北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1710】Cono Sur "Bicicleta" Cabernet Sauvignon 2016

 
コノスル ビシクレタ カベルネソーヴィニオン
 
 カベルネソーヴィニオンという品種は、フランスのブレンドタイプとチリ・イタリア・アメリカのものがそれぞれ顔つきがちがって、ときどきチリのやつが欲しくなる。で、コノ・スルの安物を買ってきてみた。
 
 見た目は不透明で黒々とした濃いワインレッド。香りは、初手でコーヒー牛乳の匂いがした後、梅と墨汁、その後からチョコレート系の香りがふんわりとあがってきた。
 
 口をつけると、もうもうと上がってくる果実味と墨汁、とにかく味のベクトルが大きいのがチリワイン、というかコノ・スルらしくもあり、予想通り。タンニンはたっぷりだけどあまり険しくなく、適度に酸味もあって飲みやすいスタートがきれた。ただ、このワインはやはり濃い。だんだんきつくなってくるところがあるのはいつものとおり。深酒するには絶対に向いていないワインだと思う。
 
 ※翌日のほうが落ち着きがあって、少しオーガニックというか森の下草系に傾いてらしい雰囲気になった。こっちのほうがいいかも。
 

【1709】Cellars de l'Arboc Pupitre Cava Brut Reserva (N.V.)

 
ピュピトレ ブリュット カヴァ
 ※リンク先は「リゼルヴァ」がついていない品です。リゼルヴァはラベルが銀色をしています。
 
 このワインは、値段の割にはおいしいことが判明しているスペイン産のスパークリングワイン(カヴァ)。久しぶりに見かけたので即ゲット、むしむしと暑い日に乾杯!することになった。ちなみに前回は2016年に、リゼルヴァではない品と遭遇している。
 
 まず見た目。すごく透明感がある、うっすい色。「白っぽい」と言っても過言ではないような。香りは、メレンゲのような匂いにユズ・すだちを思わせるフレッシュで少しクセのある柑橘類という風味がする。なかなか香りが立派で楽しみ。泡は、かなりの量がたちのぼっている。
 
 口をつけると、リンゴの甘みがぐわっと来た後に青リンゴ、グレープフルーツを思わせるような。それとやっぱりユズ。ユズの皮のような黄色い香りが口から鼻に抜けていく感じがある。このユズの黄色っぽさから転じて、沢庵を連想するところも。色合いが薄いこと、シャンパンっぽくないこと、ワインのボディが軽い部類なことを気にしないなら、値段の割にやはり美味いスパークリングワイン。
 

【1708】Maison Joseph Drouhin Domaine des Hospices de Belleville Morgon 2015

 
モルゴン ドメーヌ・デ・オスピス・ド・ベルヴィル [2015] ジョゼフ・ドルーアン
 
 まず見た目。グラスに注ぐ際には、なんだか青紫色がかった、ボジョレーっぽい色彩とみえたけれども、グラスに入れてみると、意外とダークな色彩で赤茶色っぽくもみえる。グラスの辺縁も青みがかっている気配はなく、透明感のあるよくある赤ワイン、といったところ。香りは、チープな駄菓子のような香りと、梅線香系の香りが別々のタイミングで匂ってくる。
 
 で、口に入れると、初手からミネラリーいっぱいの濃いボジョレー(ガメイ種)系。モルゴンにありがちなアルカリ土類金属っぽい風味がこみあげてくるんだけど、凄く風味が濃い。ドルーアンって、割と軽々とした飲み口が多いと思っていただけにこれは意外。どういうつもりなんだろう。ただ、チーズ&じゃがいもや豚肉料理と一緒に食べると、酸味と苦みが強調されてまずまず食事に付き合ってくれる。それでも苦みとアルカリ土類金属風味がきつくて楽なワインではない。「ドルーアンは早飲み」ってイメージがあって抜栓したけれども、さすがにこいつは長熟型で2015は早すぎたのか?
 
 とはいえ、1時間ほど経って来ると果実味がほっこり膨らんできて、豊かなボジョレーらしくなってきた。そこにミネラルが加わってなかなか良い。それでも酸味が変に強すぎて辛いところがある。明日になったらもっと酸っぱくなっているかも。模範的なモルゴンと言うにはアンバランスかも。
 
 ※翌日。酸っぱいなりにワインとしての辻褄があってきたというか、適度に減った苦み、こみあげてきた果実味、例のアルカリ土類金属、そして森の下草のような風味と乳酸系と思いたくなるミルキーな口当たりで旨い。ということは、早飲み系の多いドルーアンとはいえ、モルゴンはちゃんと熟成させて飲むべきってことなのか。しかし、この価格帯のモルゴンを長く手元で寝かせるのは無理。もうちょっと高いモルゴンでさえ、早めに飲んじゃうしかないのに。これは、巨大地下室とか持っている人向きなワインなのかも。
 

【1707】Stocco Le Pianure Pinot Grigio 2016

 
Stocco Le Pianure Pinot Grigio
 
 このワインは、トスカニーが商っているイタリア北東部のストッコというワイナリーのピノ・グリージョ。どうやらこれはセカンドワイン的なものらしい。
 
 で、見た目はピノ・グリージョ(ピノ・グリ)系にありそうな少し赤みがかった黄金色。香りは、少しオイリーさを伴ったすっごく爽やかな台所洗剤、昔の名前で言えばママレモンのような。人工的につくったライム、といいたくなる匂いもする。
 
 口に入れてみると、すっごく爽やかな飲み心地で、そこから口のなかに膨張感が伴っている。このワイン、イタリア産のわりに色も膨張感も、フランス産のピノ・グリっぽく感じるところがあるけれども、そこはそれ、人工ライムと言いたくなるようなグリーンな爽やかさが伴っていてイタリア産ですよーとアピールしている。ちょっとばかり酢酸っぽい風味があるのは褒められたことではないけれども、価格も価格、品種も品種なので、気にしないでゴクゴクっと飲むことにした。
 
 ※翌日は酢酸っぽさが強くなったような。ちょっときついかなー。初日のほうがバランスがとれていた。

【1706】Le Macciole Paleo Rosso 2012

 
パレオ ロッソ 2014
 ※リンク先はヴィンテージが異なります 
 
 このワインは、以前に当たりだったことのある、トスカーナ州でつくられているカベルネフラン100%のワイン。凄くフレンドリーな香りと味だったので、パーティー用に運び出してきた。
 
 まず見た目。普通の赤ワインという感じだけど、カベルネフランだけあってか、少しパープルな紫色っぽさがある。香りは……うーん、あまりしっかりしていないぞ、ちょっと森の下草系の匂いはするけれども、それ以上のものが来ない。
 
 口に含んでみると、どうもふくよかな雰囲気が無い。すごくオーガニックな雰囲気が漂っていて、ワインが年を取ったという感じすらある。パレオに期待したくなるおおらかさがこのボトルからは感じられない。一応、植物系のフレーバーはそれなりあるんだけど、それはお門違いというもの。二杯目以降、ちょっとフルーツ爆弾っぽさが増える瞬間はあったけれども、到底、以前のパレオの華やかさには及ばず、「しけた」展開。まことに残念です。
 

【1705】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay 2015

 
ヤルデン シャルドネ [2016] ゴラン・ハイツ・ワイナリー
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 このワインは、いつもいつも飲んでいる、イスラエルはゴランハイツワイナリーのシャルドネ。我が家の「ちょっと良い標準白ワイン」枠として何度も何度もリピートしている。でも、ワインってボトルや体調によって印象が揺れるので、記録には書き続けていきます。
 
 まず見た目。やっぱり黄金色系のワインで立派なもの。そりゃあキスラーみたいな高級リッチ系白ワインほどではないけれども、十分に見栄えがする。香りは、初手からクッキーとフルーツ缶詰が大爆発。コッテコテの匂いなので、ブラインドテイスティングに出したら人を惑わしそうな。
 
 口をつけると、初手から果実味が大噴火。すごいフルーツ爆弾っぷりで、そこに蝋の香りやクッキーの香りがついてくる。このワインについてまわる、石灰岩っぽさを帯びた健全な酸味のおかげで、リッチな風味でもダレないところがある。超高級白ワインほど緻密ではないにせよ、石灰岩系のミネラルとしっかりした酸味のおかげで、重くてだるいワインや空白感のあるワインにはなっていない。いや、本当にいいワインだ、月に1本こいつを飲むだけで人生が1~2%ほどは幸福になるんじゃないかというような。毎度のことですが、このワインは褒めずにはいられません。
 
 ※翌日は、もう少し酸味が勝って爽やかな雰囲気になった。こっちのほうがバランスとしては良いかも。これもこれで良い。