北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1454】Domaine Chevalier Ladoix 2014

 
ドメーヌ・シュヴァリエ ラドワ 2014
 
 忙しくてまともにワインと向き合えなかったけれども、やっと一休みできたのでこれを。2014年産なので、ものすごく若い、本当は寝かせたほうが良さそうだけど、このクラスのワインを寝かせる場所はうちには無いので抜栓。
 
 見た目は、暗くて透明感のある、若いブルゴーニュとして矛盾しないもの。典型的なヴォルネなんかに比べれば黒っぽい。香りは……良いとは言えない。えらく酸っぱそうな香り、それも酢酸を連想させるやつが来て、なんとなく「コルク」を連想させるところも。かろうじて、その奥からバニラやチョコレートを連想させる香りが来るけれども、ううむ。
 
 口をつけてみると冗談抜きで酸っぱいぞ!酸っぱい葡萄だ!「甘酸っぱい」という言葉が世にあれど、ここまで甘酸っぱいワインも珍しい。鋭い酸、スーパーサクランボ、そんな感じがする。でも、二口三口と口に運ぶと、えらくこってりしていることに気づく。酸っぱくて野良臭いけれども、こいつ結構充実しているぞ? タンニンがばさばさしているかもだけど、そこも含め、味はけっこういけている。
 
 2014年のブルゴーニュワインは、ドルーアンの平格と以前に当たっているけれども、この時も「酸っぱい系」だと判断していたけど、これもそうなのかもしれない。ということは、割と好みかつ世間では値段の下がりやすいタイプかもしれず、ちょっと期待したくなる。もうちょっと格下を調査して、可能性を考えてみよう。それはそれとして、とことん野良臭い。ラドワという村名を考えれば、これはこれでいいのかなと思った。
 
 ※二日目は、初手から森の下草系の香りがバンバンに香ってきた。少し苦みが勝っているかもしれないけれども、他の点では前日を上回る。飲み頃をミスった、あまり良くないシャンベルタンあたりに迫るのでは? ラドワ、マイナーだけど侮れません。モンテリよりは見込みがあるのでは?
 

【1453】Henkell Schloss Biebrich Sekt (N.V.)

 
www.henkell-sektkellerei.de
 
 ワインの記録をつけるようになってから、ドイツ産のスパークリングワインは一度も飲んだことがない。だって、せっかくドイツならリースリングとかそういうのを飲んだほうが幸せになれそうじゃないですか。でも、今日は店頭のドイツ産スパークリングワイン、ゼクトの目が留まった。そういえば、ゼクトってどんな感じだったんだろう?
 
 見た目は、色が薄いスパークリングワイン。粗い泡ながら、勢い良く上がってくる。香りは、マスカットやマルヴァジアっぽい、甘い系統の香りがほんのりと漂っている。
 
 口に含むと、やはりマスカット系統の甘い風味。非常に軽くて、シュナン・ブランっぽい粉っぽい苦みがあるけれどもシュナン・ブランほど芯が無いというか、知っているスパークリングワインのなかでは日本の龍眼でつくられたスパークリングワインやロワールでつくられたスパークリングワインが比較的近いような気がする。乾杯のお酒としては良いと思うけれど、飲み進めるとかったるい感じが否めない。すべてのゼクトがそうなのでなく、こいつがたまたまそうだっただけかもしれないけれども、今一つな塩梅だった。ゼクト、次に挑戦するのはいつの日になるやら。
 

【1452】Chateau Subilaux Bordeaux 2014

 
シャトー・スビロー 2014
 
 今日の夕食はロールキャベツとコロッケをメインにしたもの。軽い赤ワインが飲みたいけれども、手許にある赤ワインで一番軽そうなのがこいつなので選んだ。ボルドー産の高級ワインはともかく、安ワインなら、こういう食事にあわせても口のなかで何とかなってくれるでしょう。
 
まず見た目。不透明で黒っぽい、久しぶりにみるカベルネ-メルロー系らしい感じ。グラスのへりを眺めると、ちょっと青紫がかっていて若々しい感じがする。香りは、煮豆やこしあんを連想させる、和菓子っぽい甘い香りとイチゴミルクのような香りがメイン、その奥に酸っぱそうな匂いも控えているけれども、とりあえずおいしそうなやつがふんわりと漂ってくる。
 
 口に入れてみると、かなり軽い飲み口、えらくミルキーな口当たりでイチゴミルクっぽい。ただし、甘味は控え目で、苦みや酸味もそれほど激しくない。小粒ながら、落ち着いて節制の取れたワインで、もうこれだけでお値段分の元を取ったような気持ちになる。安ボルドーにいつも期待している「魅力いっぱいではないけれども落ち着き払った雰囲気」がちゃんとある。このワインは、適度な苦みとミルキーな口当たりのおかげでそれができているんじゃないかなぁと思った。明日以降が楽しみだ。
 
 ※二日目は、残念ながら少し過剰な酸っぱさが目立つようになった。そのかわり、ほんのりと苔のような香りを帯びるようになって、これもこれで楽しい。価格を考えると、これは良い安ボルドーなんじゃないでしょうか。
 

【1451】Farnese Fantini Pinot Grigio 2014

 
ファルネーゼ ピノ・グリージョ
 
 普段、ワインは買ってきたその日にはなるべく飲まず、一週間以上置いてから飲むようにしているけれども、このピノ・グリージョはどうしても当日抜栓したくなったので開けてしまいました。
 
 まず、色は普通の白ワイン色でどうってことはない。香りは、フランス産のピノ・グリではなくイタリア産のピノ・グリージョだと自己主張しまくりの、爽やかな植物系フローラル、ほんの少し苦そうなハーブっぽい香りも混じっていて、フランス産とはえらく雰囲気が違って青々としている。ソーヴィニオン・ブランの青々としているところが半分混じっているような。で、少し蜂蜜っぽくもある。この価格でこの構成はうれしい。
 
 口に運ぶと、実に爽やかな酸味が来た!さりとてやせぎすのワインではなく、ピノ・グリほどじゃないけれどもふくらみもあるし、甘味もそれなり、で、味のほうにも植物系フローラルがしっかり入っていて、飲んでいてとても気持ち良い。さすがのファルネーゼ! 何を飲んでも旨いけれどもこいつは本当に期待どおり。お値段以上の活躍をしてくれた。
 
 ※翌日は、ちょっとチープな雰囲気になったけれども、これでやっとお値段並みかと。良いワインだった。

【1450】Leflaive et Associes Monthelie 1er Cru Sur la Velle 2011

 
ルフレーヴ・アソシエ モンテリ一級 シュル ラ ヴェル ルージュ 2011
 
 最近、ポケモンGOのやり過ぎで根性の入ったワインを飲む気力が残っていない。つい、飲みやすいワインや安ワインに手が伸びてしまう。
 
 今回は、ちょっと格上でリハビリを。ただし「ドメーヌ・ルフレーヴの名前は借りているけれど、自社生産ではないワイン」の「モンテリ一級」という微妙なライン。でも、全力で味わって、このルフレーヴ・アソシエなるものを見極めたいところ。
 
 まず見た目。なかなか明るいブルゴーニュ色をしていて、あと一歩で「朱色」と言えるような水準。香りは、甘いイチゴチョコレートの香りがぷんと漂って後、雨の日の苺畑のような、湿り気のある香りがこんもり盛り上がってきた。若干ローソクっぽい揮発臭が混じっている。
 
 口をつけてみると、意外とさっぱりした滑り出し。甘酸っぱいというより酸っぱく、軽い飲み心地なんだけど、充実感がある。このあたりは、とにかく軽かったドルーアンの平格赤とは様子が違う。良くも悪くも「雨の日の苺畑」みたいな風味があって、活きは良いけれども植物系の生臭さ。滋養はあるし素朴なワインだけど、凄みは無い。
 
 ただ、今日の夕食(牛肉の野菜炒め、カジキをバジルぶっかけてグリルしたもの他)とはとても良い相性。食事時のワインですか。しかし、こういう、滋養があって食事に合うワインとしては、このワイン、ちょっと高すぎる。それと、こういう滋養ワイン路線でいくなら、むやみに酔いが回ってはいけないはずなのに、こいつはどうもアルコールが回る感じがして、スケールの割に酒臭いと思う。こんなの、ほとんど難癖に近い注文だけど、名門「ルフレーヴ」の名を冠するワインなら、そういうところにも目配りが利いて欲しいし、それが無理なら、一本3000~4000円の、無名なメーカーが作っているマイナー畑*1のワインに伍する存在ではないと思う。
 
 ※二日目。えらく土臭い、ますます野良臭いワインになってきた。甘さも派手さも控え目で、ブルゴーニュの一級としてはいかにも地味。ところが、地味=駄目ではなく、昨日よりもずっと味わい深い地味さになってきたぞ!サクランボのような赤系果実のかわいらしい甘味も増大して、ここに来てグッと「よくできたマイナー畑のワイン」っぽくなってきた。もともと小柄なワインだからか、まとまりも良い。評価を上方修正、まずまず頑張っていると思う。
 

*1:ペルナンヴェルジュレスとか、ラドワとか、そのあたり

【1449】Hugel Sylvaner Alsace 2014

 
ヒューゲル シルヴァネール
 
 このシルヴァネールって品種は、柔らかい飲み心地で人を威圧するところがなく、ふんわりと飲むには結構良いものじゃないかと最近見直していて、ふと、そんな時にヒューゲルの同品種のワインを発見したので購入してみた。お値段は1700円、類似路線っぽいソアーヴェクラシコとだいたい同じぐらいの価格帯での購入。
 
 まず見た目。少し緑色がかった、薄い白ワイン色。ほんの僅か、気泡が混じっている。その割にはグラスのへりはネットリとしている。香りは、目が覚めるような爽やかな香り、台所洗剤の香りをもっと硬派にして、ラムネを混ぜて、最後に蜂蜜をかけたような、期待以上の香りがする。これは楽しみだ!
 
 口に入れてみると、とにかく柔らかなアタック。ここまで柔らかいアタックのワインというと、自分の既知のワインではソアーヴェクラシコしか思いつかない。その後、ラムネのようなCO4を連想させる風味がシュワッと感じられた。後味にはベジタブルな、温野菜系の風味がしっとりと残った。ソアーヴェ系によく似ているけれども、ラムネっぽいスカっとした風味はあちらには無くて、これはこれで気持ち良い。爽やかで、困ったことに、がぶがぶ飲めてしまう。結局、嫁さんと二人がかりでまるまる開けてしまった。