北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1588】Maison Leroy Meursault 1999

 
メゾン ルロワ ムルソー
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 ちょっと疲れた日に、このワインを。
 
 まず見た目。もう、山吹色とオレンジ色の中間ぐらいの、熟成をきわめたムルソーという感じ。まさに、ザ・ムルソー
 
 ところが香りはそうでもない。蜂蜜クッキーがあまり匂ってこずに、最初はアンズのような香りが漂う程度で、そんなに感銘を受けるほどでもない。
 
 口をつけてみると、ふっくらとした、充実度の高いワインながら、果実で押すでもバターで押すでもなく、やけに禁欲的、というか節制がきいている。ただ、節制のきいたなかで、蜂蜜クッキーや爽やかな風味やアンズなどが感じられて、変化自体はある。
 
 自社生産でなく買い取り生産モノだからか、それともムルソーとはいえ村名だからか、それともルロワというメーカーが節制と品性第一のせいか、もうちょっと迫りくるものがあったらいいなあと思った。上品にまとまっていて、円満ではあるんだけど、ちょっと小粒ではあった。

【1587】Dominio de Punctum El Paular Tempranillo 2015

 
エル・パウラル テンプラニーリョ ビオディナミ
 
 今日は安い赤ワインを開けたい感じだったので、このスペイン産を。ボトルにはビオディナミですオーガニックですと書いてあるけれども、なんのことやら。
 
 まず見た目。黒ずんだワインレッドで、この夏、ピノだのボジョレー系だのばかり呑んできた身にはおそろしく濃くみえる。ボルドー系、ローヌ系を呑んでいたらそんなに思わないのかもだけど、本当に真っ黒。それと少しだけ青紫色がかっている。
 
 香りは、真っ直ぐに葡萄の皮っぽい香りとお線香のような、もう少し香料寄りの香りが漂う。野暮い意味の野良臭さは感じられず、清潔な匂いと感じる。
 
 口に含んでみると、最初は柔らかな口当たり。甘みは控えめで、タンニンがふっさふさとしている。果実味は豊かだけど、そこを強調するではなく、まずまず紳士的。でもって、甘みが控えめなおかげかトマトっぽい風味がよく感じられる。スペイン産の安ワインに期待したいとおりの感じでとても良い。
 
 ※二日目も、あまり雰囲気はかわらなかった。
 

【1586】Sella e Mosca Vermentino di Sardegna 2016

 
セッラ・モスカ・ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 このサルディニアのメーカー、セッラ・エ・モスカはやたら種類の多い白ワインを作っているけれども、今回のこれは「サルディニアのヴェルメンティーノ」という、割とシンプルな命名。今までのやつにはニックネームがついていたけれども、これにはそれがない。一体どういう品なのやら。
 
 まず見た目。緑色がかった白ワインで、かなり透明度が高い。で、香りが特徴的で、すごく青々とした爽やかさと、ゴワッとした石灰岩じみた香りが来た。このあたりは、まさにサルディニア島のヴェルメンティーノ種にありがちな展開。
 
 で、口に入れてみると、気持ちの良い苦みとゴワッとした炭酸カルシウム?あたりを思わせる風味が炸裂。武骨なほど炭酸系の風味が強くて、どこかミントっぽくもある。単純なワインではあるけれども、夏に飲むには実にお似合い、つまみにも合う。
 
 ※翌日も、香り高くて爽やか、ゴワッとした炭酸カルシウム風味は健在だ。

【1585】Marcel Lapierre Morgon 2015

ラピエール モルゴン 現行ヴィンテージ
 
 このワインは、以前にもおいしいと思って買ったモルゴン。ただ、室内に一日置き去りにした時間があったので、痛んでいるかもしれないと思ってあけてしまうことにした。
 
 前回同様、樹脂を蝋のように固めたものを取り除いたんだけど、今回はちょっと手間取りました。
 
 さて、四苦八苦してようやく抜栓、それからちょっとだけ放置してからの様子見。
 
 色は暗くて少しだけ青紫色っぽいワインレッド。ピノ・ノワールっぽくはないけれども、そこらへんのボジョレー・ガメイ系にありそうな明るい感じでも無い。香りは、いきなり腐った切り株のような匂いがどんと来る。亜鉛サプリメントみたいな匂いや古本の匂いもする。
 
 口をつけてみると、酸味が勝っていて、やはり暑さによる悪影響を受けていると思わずにはいられない。なんというか、酸味に痛めた玉葱みたいなニュアンスが混じっていて、悪くなっているっぽいのだ。
 
 それでも、飲み心地の良さと、この軽金属めいた独特のミネラルが魅力的で、相当に美味い。玉葱っぽささえなければ、一体どれほど良かっただろうか。
 
 ※二日目。なんと、前回のような抹茶ソフトクリームのような風味がグッと増して、大変バランスがとれた姿に。大幅に向上、こちらは風味絶佳、たいへん満足なひとときに。

【1584】La Ferla Inzolia 2016

 
ラ・フェルラ インツォリア
 ※リンク先は現行のヴィンテージと思われます
 
 今日の夕食にあわせるのは、シチリア産の白ワイン。このインツォリアという品種は、さっぱりとして酸味の気持ち良いワインだったように記憶している。随分と久しぶりの対峙。
 
 まず見た目。緑色がかった白っぽいワインで、このあたりは、イタリアの安い白ワイン(それもハズレじゃない)という感じがして悪く無い。香りは、ほんのり台所洗剤系だけど、石灰岩系の、ゴワっとした炭酸飲料っぽい雰囲気を伴っている。
 
 味のほうは、まさに爽やか。ラムネの炭酸っぽさと、酸っぱい白ワインらしい、淡い柑橘系の味が合わさって、とにかく爽快。ある程度冷やして出したせいもあってか、とにかくガブガブと飲めてしまう。小難しいところがないのは、この場合短所とは感じられない。そうこうしているうちに、宴席のなかであっという間になくなってしまった。
 
 
 

【1583】Calela Central Coast Chardonnay 2014

 
カレラ シャルドネ
 
 和食中心なちょっとした宴席があって、じゃあ、定番でウケの良さそうなカレラの白でいきましょうと思い、これを選んだ。
 
 見た目は、少し緑色がかった普通のシャルドネ、といった調子。香りは、ほのかに蜂蜜クッキーが匂うけれども、無茶しているほどではなく、爽やかさが前に立つ。
 
 飲み心地は、果実味の豊かなタイプ。先日のブルゴーニュ平格に比べると、ゆったりとした果実味が強く、漫画やアニメで言うなら、線が太い、と感じる。ほどほどに苦く、ほどほどにふっくらとしていて、蜂蜜風味もそれなり伴っていて、相変わらずバランスが良い。南のシャルドネっぽいけれども南に染まりすぎるでなく、北のシャルドネっぽさもいくらかありますよー、という感じで、相変わらずのバランス型っぷりだった。