北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1682】Joseph Roche Syrah 2015

 
ジョセフ ロッシュ ヴァン ド ペイ ドック シラー
 
 このワインは、フランス南西部で作られた「Vin」規格のワイン。「Vin」規格は昔のテーブルワイン規格に相当するもので、要はテーブルワインってことでしょう。チリを代表する安ワイン、コノ・スルのシラーを呑んだ後なので、それとの比較が気になるところ。はたして。
 
 まず見た目。とても黒々としていて暗いワインレッド。透明度もあまり高くなくて、コノスルのシラーの記憶とそんなに離れていない。香りも似ていて、お線香を煮詰めたジャムと木とインク系の香りがもうもうとこみ上げてくるような。甘い匂いと背筋を伸ばしたくなる匂い、両方。
 
 口に入れてみると、これは大分違う。酸味がしっかりしていて明るい味。お線香の風味もあるし、ジャムジャムした果実味もあるんだけど、こいつはどこか軽やかで二日目以降に酸っぱくなってしまうのでは、と心配したくなる(そしてシラーをボトル一本丸ごと一日で呑むなんて、嫁さんに手伝ってもらっても無理だ)。コノスルのシラーに比べると重心が軽いワインで、食事に合わせるならこちら、単体でのインパクトはあちらといった感じ。そこはそれ、チリ産の安ワインとフランス産の安ワインの違いを象徴しているようで、使い分けの余地があるなぁと感じた。
 
 ※翌日は、もう少し酸が強くなった気がするけれども概ね変わらず。デイリーユースとしては十分。

【1681】Cono Sur "Bicicleta" Riesling 2016

 
Cono Sur "Bicicleta" Riesling
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 まず見た目。薄くて少し緑色がかった白ワイン色で、いかにも爽やかな、辛口系リースリングっぽい。香りは、花の蜜、花畑を連想するような華やかな甘い香り。
 
 口をつけてみると、酸味と苦みが非常にしっかりとした、リースリングらしいワイン。甘味も強くて全体的に大柄なつくりというか、味覚の刺激スカラー量が強い。糖度を測定したらかなり高く出るんじゃないだろうか。ほんの少し、酢酸っぽい酸っぱさが潜んでいるけれども、このクラスのリースリングとして文句を言えるほどのものではない。香りがハーブっぽい苦みを帯びてくるあたりも、リースリングしていて良かった。
 

【1680】TOPVALU "Rigol" Exelencia Rose Brut (N.V.) (ハーフボトル)

 
 https://www.aeondewine.com/shop/goods/goods.aspx?goods=A106-4901810987412
 
 
 今日のワインは、イオンのスパークリングロゼ。見た目はびっくりするほどピンク色、薄い赤ワイン色とも、プロヴァンスの薄いロゼとも違う、まさにピンクな色合い。香りは妙に甘いやつが漂っている。
 
 で、口をつけるとかなりキツい酸味。青みかん、すだちぐらいのキツい酸味で少し柚子っぽくもある。ロゼ特有の柑橘の皮っぽさも、ここではキツい柑橘っぽさに繋がっている感じがする。見た目といい、イオンブランドといい、ワインに慣れていない人が手に取りそうなワインだけど、これは厳しめだと思う。ワインに慣れている人なら飲めなくもないけど(さりとて、そういう人がこのロゼスパークリングを旨いと感じるかはわからない)、不慣れな人にはオススメできません。イオンで買うなら普通のスパークリングワインを狙いましょう。

【1679】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2011

 
プス・ドール ヴォルネ 1er Cru エン・カイユレ 2011
 
 先日、ダンジェルヴィーユさん家が作っている「ヴォルネ カイユレ 2011」が信じられないほど精巧に出来ていてびっくりしたので、じゃあ、他の家が作っているカイユレ 2011ってどうなんだ?と思って急遽セラーの片隅にいたこいつを持ってきた。直近では2017年の夏に飲んでいて、そのときの印象は「二日目のほうが良い、二日目に芯のあるところが見えてくる」だったけど、ダンジェルヴィーユのカイユレは初日からバッチリのワインだった。果たして、これはどうなるのか。
 
 まず見た目。ダンジェルヴィーユのものよりも濃い。朱色というのはちょっと黒っぽいとも感じる。香りは、サクランボのような果実の香りがツーンと鼻をぬけるようで、その後ろからチョコレートが追いかけてくる展開。もうもうと香ってくる。でもって、なんと初手から「猫柳や桜の木の枝を引きちぎった時に感じられるような精気」が感じられる。これを連想するのはダンジェルヴィーユの時にあったからかもだけど、こいつからもそれを感じる。2017年の夏に飲んだ同じものとは同じとは思えない。ものすごく面白そうな匂いだ。
 
 口をつけてみると、初手から酸味が強い。ヴォルネにしてはタンニンが多いほうで、重量級では決してないけれども軽々としているとは言えない。酸味がうるさいなーと思いながら口のなかを転がしてみると、それなり愛嬌はあるけれども、2011の作柄がそうなのか、淡い紅色果実系の甘みが中心。苦みとの調和は悪くないけれども、そんなに秀でているというほどでもないかもしれない。
 
 ※翌日。すごく果実味がおおらかになって、飲んでいて幸せな、エンジョイなワインになってきた。精気もそれなり籠っている。ダンジェルヴィーユとは作風こそ異なるけれども、これはこれで悪くは無い。ワインをすする際に森の苔のような風味や、野イチゴのような雰囲気がこみあげてくることもある。期待していたのとは異なるかたちだけど、嬉しいワインになってくれた。

【1678】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay 2015

 
ゴランハイツワイナリー 「ヤルデン」 シャルドネ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 まず色合い。黄金色っぽいテカりがあって、ちょっとリッチな雰囲気を漂わせていて、粘性率も高い。香りは、今回は石灰岩っぽい清々しさと蜜っぽさの混合からスタート。これは、いつも使っていたシャルドネグラスが割れてしまって、違うグラスを使っているせいかもしれない。
 
 口に含んでみると、いつものフルーツポンチじみた甘い口当たりに、蜜とクッキー、その後ろから石灰岩系のゴワッとしたミネラルを伴った酸味が来た。ミネラルはあるけれども石灰岩、ここが嫌いな人はちょっとダメかもだけど、得手な自分には嬉しい特徴だ。リッチで果実いっぱいなのに、どこかスカッとしたところがある。これ、スパークリングにしても美味しいかもとか思った。
 
 ※翌日は、ますますフルーツいっぱい、バタークッキーと蜂蜜。この価格帯とは考えられない旨さ、色んな地方のシャルドネのいいところが合わさったような。やはり安定している。

【1677】Cono Sur "Bicicleta" Syrah 2016

 
コノ・スル ビジクレタ シラー
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 お料理用として買われてきたコノ・スルの平格。でも、せっかく飲めるワインなので、幾らか楽しんでしまえと横からいただくことに。
 
 見た目をチェックすると、とにかく黒ずんでいて不透明なワインレッド。我が家は軽量級の赤ワインが多いので、これだけ黒っぽいと驚く。フランスはローヌ地方の濃い系赤と比べても黒っぽいんじゃなかろうか。香りは、墨汁っぽさを帯びたジャム、それからお線香。それらの風味が一体となっていて、なかなか充実している。
 
 口をつけてみると、墨汁の風味を漂わせながら果実パワー全開、すごく、果実っぽいです。ただ、そこはそれ新世界の濃い系ワイン、苦みもあるし、タンニンもそこそこにはある。けれども価格を考えるとお買い得としかいいようがない、バランスのとれた構成。ひょっとしたら飲み飽きるかもだけど、料理用を頂戴するわけだから、それほど量を飲むわけでもなく、肉詰めピーマンとも良い相性。おいしいまま、いただくことができた。