北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0048】Barone Pizzini Franciacorta Rose N.V.

 
http://www5e.biglobe.ne.jp/~yueyue/i_wine/9_avico.htm
 
 翌朝の早い時間に帰国の途に就かなければならないので、御馳走を食べるならこの日の昼が最後、という昼食。ここはひとつ、ちょっと良いものを食べちゃおう、と思い、ガンベロロッソでフォーク二本の ヴィーニ・ダ・ジーニョに行ってみることにした。
 
 綺麗な店のなかは、家族連れやカップル、色んなお客さんで混雑していた。昼間なのにバローロを呑んでいるカップルもいて、何を頼んでもokな雰囲気と判断。ここでオーダーしたのは、魚介類のフリッター、ホタテ貝を貝ごと焼いた前菜、ヴェネチア名物のカニパスタ、デザートにはビスケットをワインに漬けて食べるやつ。ワインリストは結構旨そうなワインが揃っていたけれども、若干割高なレート。とはいえ最終日のお祝いに、フランチャコルタのロゼを注文することにした。値段は30ユーロぐらい。聞いたこともないメーカーさんだけど、ものは試しということで。
 
 チューリップ型のシャンパングラスに注がれたのは、赤錆色とシャンパンの麦色を足して2で割ったような感じのオレンジ色。焼きリンゴの香りと蜂蜜の香りが中心で、そこに酸味なのか葡萄風味なのか分からないようなニュアンスが混じって、強烈に香り立ってくる。ロゼのスパークリングワインじたい、あまり経験が無いけれども、こういう匂いって何と言えばいいんだろう?シャンパーニュのような、穀物や漬け物の感覚は乏しいが、芳香は大爆発している。いいあんばいだ!
 
 味のほうも、普段の白とは随分違った趣き。ほのかな甘みを含む、白泡離れしたコクの深い葡萄味。酸味やフルーティーな味わいと風味に備わった横幅が頼もしく、それでいて高価なシャンパーニュとは全然別路線の面白さ。そして只の赤ワインには無いフルーティーさや爽快感を伴っている。「こういう仕上がりは、ただの白や赤じゃ無理だろう」という感じで、ロゼ泡を選んだ甲斐があったというもの。そしてあらゆる料理に見事にマッチしている。帰国したら、ロゼのスパークリングワインを是非呑もう、と思わせてくれる一本だった。