北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1665】Terrasses de Guilhem Pinot Noir Pays d'Oc 2016

 
ムーラン・ド・ガサック / テラス・ド・ギレム・ピノ・ノワール [2015]
 
 今日の夕食は骨付きチキンやシチューを中心としたもの。じゃあ、ハウスワインっぽい赤ワインでやりましょうってことで、南仏産のピノ・ノワールをあけてみた。
  
 まず見た目。まずまず明るく、ピノらしい色合いをしている。香りは梅系のやつがガンガン来て、ブルゴーニュの安いピノにありがちな皮っぽさはあまり感じられない。
 
 で、口に運ぶと梅系の風味に加えて甘酸っぱい果実がキューン!と来る。やけに果物然としていてフレッシュ、タンニンがそこそこあるけれども、それを気にさせないほど果実味で押してくるタイプだ。酸がしっかりしていて口当たりもまずまず。ブルゴーニュピノとは方向性がちょっと違うけれど、美味しいワインであり、すごくはないけど素直なワインだ。
 
 ※二日目もあまり性質が変わらない。ちょっとだけ、チリワイン系列にあるようなくどさが出てきたかもだけど許容範囲、ハウスワインらしいおいしさは健在。
 

【1664】Chateau de Mont Perat 2014

 
シャトー モンペラ 2013
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日の夕食は牛肉グリル。じゃあ、牛肉に濃い赤ワインをあわせてみようと思い、こいつを選んできた。コスパの良いボルドーとして有名らしいけれど、対戦は初めて。
 
 まず見た目。不透明でごっつく黒い、ボルドーのワインでも濃い部類じゃないかと思うような色。香りは、黒系果実(カシスとか)を大量に使ったところに、胡椒、杉の木、墨汁といったカベルネ系の赤ワインにありそうな風味がふんだんに来る。香りがとても強い。
 
 口に含むと、やはり黒系果実を思わせるごってりとした果実味、そこに墨汁や煙突系の風味が鼻を抜けてくる。すごく煙突っぽい赤ワインだ。果実味のしっかりしたボルドーワイン、ということでだいたい合っているんじゃないかと思う。
 
 ※二日目も、あんまりびくともしていない。酸味はちょっと増したかもだけど、全体的に風味が強いので、それほど大きな変化とは感じなかった。
 

【1663】Kistler Dutton Ranch Sonoma Coast 2010

 
キスラー ダットン・ランチ 2010
 
 先日、ある記念日があったので、それにかこつけてあけたワイン。
 
 まず香りは、甘いグレープっぽさを伴った蜂蜜クッキーがわっと来る。すごい。予想通りだけど予想をまったく違わない。蜂蜜よりも果実・フルーツ缶詰系の甘い匂いが強く、想定していたよりも分厚いと感じる。
 
 口に運ぶと、おおっバターですね!バターの効いた、これまた期待をたがわない分厚いシャルドネの味がする。そこに塩分やミネラルの風味が伴っていて、初手から立体的な飲み応えを伴っている。すごく押しの強いワインなんだけど、大柄なところで均整が取れている。ブルゴーニュのバター系ワインであるムルソーに比べると、「大男」という印象がある。とにかくコテコテのシャルドネだけど、これは最初からそういう路線のワインなんだろう。
 
 ところが飲み進めると、やけに石っぽさが前に出てくる。石灰岩や大理石というよりは、石材店に迷い込んだような雰囲気があり、ワインに厳めしさを伴うようになってきた。口のなかで余韻がずっと、ずーーーっと残るという点では、ブルゴーニュの一級畑の大抵のワインよりも息が長い。ファンタジーRPG風に喩えると、このワインから連想されるのは「ストーンゴーレム」だ。
 
 もし、このワインに足りないものがあるとすれば「酸味」かもしれないけれども、酸が皆無というわけではないし、酸が雑に感じられるわけでもない。このワインは酸味を重視しない趣向なのだろうから、そこで減点するのはナシだと思う。リッチで大柄で厳めしい雰囲気があってナンボ、そこにスパイスすら伴ってきて大したもの。嫁さんは「クリームっぽい」と言ったけれども、クリーミーでもある。
 
 ※翌日は、少し酸味が勝ってきて、しかもそれが結構きれい。カーッとスパイスが盛り上がってくる場面や、石材店をバッチリみせてくれることもある。ううむ、得手なシャルドネとは言い難いけれども実力は評価せざるを得ない。やるじゃないか、キスラー。もう一度、もう少し軽いラインのものなら買っても良いかも。
 

【1662】Fonterutoli (Mazzei) Chianti Classico 2015

 
キャンティ クラシコ 2015 フォンテルートリ(マッツェイ) 750ml

 このワインは、手堅いキアンティ・クラシコを作っているフォンテルトリ(マッツエイ)のもの。直近ではこのときに対峙している。総じて、このワインには良いイメージがあるけれども今回はどうでしょう。
 
 まず見た目。黒々としていて透明度は低め。見ようによっては、こういう見た目のメルローカベルネがいてもおかしくはないように思う。ただ、香りはイタリア・キアンティ節全開。ヴァイオレット・スミレ系の匂いがツーンと来て、そこにプラムがたっぷり。それと煮豆だ。甘めに煮たおばあちゃんの豆料理みたいな匂いがぷんぷんする。
 
 口に含んでみると、口当たりは本当に穏やか。つっかかってくるようなワインではない。おおらかな口当たりと少しざらざらした感触、そういった上部構造を果実味と酸味が下支えしていると感じる。酸は攻撃的ではなく、後味の段階で意地悪してくるようなものではない。しばらくすると、ザラメ糖を温めたような匂いや、僅かに腐った切り株系の匂いがよぎるようにもなる。ただ、あまり打ち解けた感じではなく、二日目に期待という感じ。
 
 ※二日目。牛肉ジュージュー(味付けは殆ど塩とオリーブオイルに頼ったもの)と一緒にやる。葡萄の味が深みを増して、どこか鉄っぽい印象が増した。牛肉との相性はやはり抜群。牛肉の風味に、例のヴァイオレット・スミレ系の匂いもよく合っている。凄いマリアージュだ。単体では凄いボルドーブルゴーニュに敵わないとしても、牛肉とやるならこれで十分、すごい良かった。
 
 

【1661】Asconi Merlot "Limited Asconi" 2011

 
アスコーニ メルロー
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 まず見た目。赤茶けたワインレッドで黒っぽさがしっかり。メルロー、まして7年目のメルローなんて久しぶりなので、こんなに濃かったのかと思ったりする。ただ、不透明というほど不透明ではない。
 
 匂いは、メルローらしい果実&ピーマンが来た。それと、ちょっと杉の木みたいな匂いもする。これは樽のせいかな。ちょっとばかり、新しいワイン産地のカベルネみたいに思えるところもある。
 
 口に入れると、ふっくらとした果実味にじっくりとした甘味。さすがにピノ・ノワールなんかに比べると味が濃い。でもって、ピーマン。ピーマンがしっかり漂っているけれども、嫌になるほどうるさくない。なかなかのものだ。
 

【1660】Cavicchioli Lambrusco Grasparossa Amabile (N.V.)

 
カビッキオーリ ランブルスコ グラスパロッサ
 
 我が家では定番になっているランブルスコ。ラベルがリニューアルされたけれども、幸い値上がりはしていない。
 
 まず見た目。ビールのようなフワフワの泡が液面に広がって、色はカシスのように濃い。ランブルスコのなかでも割と濃い部類では。思わず、香りを確かめるのもじれったく口に入れると、甘酸っぱさとブルーベリーヨーグルト味が炸裂。やっぱり乳飲料っぽさのあるランブルスコだ。ほんの僅かに(葡萄系)生臭さはあるけれども、他のほとんどのランブルスコに比べれば気にならない。微炭酸がぷちぷちとしていて、疲れた身体にはたまらない。くー、うまい。疲れた日はこういうのでいいんだよ。やっぱりいいランブルスコやん、と思った。