北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1606】Rocca di Mori "Felena" Salento Bianco 2015

 
[2015] サレント・ビアンコ ”エレナ” (ロッカ・ディ・モリ)
 
 風邪っぽかったので、少しワインを控えていました。久しぶりのワイン。イタリア南部の白ワインは、あんまり値段が張らないけれども剛毅なおいしさがあって割と好き。ただ、いつもお世話になっているのはカンパーニャ州の品で、この、プーリア州のものは滅多に飲んだことがない。この品は、プーリア州の古都・レッチェにあるメーカーだとのこと。さてどんな品なのか。
 
 グラスに注ぐ前に、コルクに驚いた。とにかく長くて立派なやつで、まるで、フラグシップワインじゃないかというような。ちょっと期待したくなる。
 
 まず見た目。とにかく濃くて、黄緑色のような色をしている。粘性率も高く、まったく想定していなかった方向のワインにみえる。香りをチェックすると、白桃のような甘い匂いと、イタリア南部のワインにありそうな爽快感を予感させる匂い、それと、このワインにはオイリーな雰囲気が漂っている。なんだこれは。
 
 口に運んでみると、やはり、スカッと豪快な酸味が口のなかにあふれてくる。ところがそれだけでなく、このワインには黄桃のようなコクを含んだ果実味が伴っていて、ただ酸っぱくて豪快って路線でなく、やけに肉厚だ。こってりとした白ワインで、そのこってり感は高級シャルドネムルソーみたいな)とは違っていて、ちょっと植物オーガニック安物ワインっぽくはある。あまり得手な雰囲気ではないのだけど、そこを豪快な酸味が救ってくれていて助かる。
 
 ※二日目は、肉厚さが削げ落ちて、ちょっとチープな南イタリア白ワインという雰囲気になった。少し、トマトのような雰囲気も宿っている。あまり好きではない方向性の変化ではある。いや、値段を考えれば期待し過ぎか、

【1605】Herve Charlopin Fixin 2015

フィサン 2015 ドメーヌ エルヴェ シャルロパン

 
 今日は久しぶりに3本の赤ワインをブラインドにして、うち一本をあててみる遊びをやってみた。候補として選んだのは、
 
 ・この、エルヴェ・シャルロパン フィサン 2015(ブルゴーニュピノ・ノワール種)
 ・シャトー・ド・ジャック 2012 (クリュ・ボジョレー、ガメイ種)
 ・アルジオラス ペルデラ 2014(サルディニア、モニカ種)
 
 さて、当てられるでしょうか。
 
 グラスに注がれた姿を眺めると、やや青みがかった透明度の高い、黒さのある赤ワイン。キラキラ輝いているようにもみえる。モニカにしては透明度が高いようにみえる。この時点では、モニカ以外だと思っていた。
 
 香りを確かめると、梅系の香りがキューンと来て、それに続いて、いちごミルクのような匂いがこんもりと漂っていて包容力があると感じる。梅系の香りは、ピノ・ノワールを連想させるけど、いちごミルクはモニカを思わせる。この時点では、ガメイにありそうなチープな駄菓子のような甘い匂いは感じられなかった。
 
 口に含むと、酸味は確かにあるんだけど、やけに包容力があっていちごミルクっぽさがとても強い。タンニンはそれなりあるけれども、タンニンなら、どのワインもそれなりにある。今回のピノ・ノワールは2015年産、しかもフィサンが産地なので、タンニンが豊かだからといって否定できず。でもって、タンニンが柔らかい。クリュ・ボジョレーのガメイも、モニカも、タンニンが柔らかいのはあり得る話ではある。さあ困った。香りはピノっぽいけれども、この包容力、温かみはモニカを思わせるところがある。ここで、チープなお菓子っぽい風味がよぎったような気がして、つい、中間を取ってクリュ・ボジョレーにvoteしてしまった。
 
 でもって、ボトルをみせてもらってがっかり。ええ?これピノ・ノワールなの? ボトルを眺めてから飲んでみても、ふっさりとしたタンニンと包容力のあるミルキーな展開で、クリュ・ボジョレーでもあり得るんじゃないの? と思いたくなってしまう。まあ、これはこれでとりあえずおいしいし、フィサンですよと言われるとフィサンという気がしなくもない。威張り散らすようなところがないのも、かえってフィサンらしいといえばらしいかもしれない。どれだけ飲んでも、包容力がなくならず、ピノ・ノワールなのにクリーミーですらある。若干逸脱している気がするけれども、おいしく飲めたとは思う。
 
 なんにしても間違えました。もっと練習ですね。
 (過去の対戦ログを調べ直したら、モニカにしてはこのワインは青色がかり過ぎていて、土臭さが足りないのだった。クリュ・ボジョレーにしても、お線香っぽい香りが足りないとわかった。事前にログを確かめていたら当てられたかも。これもまた悔しい。)
 
 ※二日目は、森の下草系のオーガニック風味を伴い、少し酸っぱくなった。こちらのほうがピノ・ノワール然としている。
 

【1604】Canella Bellini (N.V.)

カネッラ ベリーニ
 
 このワイン、というよりカクテルは、ワインカクテルの大手、カネッラが作っているもの。カネッラのワインカクテルは、生のフルーツ感を活かしているのがウリなので、そういう雰囲気であって欲しいと思いつつの抜栓。
 
 まず、ワインボトルのなかに不純物というか、白っぽい桃の破片がたくさんみられる。ネクターのような不当目な桃色、むしろネクターよりも色が濃い。
 
 匂いは、ワインの香りを押さえつけるほどの桃。生臭いと言って良いほどの桃の香り。口に入れても、桃が強烈で、嫁さんは氷を入れて飲み始めた。まあ、わかるような気がする。しかし、ねっとりとした口当たりと、ガチで桃がたっぷりなところは誉めどころでしょう。桃をふんだんに使った、まさにベリーニの王道、ワインとしてはともかく、ワインカクテルとして考えたら、やっぱりこのメーカーがずば抜けていると感じた。
 

【1603】Vina Errazuriz "Estate Series" Pinot Noir 2015

 
ヴィーニャ・エラスリス エステート・ピノ・ノワール
 
 疲れてコルクを抜くのもだるい、けれども今日はワインがちょっと欲しいんだって日に、スクリューキャップのこいつが目に留まった。しかし、このワインはピノ・ノワールだったので飲むのを断念し、日を改めて二日がかりで飲むことにした。
 
 で、再び疲れた日がやってきたのでトライ。スクリューキャップ、とても便利ですね。まず見た目。先日のシャンボール・ミュジニー一級と、そんなに違いが無いような気がする。ただ、ワインの粘性が高いのか、グラスのへりにべったりとワインが流れる(あしがながい、っていうんでしたっけ?)。香りは、「出来たての木の家具に、ピノ・ノワールをぶっかけたらこんな感じ」というような。オーク樽ではなく、それ以外の木樽かなとは思うけれども、木の匂いがとても強い。で、チョコとチューインガムのイチゴ味みたいなやつ。
 
 口に入れてみると、酸味はそれなりあるけれども、穏やかな飲み心地。酸味、甘味、苦みのバランスがとれている。チリ産のピノ・ノワールは、苦み~コーヒー系ビター風味が強いことが多いけれども、こいつも御多分に漏れず、苦みとビターが明確だ。だから悪い、というのでなく、チリ産ピノ・ノワールの個性だと思えば悪い気もしない。おいしいワインじゃあないでしょうか。
 
 ※翌日は、木の匂いが少し落ち着いて、安ワインながら飲みやすくなった。2日目のほうが果実味の濃さを感じる。これはこれで飲めるワインではある。
 

【1602】Willy Gisselbrecht Riesling Vin d'Alsace 2015

 
アルザス・リースリング ドメーヌ・ヴィリー・ギッセルブレヒト
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインも、アルザスの格安といって良いメーカーのリースリング。価格からいって、多少の欠点はあっても、とりあえずリースリングしていて、アルザス産っぽければ合格かなと思えるもの。果たしてどうでしょうか。
 
 まず香り。くぐもったような感じではあるけど、蜜のような感じが第一に、その後ろから、辛口リースリングにありそうな、緑色の台所洗剤系の香りがこみあげてくる。ぎりぎり合格といったところ。見た目は、リースリングらしい、黄色っぽさ~黄金色っぽい感じでこれはなかなか綺麗。
 
 口に含んでみると、すがすがしいグリーンな風味が口に広がる。ちょっと石灰岩っぽいゴワっとした感じを帯びていて、苦みの多寡まで考えると、イタリア、特にサルディニア島のヴェルメンティーノ種(の安いやつ)と勘違いしそうなところもある。心配した臭みなどは感じられず、けして典雅なリースリングではないけれども、さっぱりとしていて、蜜の風味とグリーン系の風味が割と調和がとれていている。ところが、飲み進めると酢酸の風味が強くなってきて、急にバランスが崩れてきた。半分二日目に残すけれども、これは駄目かもしれない。
 
 ※二日目。飲み始めは、やはり、すっきりとしていてグリーン系、まさにアルザスの安い白ワインの長所が存分に出ている感じ。ただ、飲み進めるとやはり酢酸が勝ってきて興を削がれてしまう。グラス一杯ならそれなりの評価でも、時間が経つとめっきがはがれてくる感じ。価格帯を考えれば、そこまで求めてはいけないのかもしれないけれど。
 

【1601】Villa Annaberta "Canaja" Rosso Verona 2012

 
カナヤ ロッソ 2012 ヴィッラ アンナベルタ IGP.ヴェローナ
  
 このワインは、イタリア北東部・ヴェネト州ヴェローナ近郊で作られていると思われるワイン。ヴェネト州は赤ワインの当たり外れが激しい地区で、立派なアマローネやヴァルポリチェッラ・クラシコがある反面、なんだかぐしゃぐしゃした赤ワインもあって、かなり難しい印象。
 
 こいつはなんでもアマローネと同じ製法でつくられていて、ヴィンテージも2012と少し時間が経っていてお試しには良さそうなので、やってみることにした。
 
 まず香り。煮豆系ですね。小豆とかを煮詰めたような甘くて田舎っぽい匂いがする。マッシュルームのような匂いとお線香、アセロラと来て、木の匂いもする。見た目はアマローネ同様、とても黒っぽくて不透明、少し赤茶色っぽい。
 
 口に入れてみると、穏やかな口当たりで、なかなかに奥深いというか、果実味に奥行きがある。甘さが強いわけでも、タンニンがごついわけでもなく、フレッシュなわけでもない、ただ、喉の奥までじっとりと残るような飲み応え、手応えがあって、この価格帯のワインとしてはかなり珍しい喜びがある。正規のアマローネ達と比較すると甘味が乏しく、苦みも足りないかもしれないけれども、商品としては面白いワインだと感じる。ローヌ産の濃い赤ワインとも少し路線が違うし、カベルネソーヴィニオンでつくられたワインほど穏やかでも杉/檜っぽくもなく、高級/低級メルローともまた違う。
 
 ※二日目は、少し野趣を帯びたジュクジュクのジャムに、ワインらしくてそんなにわざとらしくもない酸味がくっついていてなかなか良い。少しワンパターンだけど、森&オーガニックな風味が確かに効いていてワイン然とした美味さがある。純正アマローネとは少し違うが、見込みのあるワインではある。たぶん、また買いそう。