北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0030】Ile La Forge Merlot 2007

 
 ラ・フォルジュ・メルロー 2007
 
  
 これまたネット通販6本まとめ売りシリーズ、南仏特集のなかの一本。ネット上での価格は現在、1200〜1600円程度のようだ。成分は100%メルロー。品種的にはまろやかな味わいと推定。
 
 開栓すると、割と久しぶりの、直球な葡萄臭。なかなか強いチェリーの香りと相まって、今回はかなりフルーティーな匂いがする。それにしても、このやたらめったらなチェリーの香り、南仏ワインの場合は普通なんだろうか?よく嗅いでみると、檜の入浴剤のような匂いが混じっているが、とにかくチェリーっぽさが目立つ。
 
 グラスに注いだ色合いは透明感のある、それでいて薄くもない紫色で、この時点では期待度大。
 
 ところが、味が苦すぎてにっちもさっちもいかない。渋みを伴うわけでもない、割と純粋な苦さに驚いた。喩えるなら、病院で処方される粉薬の苦さが一番近い。葡萄のジューシーさ・まろやかさを感じ取ろうと思っても、とにかく苦くて他の要素を確かめきれないというか…。こりゃもうダメだと思い、デキャンタしてみた。
 
 デキャンタして幾らかマシになったが、それでも苦い!多少は甘みと葡萄っぽい香りが感じ取れるが、依然として苦さが優勢で、ちょっとやそっとで呑めそうな雰囲気ではない。結局、呑むのを中止して六時間ほど放置してみることにした。これぐらい待つと、さすがに苦みが退いて、幾らか飲みやすくなってきた。とはいえ、正直それほど旨いと言える水準かというと…うーん。香りは相変わらずフルーティーで悪くは無いし、苦みが引っ込んだ分だけコクが体感しやすくなったけど、バランスの良い味でもなければパワーを感じるわけでもない。
 
 しようがないので、残ったワインを200mlほど使って、牛肉のワイン煮込みを創ってみることにした。牛肉をワインに浸し、小麦粉でまぶして焼いた後に煮込む。玉葱やニンジンやキャベツと一緒に、二時間ほどグツグツやると、まずまずの味わいに仕上がった。でも、こんな予定じゃなかったのになぁ。もしいつかリトライするとしても、ヴィンテージの年を変えてリトライすることにしようかな。