ソアーヴェ・クラッシコ ラ・ロッカ[2009]ピエロパン
※リンク先は、ヴィンテージが異なります。
週末のあれやこれやの後、軽い夕食に合わせやすく疲れがとれそうなワインが呑みたい。そう思って取り出したのは、ソアーヴェの筆頭格、ピエロパンのなかでは一番高いやつ。ソアーヴェはヴェネト州の安ワインとして有名だけれど、惨めなワインが思いっきり惨めな一方で、いいやつは案外とデリケートだったりもする。
色は“ソアーヴェにしては”ちょっと濃い。かなりはっきりとした麦わら色。香りは花畑に蜂蜜の瓶を持ち込んだような、あるいはリースニングにも似たような香り。
入り口は、意外なほどコクがある。スモーキーなニュアンスも混じった結構厚みのある味で、そのくせソアーヴェらしいあっさりとした後味と呑みやすさを伴ってもいる。グイグイ呑もうと思えばグイグイいけるし、しっとりと口のなかで味を噛みしめてもちゃんといける。これまでのピエロパンシリーズと同じく、野菜のようなニュアンスは健在で、瓜のような温野菜のような雰囲気は相変わらず、というよりも一連のシリーズのなかでは野菜のニュアンスが最も強い。そこにマスカットのような爽やかな葡萄風味がガツンと加わって、味わいのバリエーションはかなり豊かだ。
なるほど、確かにソアーヴェの強化型という感じがする。同じメーカーのカルヴァリーノとは強化の方向性がだいぶ違って、こちらのほうが香りや風味がハッキリしていて味の厚みも分厚く、ある種、ウケが良いのかもしれない。とはいえ爽やかさを失うでもなく柔らかさを失うでもなく、最後まで飽きる気配もないままに美味しく頂くことが出来た。