北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1529】Ropiteau Bourgogne Passe-Tour-Grains 2013

 
ブルゴーニュ・パストゥグラン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日はとてもくたびれたので、あまり考えずにスッスッと飲めるようなものが欲しい、で、手持ちの在庫をみると安そうで酸っぱそうなものが出てきたので、これをあけることにした。
 
 まず見た目。ピノ・ノワールだけで出来たほとんどすべてのブルゴーニュ平格よりも、そこらへんのボジョレーヴィラージュと比較しても薄い、でも少し青みがかっていて黒ずんだ、そういう色をしている。パストゥーグランにふさわしい見た目ではある。香りは、チープなチェリー菓子のような香りが鼻をよぎったけれども、グラスに鼻をつっこむと、お線香のような香りが付け加わる。価格を考えたら、結構おいしそうな香りだぞ?
 
 口をつけると、酸っぱい!爽やかな酸っぱみが駆け抜けていく。少しだけ枝のような匂いと、それに伴って生臭さがあるような気がするけれど、良く解釈すれば、若いさくらんぼのワイルドな雰囲気。なんだろう、えらく活きが良いさくらんぼでパワーが湧いてきそうな。それでいて、軽い飲み心地ながらも、ちょっとだけビターでコクのあるところがあって、軽いからといってそんなにチープで単調にまとまっているわけでもない。これは、なかなかのパストゥグラン。お買い得品としか言いようがない。
 

【1528】Tollot-Beaut Savigny Champ Chevrey 1er Cru 2001

 
サヴィニー シャン シュヴレ 1級畑 モノ ポール
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 続いて呑んだのは、トロ・ボーのサヴィニ・レ・ボーヌ一級。なんでも単独所有畑なんだとか。はてさて、どんなワインが出てくるか。
 
 まず、見た目は普通のブルゴーニュ色、明るく輝いているけれど、オレンジ色っぽい色調がぜんぜん感じられない。16年経っているのに、年を取っている気配がみられない。香りを確かめると、まず、桐箱のような香りが立ち上がってきて香しい。で、そこに土っぽさがあるのが面白い。
 
 口に含むと、まず滋養たっぷり、土の気配が感じられた。先日のモンテリに通じるような土臭さ、野良臭さがあって、サヴィニ・レ・ボーヌでこんなワインが生まれるのかとびっくり仰天。酸味が無いわけではないけれども、相対的に豊満と感じる。重いワインではないのに。土っぽさのおかげで、栄養補給している感が強く、これも疲れた身体には染みわたるようだ。で、しばらくすると何故か胡椒のようなオリエンタルな香りが来た。胡椒?で、途中からは酸味が少しずつ感じられるようになって、野生っぽいサクランボ風味がきいてくるようになった。なるほど、サヴィニ・レ・ボーヌという感じ。とても良い感じだった。
 

【1527】Frederic Mabileau Chenin du Puy 2011

 
Chenin du puy 2014 - Domaine Frédéric Mabileau - Saumur Blanc - Frédéric Mabileau
 
 今日は割と疲れていたので、酸味の強そうなワインが欲しくなった。視界に入ったのは、本場ロワールでつくられたシュナン・ブラン。
 
 まず見た目。結構きれいな、適度に黄色っぽい白ワイン色をしている。ソアーヴェなんかとは色調は明らかに違って、色調としては、ドイツ産リースリングの酸っぱい系あたりを思い出した。香りは、ゆず、苦味、すだち、なんだけど、これだけではうまく言い表せない。なんだろう。
 
 口に含むと、初手ではアッサリとしたテイストながら、すぐにコクのあるワインだと思った。ふくらみがしっかりしていて、酸味があってもシャープとは言えない。酸味は強いのに中肉中背、白ワインとしては筋肉質なワインだと思う。そういうワインだけど、なにせ酸がしっかりしていて純度も高いものだから、疲れた体にばっちり染みわたる。うまく言い表せない香りはなんだろう……パラフィンや、ヨーロッパでつくられた石鹸の香りが混じっている感覚か。およそ飲み物とは思えない香りが混じっているんだけど、なかなかに香り高く面白い。味に蜜っぽさも入ってきて、シンプルにおいしくもある。シュナン・ブランなのに人懐こいワインで、バランスにも優れていると感じた。
 

【1526】Casa Vinironia Appassimento Puglia Rosso 2015

 
アパッシメント カーサ・ヴィニロニア [2015]
 
 このワインは、南イタリアはプーリア州でつくられた「アパッシメント製法」の赤ワイン。アパッシメントっていうと、もっと北のほう、ヴェネト州の赤ワイン・アマローネの製法のはずなんだけど、プーリア州で同じことをやったらしい。ラベルには「メルロー、プリミティーボ、ネグロアマーロ」を使ってあると書かれている。一体どういうワインなんだろうか。
 
 まず見た目。ものすごーく濃い赤ワイン色、不透明感が強い。で、凄い果実臭、ジャムを煮詰めたような、それと煙たい匂いとコーヒーっぽさ。ちょっとだけ汗っぽい匂いが混じるのは南イタリアワインらしい。
 
 口に運ぶと、ものすごい果実感。甘い!そして苦い!渋みもかなり強いけど、まず、甘味の強さがジャムじみていて凄いパワー。で、コーヒーがこみあげてくる。本家アマローネに比べると、香りの揺れ幅が小さく、メルローとプリミティーボのせいか、キュッと引き締まったところよりも分厚い果実味が遠慮なく入ってくる。アマローネとは性質が違うけど、これはプーリア州のワインだから、違っていてもよろしいかと。
 
 ※二日目、昨日の飲み心地からきつさがとれて、ミルキーで丸い感じのワインになってきた。甘くてソフトタッチな飲み心地で、おおらかと感じる。二日目のほうが良いと感じた。
 

【1525】Pala Monica 2015

 
Pala Monica 2015
  
 このワインは、以前に別メーカーで相当おいしかった土着品種・モニカの別メーカー品。こちらは1200円ほど安いので、品質はいくらか劣るかもしれない。でも、似たような路線なら十分にお買い得かもしれないので試してみた。
 
 まず香り。初手では梅っぽい酸っぱさが来て、その後に少し「生臭いような、へんな匂い」がしたような気がした。これは一体なんだろう?その後、少しイチゴミルク寄りの匂いになったけど、あまり香りは強くない&良くない。
 
 口をつけると、ちょっと酸味が強くて苦みを伴った味わい。ほかのイタリア品種でいえば、バルベーラに近いかもしれない。以前のものに比べると、甘みとふっくら感が足りないかと思いきや、少しずつ果実味に伴う甘みがせり上がってきた。酸っぱくて粗いワインだと思いきや、慣れるに従って包容力をみせてくる。更に、エキゾチックでスパイシーな風味が伴ってきて、なかなかに魅せてくれる。すごく良いってほどじゃないけど、低価格版として充分な内容だった。
 
 ※翌日。ちょっと痩せたかもしれないが、スパイシーな風味と持ち前の柔らかさは健在、なかなかにおいしかった。
 
 

【1524】Chateau de Meursault Meursault 1er Cru 2007

 
Chateau de Meursault Meursault 1er Cru 2007
 
 このワインは、以前に何度か呑んだ(一回目二回目三回目)、コストパフォーマンスに優れたムルソー一級。「飛び抜けて優れたムルソー」ではないけれども、ムルソーっぽさを楽しませてくれるこのワインが、またもや手に入ったので呑んでみた(2017年4月現在、楽天市場に安めの価格で点在している模様。どこからか大量に流入している?)。2007年産だから、きっとまだまだ現役でしょう。
 
 まず見た目。もう、いかにもムルソーな、普通のシャルドネよりもはっきりと濃い。黄金色っていうより山吹色に近い色調。香りは、初手ではふんわり蜂蜜クッキー一択、そこに、ほんのりと葡萄の気配も感じられて大変うまそう。アンズの気配は感じられなかった。
 
 口に入れると、酸っぱい!香りからは想像つかないほど酸味がしっかりしている。もうちょっとバター系のコクが強いかと思いきや、酸味がはっきりとしている。同じブルゴーニュシャルドネでも、ムルソーじゃなく、マコンを連想させるような酸味がある。ただ、果実味が乏しくて痩せているなんてことはなく、果実味にゆったりとしたところがあって、寛がせてくれる。呑み進めるうちに、いったん香りが弱くなったような気がしたけど、後半、バターとナッツがこみあげてきて、酸味と統合性の高い味わいに幸福な雰囲気に。最後の最後に、力を振り絞ってくれた。