北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0522】Gros Freres et Soeurs Richebourg 2006

 
リシュブール[2006]グロ・フレール・エ・スール
 
 2011年もこれで終わり。その最後として選んだのは、ヴォーヌロマネ特級畑群のなかでは三番手か四番手といわれがちなリシュブール、のワイン。
 
 色は、やや黒っぽいブルゴーニュ色。グラスの輪郭を見ると、少し青みがかっている。なんだか熟成が足り無そうな感じ。匂いをかぐと、最初はすごく苔生した揮発臭がブワッと上がってのけぞりたくなるような。もう一度匂いを嗅ぎなおすと、ローソクっぽさを伴ったチョコレート臭が吹き上がっておいしそうな雰囲気。「初期状態としてはこんなものかな?」と思った。
 
 口をつけてみると、ちょっと酸っぱい印象が先行。ブルゴーニュの割りにコクがあり、若干タンニンがバサバサ。けれどもこの後は匂いが急激に変化して感じられ、胡椒・オールスパイス・シナモンを混ぜたようなスパイシーな匂いがドッカンドッカンやって来てびっくり。味のほうは、ゆっくりとタンニンが落ち着いていき、代わってフルーティーで素直な葡萄風味が強まってきて、味覚という点でも楽しめるようになってきた。濃厚さという点では、予想していたほど濃厚というでもなく、少なくとも同メーカーのこの時の白よりは呑みやすい。そうしている間も、匂いの力点は葡萄・スパイス・チョコ・蝋燭・発酵と、とりとめもなく行ったり来たり。同ヴィンテージのドルーアンのグラン・ジェセゾーと比較すると、スパイシーな風味の強さが目立つ感じ。
 
 この価格帯でもう一回買いますか?と言われたら、あんまり買いたくないけど、確かに有難いワインには違いなかった。オフヴィンテージで、なおかつ熟成には程遠いように見えたところを見ると、当たり年で熟成しまくったやつだったらとんでもないのかもしれない。