北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1507】Stocco Pinot Grigio 2015

 
ストッコ ピノ・グリージョ
 
 今日の夕食は、サーモンのホイル焼きとチキンナゲット中心の、ちょっと濃い白ワインが良さそうな雰囲気。そこで、イタリア産のピノ・グリージョ(ピノ・グリ)をいただくこととした。
 
 まず色は普通の白ワイン色、強いて印象をあげるなら元気の良い照りをしている。香りは、澄んだ台所洗剤のような雰囲気ですがすがしい。蜜はあまり感じられず、あくまで清々しい系。
 
 口をつけると、甘みと酸味がしっかり。膨張感とトロピカルフルーツで押してくるフランス産のピノ・グリとは趣が違って、あくまでさっぱりとした味わいがメインで、そこにある程度のオイリーさと膨らみを伴っている感じ。もったいぶったところのない、バランスの良い白ワインだ、
 
 ※二日目は、さらにイタリア白ワインっぽいさっぱりとした雰囲気になった。安いピノ・グリージョっぽいというか。でも、それがまたいい。

【1506】Domaine la Mereuille Cotes-du-Rhone-Villages 1999

 
コート・デュ・ローヌ ヴィラージュ [1999]ドメーヌ・ラ・ムルイユ
 
 このワインはローヌの平格赤ワイン。ただ、ヴィンテージが妙に古くて1999年、ここまで古い平格のローヌは飲んだことがない。いったいどんな状態になっているんだろうか。
 
 まず見た目。びっくりするほどレンガ色!オレンジ色っぽさが目立ち、不透明で濃い。普通のワインレッドよりも紅茶の色に近い。グラスに注いだ瞬間に、古酒にありそうな、ベンゼン環のついていそうな揮発臭がフワッと舞い上がった。熟れたメロンのような香りがした後は、あまり香りが感じられないので口をつけてみた。
 
 口をつけると、これまた古酒っぽい感触。近いものとしては、いつぞやの古スペインワインで感じたものの廉価版、あそこまで線が細かくもないけれども、安物なりにうまくまとまっている。熟成メロンのような甘い風味、漆喰のようなフレーバー、飲み進めると少しずつ明らかになってくる健在な果実味。あとはなんだろう、シラーかガルナッチャ(グルナッシュ)由来とおぼしきジャムのような濃さは意外と生き残っている。長い時間が経っているからか、渋みの攻撃性はそれほど高くはない。
 
 ※翌日はいくらか痩せたがメロンっぽい熟れた雰囲気は残存。ある程度は飲める状態だった。
 

【1505】Comtes Lafon Monthélie les Duresses 1er cru 2002

コント・ラフォン モンテリ レ・デュレス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 続いていただくのは、コント・ラフォンのモンテリ一級。まず見た目は、わりと普通のブルゴーニュ色、濃すぎず薄すぎずといった感じで透明感がある。
 香りを確かめると、ものすごく土臭い。石とか石灰岩とかじゃなくて「土」、ゴボウを引っこ抜いた直後のような香りがもうもうと来る。そこにビャクダンのような熟成ブルゴーニュ赤ワインにありそうな風味が合わさって、野良臭いところで調和がとれている。
 
 口にしてみても「土~!!」それでもって果実味が土っぽさを裏支えしていて、滋養たっぷり、分厚い飲み心地と感じられる。いつぞやのルフレーヴ・アソシエの軽い感じとは無縁、重いわけではないけれども、ワインにずっしりとした手応えが感じられて、派手さは無いけれども、しみじみと美味いワインだ。妙に口のなかに粘りが感じられるのも良い。
 
 モンテリなんて軽視していたけれど、これを飲んで「作る人が作れば、野良っぽい個性がちゃんと出る」ということがわかった。ちょっと買いたいかも。
 

【1504】Les Heritiers du Comte Lafon Macon-Chardonnay Clos de la Crochette 2002

 
コント・ラフォン マコン・ミリー・ラマルティーヌ・クロ・デュ・フォール
 ※リンク先はヴィンテージが異なります

 まず、見た目はアンズがかったオレンジ色っぽい色彩で、綺麗に熟成したワインの感じをしている。香りは初手では蜂蜜8割、あんず2割といった割合のものがブワッと溢れてくる。複雑さはないけれども香りの強さは相当なもの。
 
 口に入れると、まずあんず系の風味が来て、そこからハチミツがたっぷりと口のなかに。長熟白ワインにありがちな「ひねた」感じがこのボトルには全く感じられず、純粋にできあがっている。後味にライトでさっぱりとした酸味を伴っているあたりに、マコンらしさが残っている。それと、やけに小難しい感じがなくてサラリと飲めるような。偉大なワインではないかもしれないけれども、きれいに熟成しましたというような。たいしたワインだった。

【1503】Chateau Lacoste Garzac Bordeaux 2014

 
シャトー ラコスト ガルザック
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 ボルドーの安ワインには独特の哀愁というか、ブルゴーニュの安物には無い穏やかさがあって割と好き。しかも安くて見向きもされていない。で、こいつは以前に2012年を飲んだ時に結構おいしかった、シャトー・ラコスト・ガルザック。
 
 まず見た目。思った以上に不透明なワインレッド。黒っぽい。ボルドーってこんなだったっけか。で、香りは、小豆を煮たような香りと、少々のピーマン、今回はミントやインクっぽさは感じない。
 
 口に入れると、ピーマンっぽさを帯びた果実味がぐわっと広がった。想定していたよりも果実味と酸味が濃い。でも、上顎部に広がる煙突風味は、いかにもな感じ。ピーマンと溶け合っているようでなかなかに良い感じ。安ボルドーらしい、するすると入っていく感覚は健在で、甘味は控え目、呑兵衛が普段飲むなら、これぐらいスルっとしていて圧迫感の少ないワインのほうが気楽だ。デイリーとして飲むぶんには良いように思った。
 
 ※翌日もあまり姿が変わらず、疲れた身体によくしみる。難しいところがなくてありがたい。このワイン、もう売り切れてしまったけれども、見かけたらまた買おう。新世界系の赤ワインにはない良さがあると思う。
 

【1502】Pala Vermentino di Sardegna "i Fiori" 2015

 
ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ パーラ
 
 安くて美味いイタリア白ワインの産地のひとつ、サルディニアの、知らないメーカーに手を出してみた。品種はヴェルメンティーノなのでわりと馴染みがあるので、比較するにはちょうど良さそう。
 
 まず見た目。まずまず普通の白ワイン色をしていて濃くも薄くもなく。香りは、ライム系台所洗剤を連想するような、爽やかで揮発性のある香りがツーンと来る。ちょっと揮発性のある香りでもある。
 
 口をつけると、苦みを少し帯びた、微妙にリースリングに近い雰囲気。ちょっと高めの温度だからかもだけど、いつものサルディニア産ヴェルメンティーノに比べると甘味が強くて酸味ゴリゴリ系とは感じない。ただ、二口、三口と飲み進めると、石灰岩のような風味が露わになって同族感がある。それでも妙に飲み心地に張りがあり、ハチミツめいた甘味がついて回っているので、予想外にリッチな雰囲気を湛えている。酸味ゴリゴリを期待していたのでちょっとびっくりしたけど、一般論としては、これは良いことなんだろう。
 
 ※翌日も、酸味と甘みと苦みと適度な豊満さで、とてもバランスの良い、けれどもヴェルメンティーノらしさを損ねるほどでもない、とても良いワインだった。ピーキーなヴェルメンティーノは嫌だ!という人にはすごくオススメ。コスパにも優れたワインだと思う。サルディニアはこれだからやめられない。