北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1634】Antinori Chianti Classico "Peppoli" 2015

 
アンティノリ ペポリ
 
 このワインは、トスカーナ州大手のアンティノリ社が作っているキアンティクラシコ。こいつを飲むのは今回が初めて。
 
 グラスに注ぐと、赤紫色のワインレッドで透明度はまずまず。ほんの少し、青みがかっているかもしれない。若飲みだからしかたないか。
 
 香りは、ほっこりとした煮豆系の匂いがこんもりと。葡萄らしい果実の香りもその後ろからやってきて、キアンティ系にありがちなスミレ系の匂いも。
 
 口に入れてみると、ちょっと硬い飲み心地かも。甘味は控え目で、煮豆風味が口のなかに入ってくる。血っぽい風味もあってなかなか骨太なワインだ。国際品種でも混ぜているのか、ちょっと埃っぽい香りがよぎることも。にも関わらず、どこか陽気な飲み心地で気持ち良く飲めてしまう。煮詰めたジャムのようなところもあって、とにかくパワーのあるキアンティ・クラシコ。これはこれで。
 
 ※二日目は口当たりがまろやかになり、森の切り株系のオーガニックな風味が全面に出てくるようになった。甘味は控え目でも果実味に充実感があり、飲み応えもある。それでいて愛想も良い。アンティノリのワインをちょっと見直した。
 
 ※三日目。若干酸味が勝っているが、ミルキーな飲み心地になったかも。オーガニックな風味も骨太な飲み応えも健在。最後までしっかり楽しめた。
 

【1633】Santero Pinot Chardonnay Spumante (N.V.)

 
サンテロ ピノ シャルドネ スプマンテ
 
 このワインは、イタリア安スパークリングワイン(スプマンテ)の代表的なもののひとつ。安くて流通も良いので飲んだことのある人も多いのでは。このワインログでは直近ではここで飲んでいる。
 
 まず見た目。安スパークリングワインとして標準的な白さ。少し麦わら色かもって程度。細かい泡がぷつぷつと立ち上っていて、これも標準的。香りは、ほんのりとシトラスなものが漂ってきた。
 
 口に入れると、軽い苦みにグレープフルーツジュースのような苦みを帯びたシトラスが来た。重さ、複雑さは無く、ライトでドライな飲み心地ながら、スパークリングワインとしては無難。変化もなにもあったものではなく、後半、シャルドネでつくられたスパークリングワインとは思えない気怠さがあり、「まさにスプマンテ」という感じがする。でも、スプマンテだから許せてしまう。標準的なスパークリングワインとしては今一歩足りないかも。
 

【1632】Clarendelle Bordeaux 2013

 
クラレンドル ボルドー
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 ボルドーの安ワインには独特の郷愁があって、あれはあれで良いものだけど、このクラレンドルってワインにはあまりそれが感じられなかったような記憶がある。過去の記録を確かめると、それほど悪い印象でもなかった様子だけに、どうして良くない記憶があるのかよくわからない。まあ飲んでみましょう。
 
 グラスに注いでみると、見た目はまずまず黒っぽくて不透明、なんの変哲もない赤ワイン。匂いを確かめると、煮豆のような匂いに木炭のような雰囲気を帯びていて、なんとなくミネラリーな豆を連想したくなる。その後ろから、ようやくジャム-果実系の匂いがやってくる。
 
 口に入れてみると、おお、甘さ控えめ、酸味はあるていどしっかりしていて、なんというか安ボルドーらしさがある。つまり果実味よりも落ち着いた雰囲気と穏やかな舌触りが前景に出ていて、ほんのりとした苦みと煙突や木炭のフレーバーを伴っていて静かな感じがする。うんうん、安いボルドーはこういう感じ、こういうのがいいんだよ、と言いたくなるような感じになった。
 
 ※翌日は、もっとミルキーな口当たりで、酸味がそれほど増強せずに飲みやすい雰囲気に終始した。これもこれで良かった。安ボルドーとしては良くできている(ただ、このワインは安ボルドーというには若干お値段がするのだけれども。。。)
 

【1631】Tezza Valpolicella Ripasso 2014

 
ヴァルポリチェッラ ヴァルパンテーナ スペリオーレ リパッソ 2014 テッツァ
  
 今日は夕食が終わった後に何か一杯、けれども高級なやつを飲んでみるほど勇気も元気も無い、という気分。じゃあ何をぼんやり飲もうかと思って箱を開けたら、ヴェネト州の高級ワイン・アマローネの出涸らしワイン、リパッソが出てきた。リパッソは二日目においしいことが多いので、初日、ちょびっと味見する気持ちでいってみることに。
 
 まず見た目。なんだかやけに紫色だなー。暗いワインレッドで不透明なんだけど、妙に蛍光塗料めいたテカりがあって不思議な感じがする。香りは、もうもうとしたアルコールの匂い、それから黒系果実のジャムを思わせるごつい果実の匂いとできたての木工家具のような匂いがする。この価格帯のワインとしては嬉しいことに、初手から苔むした匂いを伴っていて雰囲気がいい。
 
 口に入れてみると、やはり木工家具の匂いが強い。ってことは樽系の仕込みがキツいんだろうか。そこから口のなかいっぱいにジャムの風味が広がって、アマローネの出涸らしだけあってか、苦みもしっかりと伴っている。木、ジャム、苦みの調和がいまひとつで、荒削りではあるけれども、「ぷちアマローネ」としてはなかなか。
 
 そうこうするうちに、ビーフジャーキーのような匂いが混じってきて、意外なほど踏ん張ってきた。これも、「ぷちアマローネ」としては頑張っている感じ。たっぷり明日のぶんを残して楽しみに就寝することにした。
 
 ※翌日は、ジャムの甘みがより強く出るようになって、ジューシーになった。ビーフジャーキーは少し弱くなったかも。これもこれで楽しめた。
 

【1630】Proyecto Cu4tro Bubbles Cava Brut (N.V.)

 
プロジェクト クワトロ カヴァ [NV]
 
 このワインは、買いたいわけではなかったけれどもエノテカのセットの都合で我が家にやってきたスペイン産のスパークリングワイン。ボトルが銀ピカで、見かけ倒しな心配をしてしまうけれども、シロクマスパークリングは割と良かったので、こいつも中味はちゃんとしていることを祈るばかり。
 
 まず見た目。ちょっと薄めかもしれないけれども、まずまず煌びやか。ちょっと大きめの泡がもうもうと立ち上る。泡の上昇速度はまずまずゆっくりで、見栄えは良い。香りは、メレンゲ風&柑橘風がちょびっとするぐらい。この価格帯ならいいんじゃないでしょうか。
 
 口に入れると、レモンスカッシュもかくやというフレッシュな酸味が炸裂!すごく、スカッシュな感じがする。安カヴァにありがちなキンキン金属感もあまりなくて、とにかく、レモンスカッシュな感覚が楽しめる。やるじゃないか! もともと期待していなかっただけに、とても嬉しいひとときとなった。

【1629】Argiolas Iselis Rosso 2013

 
アルジオラス イセリス ロッソ 2013
 
 
 このワインは、いつもお買い得なアルジオラスの赤ワインの上位種。品種は土着のモニカだけど、ちょっと値が張って3500円ほど。さて、どんなワインなんでしょう。二日目重視で初日はあまり飲まない方針で。
 
 グラスに注ぐと、不透明で、ちょっとべとべととした液体。赤茶色で黒っぽい感じがする。香りは……もうもうとしたチョコレートバニラ。これは、モニカに樽を相当に使っているんじゃあないでしょうか。ハチミツクッキーのような香りもする。
 
 口に運ぶと、モニカらしい、ちょっとした苦みと、酸味を帯びているけれども人懐こい甘味が来た。コクがあって、バニラの香りとはまあまあ良い愛称をみせている。それでも、時間が経つにつれて、バニラの覆いの内側から、もっと酸味があって生き生きとした果実味と香料めいたオリエンタルな風味が立ち上がってきた。ということは、このイセリスというワインより割安のベルデーラのほうがモニカの本態をよく表しているように思える。もちろん、これはこれで悪いものではないのだけれども。
 
 飲み進めると、ジャムのような濃い風味や香料が優勢になってきて、そこにバニラとチョコレートの風味が混じるから、えらく豪勢。ベルデーラのほうが好みだけど、なるほどこいつはこいつで面白くつくられているんだなというのはわかった。
 
 ※二日目は、昨日よりも果実味のフレッシュネスが強く感じられるようになった。オリエンタルな香り、シダ植物のような香りも伴っている。バニラとチョコが引っ込んだけど、こちらのほうが好み。でもまだ1/3以上残っているので明日も楽しみだ。
 
 ※三日目。唐突にワインが死んでしまった!酸味が強まって香りが平板に。このワインは二日できっちり飲み切ってやらなければならないやつだったらしい。