北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0121】Cecchetto Cabernet Sauvignon Piave 2008

チェケット カベルネソーヴィニヨン 2008
 
 赤ワインを二日ほどかけて呑みたい、という気分のこともある。このワインは、「黙って呑めば3000円ぐらいに感じる」という、かなり怪しい売り文句で1600円で売られていた一品。けれども、つくられているのはヴェネト州で2008年のカベルネときているので、甚だ心配でもある。さて、売り文句にあるような値打ちが感じられるか?
 
 香りは、あまりたっぷりとは言い難い、しんみりとした葡萄臭。キャンティのスミレ臭を陰気にしたようなやつが、静かに匂ってくる。少しだけ、線香臭い感じ・胡椒っぽい感じもあるかも。グラスに注いだ色は、ごく普通にカベルネしていてまあまあ深い紫色。ここまでは悪くない。
 
 味は...なんだろうこれ、最初に口に入れた時のイメージは、「得体の知れない金属の混じった軟膏を口に入れたような」。キャンティのクリーミーとはまた方向の全然違った、舌の上にヌターッと軟膏を塗りたくられるような、そういう感触がある。スパイシーで渋みもしっかり、コクやボリュームには恵まれないにしても、味の輪郭は割としっかりしている。余韻はかなり長いけど、終始、「得体の知れない金属の混じったような」というのが引っかかって気持ちよくなれない。なんというか、薬っぽさが拭えないというのが一大欠点のように感じられる。
 
 ※翌日になったら薬っぽさが幾らか拭えたような気がしたけれど、そのかわり安ワインという印象が深まってしまった。うーん、これはちょっと厳しかったかも。