北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0263】Gravner Bianco Breg Anforor 2001

 
 グラヴナー ビアンコ・ブレッグ(注:リンク先はヴィンテージが異なります)
 
 今日の夕食は、ガーリックトースト、枝豆パン、鯛のカルパッチョ、レンズ豆と鶏肉とトマトのスープ、おまけにスーパーの寿司パック一つ。このメニューに合わせるのは、イタリア北東部の変人系白ワインのグラヴナー。本当はこのワインはあと数年温存するつもりだったけど、ドメーヌラモネの赤ワインが吹きこぼれてしまった時に、こいつは隣に置いてあったので、お盆ということもあるので開栓してしまうことにした。

 
 グラスに注ぐと、いかにもグラヴナーな、滅茶苦茶怪しいオレンジ色。アンズジャムを連想させるような。匂いは、もうなんというか贅沢なケーキかタルトの匂いを嗅いでいるような、ものすごく複雑な甘い匂い。洋なしタルトの横にウォッカとバニラエッセンスと…あと何か、香辛料的なピリッとした成分が混じっている。
 
 味は、口をつけた段階では意外と軽やか。微妙にタンニン?のような渋みすら感じられるけれど、グッと来るものは無い。まあ、冷えすぎなのは分かっているので30分ほど待ってみることにした。
 
 慣れてくると、タンニンのようなものは大分引っ込み、リンゴのような酸味と甘みがじんわり染みだしてくるようになったけど、どうも今ひとつ凄い印象には繋がらない。ヘンテコではあるけど、これなら2002年産のやつの時のほうが仰天する何かを備えていたような気がする。
 
 ※ところが!翌日まで放置しておいた1/3が楽しいことになっていた。匂いが、腐った切り株のような、怪しげな赤ワインのごとき雰囲気が混入。しかも、例のケーキのような複雑な甘さもどこかに残っている。口のなかにも、なんだか腐敗的な、口当たりは軽いながら凄まじい妖気を漂わせている。どうやら、こちらが正体のようだ。ああ、確かにこれは白ワインとは言いにくそうな、珍奇な何かで、イタリア北東部の変人ワインの面目躍如っぽい。グラヴナーのワインは時間を置かなければ本性を現さないということなのかもしれない。もし、次の機会があるとしたら、心してかかろう。呑み急いでしまったかもしれない。