北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0197】Pio Cesare Barbaresco 2004 (ハーフボトル)

ピオ・チェーザレバルバレスコ(注:リンク先のヴィンテージは異なります)
 
 先日、あまり高価ではないバルバレスコを呑んでみたら、美味いは美味かったけれども料理が全く歯が立たない、という現象に直面することになった。じゃあ、本当にしっかりとしたジビエを出す店であわせてみたらどうなるのか?そういう機会が巡ってきた。
 
 料理は、アンティパスト盛り合わせ、春野菜のパスタ、そして地物の鹿肉を使ったロースト&スペアリブ&赤ワイン煮。ここに、アペリティーボとしてピノグリージョ一杯(詳細不明)+チーズ少々をいただいた後、本命のバルバレスコ、という流れ。
 
 抜栓して30分は放置。前菜の後にちょっと呑んでみた時点では、いまひとつの香り。いくらか神妙な香りといえばそうだけど、それほどでもない。けれども1時間ほど放置すると、ベリーの匂いがもうもうと立ちこめ、さらに鼈甲飴のような甘さと得体の知れない透き通った匂い成分、それから雨の日の後のような湿っぽさを伴うようになってきた。グラスの中に、こういう匂いがいいあんばいで籠もっている感じ。以前のバルバレスコに比べると、甘みとフルーツっぽさと透き通り加減(神妙さ?)の点ではこちらのほうが目立っているように感じられた。
 
 ジビエとの相性は凄い。強烈な鹿肉の風味とちょうど釣り合い、どちらかが押されるという感じではない。しかもジビエがあってもなお、例の得体の知れない透き通った匂いは健在で、ゴッテリとした料理のなかで冴えを見せ続けている。なんだかとても良い。