北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1487】Domaine Santa Duc Les Crottes Roaix 2009

 
Santa Duc Les Crottes Roaix 2009
 
 
 今日のワインは、ローヌのお気に入りメーカー、サンタ・デュックのあまり高くないワイン。でも2009年とヴィンテージが古めなので、わりと期待しての抜栓。
 
 まずびっくりしたのはワインボトル。そんなに高い値段じゃないのに、えらく太くて頑丈なボトルに入っている。コルクもすごく長くて、抜くと、裏側は黒色~赤紫色の、素晴らしい色をしている。これは良い予感。
 
 グラスに注ぐと、向こう側を見通すのが困難なほど真っ黒なワインレッド。これは濃いですねー。香りを確かめると、赤系線香の香りに加えて緑系・杉系線香の香りもいくらかあって、さらにスパイシーな風味を伴っている。
 
 口をつけると、血のごとく濃い口当たり、果実味がみっしりとしている。コクもあって、ローヌのワインのなかでも濃さが飛びぬけて高い。でもって、飲み進めるとトマトペーストみたいな野菜っぽい風味が感じられ、森の下草系の香りまで漂ってくる。価格帯を考えると、かなり頑張っていると言わざるを得ない。
 
 ※二日目は、ちょっと酸味が増えたように感じられたが森の下草系、野菜ペースト系が強まり、むしろ良くなった(いや、好みになったと言い換えるべきか)。栄養がありそうな雰囲気だ。うまかった。
 

【1485】Southern Boundary Wines "The Springs" Riesling 2015

 
ザ スプリングス リースリング サザン バンダリー ワインズ
 
 まず見た目は普通の白ワイン色。つまり白っぽくて少し黄色いような、そういう色調。あまり緑色がかっているようにもみえない。香りは初手ではあまりわからない。うっすらと植物系洗剤の香りがするけれども目立ったものではない。
 
 口に含むと、意外と甘みが強く、苦みは伴わないリースリング。酸味が足りないわけではないけれども、酸味をガッチガチにぶつけてくるようなものでもない。リースリングにしてはふくよかで、ちょっとバターっぽくあるかもしれない。あまり好みな作り方ではないけれども、とりあえず、おいしいなと思った。
 
 ※翌日もびくともしない。さすが新世界ワイン。まったく同じ飲み心地でした。

【1484】Realce Syrah Red Wine (N.V.) (ハーフボトル)

 
www.vivino.com

 
 ワインを呑むサイクル的に、ハーフボトルをあける以外にやりようがない日が来たので、今日は旅先で買って放置されていたスペイン産のハーフボトルをあけることにした。ものは、ラ・マンチャでつくられたシラーとのこと。
 
 まず見た目。ちょっと茶色っぽい感じがしてお年を召したような雰囲気になっている。香りは初手では弱弱しく、何をやっているのかよくわかんない感じ。 
 
 口をつけてみると、梅キャンディみたいな酸っぱさがまず来て、その後にあるていどのコク、かなり強いタンニンが来た。で、後味には再び梅系を思わせる酸っぱさ。スペイン産のシラーというから、ごっつく重いワインかと思いきや、意外と酸っぱさ先行で重くない。裏ラベルには「熟したプラムにスパイシーな風味」とあるけれども、言われてみるとそうかもしれない。すごくおいしいワインではないけれども、とりあえずのテーブル赤ワインとしては合格かと思った。
 

【1483】Farnese Chardonnay 2015

 
ファルネーゼ シャルドネ [2015]年
 ※リンク先は年それぞれの最新ヴィンテージのようです
 
 意外と面倒な安イタリアワインの世界で、アブルッツォ州のファルネーゼは頼れる味方。今回は、イタリア土着品種ではなくあえて国際品種のシャルドネをあたってみることにした。
 
 まず見た目。シャルドネとしては白っぽい部類で、樽を使っている気配が感じられない。香りはあまり強くなく、なんとなくすがすがしい香りがするのかな程度。
 
 口に運ぶと、すがすがしい口当たりと酸味がメインのワイン。これは、本家ブルゴーニュのシャルドネでいえば、リッチな「ムルソー」系ではなく、さわやかで酸っぱくて軽々とした「マコン」系といったところ。ただし、このワインは変にメロンメロンしいというか、ちょっと膨らみに欲を張ったところがあって、マコンに比べてオールマイティではあるけれども雑なところがある。集中力が今一歩劣るというか。
 
 ただ、この価格帯のワインで、しかもオールマイティなところのあるワインとしては十分な出来で、これならチリワインのシャルドネにもひけをとらず、なおかつ、端正な部類に入ると思う。自分はやたらリッチな安シャルドネよりも酸っぱい系が好きなので、ファルネーゼのシャルドネは普段呑みとしてはokだと思う。
 
 ※二日目のほうが酸味が勝って旨くなったと感じた。要らないものが削げ落ちて「マコン」系により近づいた感じ。人によってはこっちのほうが駄目って言いそうだけど、自分的には二日目のほうが好み。
 

【1482】Domaine Michel Gros Nuits Saint Georges 1er Cru 2009

 
ミシェル・グロ ニュイ・サンジョルジュ一級
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日は久しぶりにブルゴーニュ北部のワイン。選んだのは、これも久しぶりのミシェル・グロ、モノはニュイ・サンジョルジュ。これにするか、別の作り手のフィサン一級2009をあけるか迷った末、こいつを抜栓することにした。
 
 まず見た目は、ピノ・ノワールにしては黒っぽい色。とはいえメルローなんかに比べれば明るく透明感のある色彩ではある。香りは、初手ではチョコレートを予感させるような香りがするのみ。
 
 口に運んでみると、「まさにコート・ド・ニュイ」「まさにニュイ・サンジョルジュ」と言いたくなるような。ビターとチョコとミルクが混然一体となったような、強いけれども物腰のやわらかい第一印象。タンニンがまだかなりあるけれども、まったく攻撃的ではなく、ふかふかとしていて心地よい。後味の段になると、フレッシュでピノピノした果実味を伴うようになって、しかもビター風味やチョコレート風味ともよく馴染んでいる。めちゃくちゃ派手なわけではないけれども大柄だけど柔和で上品で好感がもてる。
 
 ※二日目は酸味が強まって、昨日よりもバランスのとれた構成と感じるようになった。ただし、これは酸味の強いワインが好きな自分の感想で、人によっては昨日の状態のほうがおいしいと言いそうな気がした。

【1481】Cavicchiolo Lambrusco Grasparossa Amabile (N.V.)

 
カビッキオーリ ランブルスコ ロッソ アマビーレ
 
 ランブルスコというワインジャンルのなかで一番おいしいワインは何か? の答えとして、自分はこのワインを挙げる。少なくともアマビーレ(中甘口)というジャンルでは最高のワインのひとつだと思う。
 
 見た目はカシスリキュールのように真っ黒で、グラスに注ぐとピンク色の泡がしっかりと立つ。香りは初手からブルーベリーヨーグルトのようでおいしそう。で、ランブルスコにとって重要なことに、「生臭くない」。
 
 口をつけてみると、ニュニュっとした飲むヨーグルトやヤクルトに連想するような乳酸系の風味と甘みが口に広がって、爽やかな甘酸っぱさ。辛口ワインに期待するものはなくて、あくまでアマビーレというジャンルの範疇だけれど、とても飲み心地が良く、案外、食事にも付き合ってくれる。「甘い飲み物と食事は絶対にNG」でなければアリなのでは。そして飲み進めてもあまり飽きず、生臭さが湧いて来ることもない。それと、こいつは終始ワインが濃くて、味が薄まっていくあの嫌な感覚もない。カビッキオーリの他のランブルスコ達と比較してもこいつは図抜けている。優秀。
 
 ランブルスコって、1000円出しても生臭い品が時々あるので、こいつは本当にありがたい。我が家の鉄板ワインのひとつ。