北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0054】Farnese Pinot Grigio 2007

 
ファルネーゼ・ピノグリージョ(2007)
 
 季節は梅雨の真っ最中、ムシムシしまくって白ワインが飲みたくなってくる。かと言って、名のある白ワインを賞味したいというよりは、手軽で手堅い白ワインをガブ呑みしたい気分。ということで、2chあたりでは評判の良い、安ワインのファルネーゼ、そのピノグリージョを冷やして呑んでみることにした。
 
 匂いのほうは、酸っぱさの混じった花の匂い。イタリアの白ワインにはありがちな匂いだ、と思う。
 
 味は、酸っぱく薄めの白ワイン、という体裁。ただ、舌の上にちょっとした厚みを感じる時間帯が数秒程度あって、その後に口のなかの下顎側に“べったりと乗っかるように”柑橘類の酸味が残る。単に酸っぱいだけの寂しい感じに終始するでもなく、若干感じられる鉱質っぽさなどと組み合わさって、結構いける後味だ。ちょっと厚い感覚と、この下顎側の酸味の広がりのお陰で、ペラペラの悲惨な白ワインっぽさは免れている。
 
 このワイン、上顎〜鼻に抜ける成分が(香りも含めて)おとなしめで、舌〜下顎〜喉までの領域に旨味が集中しているように感じられて興味深かったが、さすがに後半になってくるとレモンスカッシュから炭酸を抜いたような感覚になってしまい、単調な風味に落ち着いた。まぁレモンスカッシュ的な風味が大好きな自分としては、飲み物としてはそれで申し分なかったけれども、これがワインとして面白いかどうかと言われたら、必ずしも高評価というわけにはいかないんだろうなぁ。
 
 “中盤〜後半の展開に贅沢を望むのが間違っている値段”ということを勘案すれば、あまりブーブー言ってはいけないとは思うし、前半はワインとして楽しく、後半はレモンスカッシュ風味のものとして美味しくいただきました。