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さて、次のワインは一級。「ぷちシャペル」の名前を持ったシャペルシャンベルタン近傍の畑で、これまたヴィンテージは2009。
ほかの村名格のワイン達と比較すると、色は最も暗くて濃い。それでも、ピノにあるべき輝きみたいなものはちゃんとある。香りも、初手から桐箪笥の香りがますます強く、ちょっとばかり煮豆っぽいニュアンスも混じっている。さすがに一枚複雑だ。
で、口をつければ、2009年産らしい、果実味がしっかりした仕上がり、いつ飲んでもおいしかろうというような。で、このワインは余韻が長い。今までのワインに比べて、喉の奥に向かって残る余韻が長く感じられる。より上級のワインが出てきた後も、こいつはバランスがとれていて良いと感じたので、良年ヴィンテージの品があればおさえておきたいなぁと思った。
【1550】Serafin Pere et Fils Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 2009
セラファン ジュヴレ・シャンベルタン
続いて村名格3番手。セラファンの2009年産。
まず、色はかなり暗くて「黒っぽい」と言って良いような。そして香りも、初手から桐箪笥系の、あのよくできたピノ・ノワールに期待したくなる風味が滾々とこみあげてくる。
でもって、口に含むと果実味がしっかりしていて、タンニンよりも優勢、酸味もそんなに目立たず、至極快適、若呑みピノ・ノワールならこれでしょ、というようなぴちぴちとした雰囲気になっている。今の段階でも十分に楽しいけれど、まだまだ伸びしろがありそうなワインだ。それと、一人でボトル抱えて数時間お付き合いしたら面白そう。
そういえば、このワインが出た頃に(濃い)白ワインが欲しくなるような一皿が来たんだけど、このワイン、意外と社交的で、皿に負けるでもなく、皿を威圧するでもなく、上手に付き合いやすかった。
【1548】Dominique Laurent Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 1999
ドミニク・ローラン VV
(※リンク先はヴィンテージが異なります)
まず出てきたのは、ドミニク・ローランの村名格のジュヴレ・シャンベルタン。1999年なのでそこそこ熟成しているかと期待。
まず見た目。意外と暗くて、グラスの辺縁にはほんのりと茶色が入っている。香りは、ローソクと甘酸っぱそうな果実が、はじめは弱めに匂ってくる。その後になって、獣系の匂いがどことなく入ってきて、森の下草っぽさも伴う。大柄な香りではないけれども、いろいろ取り揃えてあるような。
で、口当たりは初手ではなめらかだったけど、タンニンがしっかりしている。ジビエ系の香りがだんだん強まってきて熟成している感はあるけれども、タンニンの影響か、あまりヘナヘナしていない。後から出てくる2012や2009の村名格ワインと比較することで、こいつがひとまわり熟成しているのがわかるけれども、まだまだお元気な様子だった。
【1547】Bollinger Special Cuvee Brut (N.V.)
ボランジェ スペシャル キュヴェ
今日はフレンチな食事と一緒に「ジュヴレ・シャンベルタンをいろいろ飲んでみる会」なるものに参加させていただく機会があって、村名格~特級まで、飲み比べてみることになった。ただ、乾杯にはシャンパーニュが出てきたのでクイッと飲むことに。
まず見た目は普通にシャンパーニュ。それほど赤身がかってはおらず、金色系の色合いに、泡がさかんに立ち昇る。口に含むと酸味がしっかり、苦みと重みも伴っていていかにもシャンパーニュ。それでいて涼しい飲み心地で「かろやか」なのは相変わらず。穀物系の風味もちゃんと伴っていて、華やかなスタートとなった。
【1546】Vigneti Zabu "Chiantari" Terre Siciliane Nero d'Avola 2015
このワインは、アブルッツォ州で安くて手堅いワインをつくっているファルネーゼがプロデュースしているというシチリアのワイン。品種は土着品種ネロ・ダヴォラで、やけに立派なボトルに入っている。
グラスに注いでみると、少し明るくて蛍光色っぽさすらある紫色。このワイン、ワインレッドという言葉よりも「紫色」といったほうがしっくり来る色合いをしている。香りは、檜の入浴剤+梅系お線香+梅ジャムといった趣で、なかなかパワフル。
で、口に注いでみると、ソフトタッチな口当たりにミルクチョコレートに近いような、まるっとした甘味。で、後味の段になってきて酸味がほんのり、タンニンの渋みがゆっくりとこみあげてくる。タンニンは意外ときめが細かく、人を脅すようなところが少ない。で、あいかわらず鼻腔には檜の入浴剤っぽい香りがこみあげている。それでも、きつくて飲めないと思うギリギリのところにおさまっていて、明るく開放的な雰囲気を伴ったワインで悪くない。
※翌日は、まるっとした甘味が少し落ちて、これで標準的な安ネロ・ダヴォラという感じになった。