北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0443】Dominique Laurent Chambolle-Musigny Premier Cru 2005

 
ドミニク・ローラン シャンボール・ミュジニー“レ・フュエ”プルミエ・クリュ[2010]
 ※リンク先は、ヴィンテージが異なり、単一畑ものです。
 
 これは、初めてのシャンボール・ミュジニーのワイン。このエリアのワインはやたらめったら値段が高いような気がして、怖くて避け続けてきた。最初に試すボトルを一級にするか村名クラスにするか迷ったものの、家に置いてあったのがこれだったので、じゃあ初シャンボール・ミュジニーいっちゃいましょうということで抜栓。
 
 開けた段階で、甘いイチゴミルクみたいな匂いが漂ってきたので、おいしそうな気配。グラスに注ぐと、まずまずブルゴーニュ色の透明赤ワインだけど、ほんの少し紫色がかっているような気がする。目がおかしいのかと思って何度も確認したけど、やっぱりそんな印象。匂いは、甘いイチゴミルクっぽさの奥からトーンの高い匂いと杉っぽい匂い(樽系?)がこみ上げてくるような。甘さが前で、揮発性の偉そうなやつが後ろという布陣。
 
 口に入れてみると、意外なことに酸っぱさが第一印象。それも新鮮というより痩せたような。ところが、この酸っぱい印象にがっかりながらもう一度匂いを嗅いでみると!ものすごく偉そうな、何と言えば良いのか分からないような匂いがブワーとこみ上げてきた。土っぽさとはちょっと違う、植物っぽさ満点の有機化学系の匂い。いつぞやのマジ・シャンベルタンの匂い成分ともまた違う。ヨモギや山菜は連想しない。むしろテキーラを想像するような…何と言えばいいんだろう。
 
 酸っぱい酸っぱいと文句を言いながら呑んでいるうちに、少しずつ味が柔らかい方向に傾いてくれて助かったは助かったけど、そんな味を引き離すように、匂いはもっと楽しい方向に。胡椒をかけたピーマンのようなスパイシーさを伴って、変化に富んでいる。
 
 ただし、やっぱりこのワインも時間経過には脆いらしく、三時間目ほどになると匂いが勢いが衰えはじめた。こうなると、またぞろ酸っぱさが気になり始めて、「味吟醸ではないあたりが弱みだなぁ」などと贅沢なことを考えたくなってくる。うーん、「急いで飲んでください」なのかなぁ...。ううむ。