北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1592】Cruset Blanc de Blancs (N.V.)

 
クルセット ヴァンムスー ブラン ド ブラン
 
 このワインは、ラベルに「Sparkling Wine Cruset Blanc de Blancs」と書かれてはいるけれども、作り手がどうもはっきりしない。楽天その他で調べると、海外ではものすごく安い値段で取引されていること、ヴァン・ムスー(フランスの一番ベーシックなスパークリングワイン規格)ってことだけがわかる。まあ、運動の後にがぶがぶっと飲むには向いているでしょう。
 
 まず見た目。薄い色で、ポコポコと細かな泡が昇ってくる。香りは、漬物系とイースト系、メレンゲ系の全部がほんのりあってなかなか良い。

 飲んでみると、意外にも酸味がしっかりしている。すだちが効いているだけでなく、酸味に締まりがあって手応えがある。少なくとも、第一印象はなかなか。
 
 ただ、飲み進めていくと、やはり緩んでくるきらいはある。隙のあるイタリアのスプマンテのような雰囲気に崩れてきた。乾杯の一杯として飲むには良さそうだけど、ボトルとじっと見つめ合っているとボロが出て来るタイプ。価格を考えると、とやかく言えたものではないし、ざくざくっと飲んでしまうには十分なんだけど。
 

【1591】Santa Duc "Les Plans" Vin de Pays de Vaucluse 2011

サンタ・デュック レ・プラン・ヴァンド・ペイ・ド・ヴォークリューズ
 
 このワインは何度もリピートしているワインで、ここここに2011年産の記録が書かれている。それよりずっと前には2007年産も。だいたいお値段相応な感じのローヌ系ワインの模様。二日目のほうがおいしそうなワインなので、二日目メインにやっていきましょうか。
 
 では、見た目をまずチェック。ちょっとオレンジ色がかった、しかし濃くて不透明なワインレッドだ。深い色をしている。香りは、まず、おばあちゃんが煮る赤くてデカい豆のような、甘い煮豆系の匂いがぶわーっと来た。そこに、プラムの匂いと杉や檜系の入浴剤が混じってくるような。
 
 口をつけてみると、うわっ渋い!それとジャムっぽい。ジャムはジャムでもくたくたになったニュアンスがある――このワイン、かなりぞんざいに取り扱っていたので、変な老け方してしまったのでこうなったのか? それでも、杉の風味や梅の風味でぐいぐい押す腕力はあって、表向き、元気が良いようにはみえる。
 
 ※二日目は、苔系の風味が増えて少し熟成ワインっぽい顔つきになった。昨日の腕力は落ち着いて、と同時に、くたくたになったニュアンスも改善。おおむね、これまで飲んだ時と同じような二日目の印象となった。甘み・煮豆系の風味が引っ込んだことを除いて、二日目のほうが優れた内容だと感じた。
 

【1590】Jermann Vintage Tunina 2013

 
イエルマン ヴィンテージ トゥニーナ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 まず見た目。まずまず黄色っぽい白ワインだけど、レモン色がしっかりしていて薄い色だとは感じない。香りは、最初は甘い蜜の香りがしてシャルドネっぽいかなと思ったら、そこに、百合の花のような強い花の芳香、菖蒲の葉のような強いハーブ系の香りが混じっていて興味をそそる。ハッカもある。
 
 口をつけると、シャルドネとは一線を画した、苦みに密度があるキュっとした飲み心地。蜜もあるっちゃあるんだけど、それよりは、百合系・菖蒲系の強い香りと、やけに密度のある苦み・酸味の飲み物という感じ。そうこうするうちに、ユズのような匂い、オリエンタルな胡椒系の風味を伴いもはじめた。大変だー。
 
 イタリア土着ワイン路線として、洗練をきわめている。イタリア土着ワイン系にあまり興味が無いけれどもワインに財布を躊躇しない人は、とりあえずこれ飲んでできあがりってことでもいいんじゃないかというような。
 
 ※ところが二日目、先日の集中力とバリエーション豊かな雰囲気が弱くなってしまった。ワインが衰弱した感がある。抜栓したら急いで飲んでしまったほうが良いのかもしれない。
 

【1589】Champy Père et Cie Nuits Saint Georges 1er Cru Les Argillieres 1999

 
vinica.me
 
 まず見た目。ピノ・ノワールとしてはなかなか濃くて、赤紫色……というより、赤緑色とまではいかないけれども、なかなか暗い色をしている。香りをチェックすると、いきなりモワっと森の腐った切り株系のオーガニックな香りがこみあげてきて、とても雰囲気が良い。桐の箱みたいな臭いも若干伴っている。うんうん、きっとこういうのだと思ってましたよ。もちろん、果実味の片鱗みたいなものはある。
 
 口に入れてみると、桐の箱と酸味のしっかりした、熟成はしているけれども若さも感じられるような飲み心地。ニュイ・サンジョルジュのワインにしては、ゴツい飲み心地とはあまり感じない。むしろ、さっぱりしたところもある。香りに年代を感じさせるものがあり、なおかつ均整。ブラインドで飲んだらニュイ・サンジョルジュっていうより、なんか他のエリアのワインを連想していそうだなぁとか思った。
 

【1588】Maison Leroy Meursault 1999

 
メゾン ルロワ ムルソー
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 ちょっと疲れた日に、このワインを。
 
 まず見た目。もう、山吹色とオレンジ色の中間ぐらいの、熟成をきわめたムルソーという感じ。まさに、ザ・ムルソー
 
 ところが香りはそうでもない。蜂蜜クッキーがあまり匂ってこずに、最初はアンズのような香りが漂う程度で、そんなに感銘を受けるほどでもない。
 
 口をつけてみると、ふっくらとした、充実度の高いワインながら、果実で押すでもバターで押すでもなく、やけに禁欲的、というか節制がきいている。ただ、節制のきいたなかで、蜂蜜クッキーや爽やかな風味やアンズなどが感じられて、変化自体はある。
 
 自社生産でなく買い取り生産モノだからか、それともムルソーとはいえ村名だからか、それともルロワというメーカーが節制と品性第一のせいか、もうちょっと迫りくるものがあったらいいなあと思った。上品にまとまっていて、円満ではあるんだけど、ちょっと小粒ではあった。

【1587】Dominio de Punctum El Paular Tempranillo 2015

 
エル・パウラル テンプラニーリョ ビオディナミ
 
 今日は安い赤ワインを開けたい感じだったので、このスペイン産を。ボトルにはビオディナミですオーガニックですと書いてあるけれども、なんのことやら。
 
 まず見た目。黒ずんだワインレッドで、この夏、ピノだのボジョレー系だのばかり呑んできた身にはおそろしく濃くみえる。ボルドー系、ローヌ系を呑んでいたらそんなに思わないのかもだけど、本当に真っ黒。それと少しだけ青紫色がかっている。
 
 香りは、真っ直ぐに葡萄の皮っぽい香りとお線香のような、もう少し香料寄りの香りが漂う。野暮い意味の野良臭さは感じられず、清潔な匂いと感じる。
 
 口に含んでみると、最初は柔らかな口当たり。甘みは控えめで、タンニンがふっさふさとしている。果実味は豊かだけど、そこを強調するではなく、まずまず紳士的。でもって、甘みが控えめなおかげかトマトっぽい風味がよく感じられる。スペイン産の安ワインに期待したいとおりの感じでとても良い。
 
 ※二日目も、あまり雰囲気はかわらなかった。