く感じられる。これはかなりアマローネっぽい。嬉しいですねぇ。アッレグリーニのワイン、また買ってみよう。
 

【1436】Joseph Drouhin Moulin-A-Vent 2013

 
Joseph Drouhin Moulin-A-Vent
 
 今日の夕食はトンカツと焼き鳥を中心とした和食。こういう食事に合わせる赤ワインは相応に軽めが良いんじゃないかと思ってボジョレーを選んだ。モノはジョセフ・ドルーアンのクリュ・ボジョレー、呑みやすい&食べやすいことを願いつつ抜栓。
 
 まず見た目。かなり暗い色をしているけれども、青紫色がかっていて、若々しい感じ。もともとボジョレーは青紫っぽいことが多いけれども、こいつはまさにそう。格上ボジョレーだけに、早飲みにもほどがあるのかもしれない。香りをチェックすると、少しブルーベリーに寄ったような香りが漂って来るけれども、そんなに派手じゃない。
 
 口に入れた第一印象は「まろやか」。ブルーベリーの風味、それから飲むヨーグルトのようなミルキーな舌触りがあって、濃度もヨーグルトぐらいありそうな。軽いワインでタンニンもそれほどでもないんだけど、にもかかわらず、えらく濃いものを飲んでいる感じがある。果実味も酸味も、このしっとりとした口当たりにコーティングされているような。それと、お汁粉のようにザラザラとした口当たりもあり、微妙にスミレ-ヴァイオレット系の風味も帯びているので、ブラインドテイスティングだと案外「どこかの上等なキアンティクラシコ!」とか答えてしまっちゃうかも。
 
 それにしても、抜群の飲み心地だ!しかも微妙に木の皮のような精気も帯びていて、活き活きとしている。先日の新世界赤ワインと比べちゃいけないんだろうけれども比べてしまう、こっちがやっぱり美味いなー。親しみやすくて、それでいて顔つきもバリエーション豊かで、寛いだひとときとなった。食事との相性?そんなの言うまでもないでしょう。
 
 ※翌日。少し酸味の勝った、スミレ-ヴァイオレット系の勝ったようなワインになった。初日よりも若干痩せてしまったと感じた。

【1435】Feudi di San Gregorio Bianco (N.V.)

 
サングレゴリオ フェウディ・ビアンコ
 
 このメーカー・フェウディ・ディ・サングレゴリオは、数年前まではどこにでも売られていたのに、だんだん見かけなくなって、しかも微妙に値上がりもしたのでとんとお見かけしていなかった。今回、かろうじて「ビアンコ」とだけ書かれた、どうやらノンヴィンテージ品らしきものを発見したので、これをやってみることにした。これって、昔あった「アルベンテ」の後継品??
 
 まず香り。ちょっと雑な、コルクっぽい香りがしたのも最初だけ。あとは「ヒヤシンスのような」と言いたくなるような、台所洗剤にしては化学的でキツい花の匂いを思わせる、きっつい香りが漂ってきた。先日、シャブリとファランギーナ系はまぎらわしいのではとか書いたけれども、短いインターバルで比較してみると違いは歴然(このワインはだいたいファランギーナでできていたと思う)、嗅ぎようによっては米糠っぽいけれども、やはり方向性が違う。でもって、石灰岩~炭酸系の荒っぽい酸味が予感される。
 
 口に入れてみると、香りのとおりの、ものっすごい石灰岩系の酸味がゴゴゴーっと来た。凄く粗くて、強烈な炭酸系の酸味だ。余韻と言うほどではないけれども、この炭酸系の後味がまずまず口に残る。ボディは豊満、ぽてぽてとしているけれども酸味によってダレることが防げていると思う。温度が上がってきてもなかなかダレなかった。
 
 ※翌日は、ヒヤシンス系のフレーバーが強まり、石灰岩っぽさがもう少し違った鉱物系の雰囲気になってこれまた旨い。なかなかのものだった。
 

【1434】Logan Weemala Merlot 2013

 
Logan Weemala Merlot
 
 「ワインをジャケ買い」って大変愚かなことのような気がするけれども、「厳粛な雰囲気のブルゴーニュ」と「鳥のマークのワイン」には割と甘くて、今回、鳥のマークのオーストラリアワインを開けることになった。
 
 まずジャケットを。うーん、思ったよりもかわいらしくないなぁ。カステラーレ・カステリーナの鳥に比べると、手抜きは歴然としている。これはいけませんねぇ。スクリューキャップを開けてドボドボ注ぐと、黒ずんだ、久しぶりにみる黒系葡萄の色。グラスの縁はやや青紫色がかっていて、若々しい印象。ただしワインにはそれなり透明感がある。
 
 香りを確かめると、杉の入浴剤みたいな香りがする。スースーとした、ハッカっぽい雰囲気を伴っていて、カシスリキュールみたいな、濃縮した甘みを予感させる香りも伴っている。あるいはグレープ味のグミキャンディとか。
 
 口に入れてみると、香りに違わない、濃厚な果実味が迫ってきた。苦みもしっかりしていて、タンニンも口の奥がキュっとすぼまるよう。概して、味のスカラー量がでかい、濃い、濃いぞー!輸入業者さん*1のラベルを確かめるとアルコール13-14%と書かれているけれども、なんかそれよりも強いんじゃないかと感じる。そして苦みとハッカっぽさのせいでちょっと薬っぽい。薬っぽさにブラックベリーの濃縮果汁が混じっているような。
  
 なかなかおいしいワインだけど、こいつはちょっと飽きちゃうかもしれないなー。それと、オーストラリアワインだから暫く放置しておいても平気だと思うので、そういう風に扱ってみよう。
 
 ※翌日、バランスが取れるかと思いきや、酸味が勝ってしまって意外と痩せてしまった。確かにバランスがとれたとも言えるかもだけど、体格が普通のワインになってしまって、こいつの大事な特徴が吹っ飛んでしまったような。ううむ。
 

*1:モトックス