北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1612】Dealv Mare Clos Buzao Merlot Reserve (ヴィンテージ不明)

 
クロ・ビュザオ メルロー
 
 ※リンク先のヴィンテージは、違っているかもしれません
 
 このワインは、以前に素朴でヨーグルトっぽいピノ・ノワールを味わったことのあるルーマニアのメーカーが作ったもの。今回の品種はメルロー、果たしてどんなワインやら。
 
 まず見た目。不透明ではないけれども、深くて黒っぽい色をしていて、最近よく飲んでいたピノ・ノワール系とはやっぱり濃さが違う。きわめて普通の赤ワインカラー。香りは、なんとヨーグルトが宿っている! どうも、ルーマニアのこのメーカーのワインには、酵母か何かの関係でヨーグルト風味が宿っているようだ。その奥から、カベルネソーヴィニオンから杉や檜系の香りを抜いたような香りが漂ってくる。あと、土の匂いもする。野良臭いが、悪く無い。
 
 口に含んでみると、すごくぎとぎととしたタンニン、それからヴァイオレット(ただしキアンティクラシコのあの感じとはまたちょっと違うような気がする)。ヨーグルト風味はそれほど目立たず、それより、とにかくきついタンニンと、ヴァイオレット一色と言いたくなるような赤ワインの風味、あとは果実味が非常に強くてフルーティーだということに気づく。1000円台の安ボルドーに比べると、穏やかさや節制のきいたところが無くて、かわりに果実味で押すような。ただ、木や樽の香りで押しがちな、新世界の安ワインとも趣が違う。既知のワインだと、フランスの南部あたりでつくられて安く売られていそうな雰囲気だ。
 
 ※二日目は、風味がかなり落ちてしまった。ヴァイオレットとヨーグルトが足りなくなっちゃったのだ。
 

【1611】Champy Père et Cie Nuits Saint Georges 1er Cru Les Argillieres 1999

 
vinica.me
 
 このワインは、以前にも飲んでみたことのあるもの。そのときは、ニュイのワインにしては軽くて印象がはっきりしなかったので、リベンジしてみることにした。さてどうでしょう。
 
 見た目はたぶん前回とかわらない。黒っぽくてニュイらしく、濃い色をしてはいるが透明感がはある。香りは、前回よりもずっと濃い。香木!それと土の臭いがするけれども、なかなかお高くとまっている。コント・ラフォンのモンテリに比べて偉そう。深い香りだ!

 口に入れると、すごくタンニンしっかり。握りこぶしがまず効いていると感じる。甘味や果実味、苦味もどっかんと来て、活きが良い。いかにもニュイ・サンジョルジュな雰囲気がすごくて、強い果実味、強い腕力、それでいて下品ではない。果実味がどこまでも強くなる。これはかなりのものだった。
 

【1610】Pierre Frick Riesling - Bihl 2014

 
ピエール・フリック / リースリング・ビール [2015]
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 これは、まだ経験したことのなりリースリング。まず、見た目は黄色なリースリングっぽい色をしている。香りは、、初手ではリースリングっぽいグリーンな香りよりも、胡椒、漢方が第一印象として強かった。
 
 口に入れると、リースリングな「グリーンな」爽やかさ、苦味と酸味がしっかり来る。かと思えば、後から甘味がゆったりと来る。果実味がくる速度がゆったりしていて余裕があり、大急ぎで口の中を果実味で見たすような性急さが無い。結果として、味の輪郭が優雅と感じる。また、飲めば飲むほど味が強くなり、さすが、ちょっと良いアルザスリースリングだけのことはある。
 

【1609】Piero Mancini Vermentino di Sardegna 2016

 
ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ 2016 ピエロ マンチーニ
 
 くたくたの日になると、質の良いイタリア安白ワインが欲しくなる。で、いつもニコニコのサルディニア産のヴェルメンティーノ種のものを選んだ。
 
 色は、白ワインとしていかにも普通の色合い。緑色にも、山吹色にも傾かないような色合い。香りは、初手はあまり良くない……コルクっぽい匂いがする。その奥から、蜜の匂いがして、この品種に期待するような爽やかな緑色の香りがあまりしない。
 
 口をつけると、緑色の味というか、ハーブが効いて、台所洗剤やライムを思わせる柑橘系の爽やかな酸味と甘み、そして苦みがワーッと来た。これこれ、これが気持ち良いんだよね、ヴェルメンティーノは。ずいずいと呑めてしまう。でもって、スカッとした炭酸系のミネラルがこみあげてきて、これまた期待通り。値段に見合ったヴェルメンティーノかと問われるとはてさてだけど、まずはあって欲しいものをみせてくれた。
 
 ※翌日、少し酸っぱさと炭酸系が勝ってしまってワインがやせたように感じた。初日にざくざくっと飲んでしまうものだったかもしれない。
 

【1608】Santa Carolina "Santa by Santa Carolina" Sauvignon Blanc/Chardonnay Chile 2016

 
サンタ・バイ サンタ・カロリーナ・ソーヴィニヨン・ブラン/シャルドネ
 
 このワインは、料理用に買われてきた激安白ワイン。でも、せっかくなので味見をしてみましょう。
 
 まず見た目。普通の白ワインか、ほんの少し緑色がかっているかぐらい。香りは、ソーヴィニオン・ブランが頑張っているのか、トロピカル&フルーツポンチ系の香りにハーブっぽい薬草が乗っかって、なかなかに良い。少しメロンの皮臭くあるかもしれないけれども、むしろ品種の良いところが出ている感じで嫌悪感はわかない。
 
 口に入れてみると、概ねソーヴィニオン・ブランなんだけど、シャルドネが混じっているせいか、空洞感があまり無くて、果実味の芯があるように感じられる。安物のソーヴィニオン・ブランは、しばしば、ふくよかではあっても芯が足りない感じがあるんだけど、こいつは意外と芯がシャルドネによってカバーされているっぽい。最安価格帯にもかかわらず、減点ポイントが少なく、品種の良いところがカヴァーされあっていて巧い。何杯も飲んだらきっと飽きるだろうけど、グラス一杯ぶんはセーフ。居酒屋の安グラスワインとして出てきたら、「おっ旨い」と思うんじゃないかと思った。
 
 

【1607】Argiolas Perdera 2013

 
ペルデーラ 2014 アルジオラス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日は疲れてしまって、何か、元気の出るワインが欲しくなった。こういう時は、安ワインはもとより、知らないメーカーのものはなるべく選びたくない。ということで、これまでも元気をわけてくれた、サルディニア産の土着品種ワイン、信頼のアルジオラスのワインを選ぶことにした。
 
 まず見た目。少し茶色がかって、黒ずんだ色合い。不透明……とまではいかなくても、グラスの底を見通すのは難しい。香りは、やや籠っているところはあるものの、チョコレートの風味がメイン。果実の香りも相まって、とても包容力のある匂いと感じる。
 
 口に含むと、まずミルキーな口当たり、そこから漏れるように果実味が溢れてくる。「ぐしゃ」っと口のなかに瑞々しい果実味が広がるようなところがあって、にも関わらず、酸味のきつい方面に流れ過ぎない。ボルドーの安ワインと比較すると、落ち着きは同じぐらいあるけれども、こちらのほうが人を楽しませようとするところがある(ボルドーの安ワインは、良くも悪くも、落ち着きはあっても、ここまで愛想は良くないことが多い)。タンニンも柔らかく、人を威嚇している感じではない。でもって、口のなかに香木めいた風味も少し感じられて、表情もなかなかにある。
 
 抜栓1時間後。爆発的な香料の匂い。ちょっとオリエンタルでもある。そして味にも香料が宿り、そして果実味が猛烈なパワーを帯び始めた。この価格でこの展開は嬉しい。同価格帯のフランスワインに、これほど力強く、これほど親しみやすく、これほど変化をみせるワインがどれぐらいあるだろう?価格を考えればやはり面白いワインだった。
 
 ※二日目。少し、やせてしまったような気がするが、もともと風味のしっかりしたワインなので困るほどではない。そのかわり、ワインに土や苔の匂いが強まった。あいかわらず滋養強壮によさそうな感じだ。