北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0065】Umani Ronchi Jorio Montepulciano D'abruzzo 2006

 
ウマニ・ロンキ ヨーリオ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2006
 
 コストパフォーマンス優先な方面の赤ワインは、割と平日呑みには向いていると思う。密封性の高い容器に200~400mlほどを保存しておけば、二日ないし三日にわたって、割といけている味に遭遇できるかもしれないから。万が一、やせ細ってきても、そんなにがっかりしなくて済むし。そう思って安定定番をチョイス。
 
 開栓一発目、甘いチェリーの匂いに胡椒を振りかけたような香りがツンと漂い始めた。かなり気持ちの良い匂い。バニラの香りが追いかけてきて、やんわりと宥めてくれる。味のほうもすこぶる友好的というか、柔らかい飲み口でスタートし、葡萄ジュースっぽいちょっと甘くて柔らかな味と、タンニンと胡椒っぽさが混じっているような印象を受けた。呑み進めていく最中もバニラの風味と甘い葡萄が始終感じられ、なんだかおやつのような赤ワイン。重いとか複雑とかいうのとは違って、どんどん呑み進めたくなるようなノリとフルーツっぽさ。
 
 ただし、胡椒のような刺激が強くて喉が渇くのが難点。タンニンはそれほど五月蠅くないものの、どうも喉にスパイシーな感覚が引っかかって苦しい感じがする。このスパイシーな感覚がもう少し穏やかであれば、気軽にごくごく飲めるのに…。しんみりと味わって瞑想に耽るようなワインでもないと思うので、この喉の引っかかりはかなり気になった。それでも一時間ほどすると、もう、ひたすら呑みやすい赤ワインが目の前に置いてある状態に。ごくごく果てしなく呑めるワインだが、悪いことに、こいつは1300円ほどもしてしまう。もう少し値段が安ければ…。