北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0556】Domaine Louis Latour Chevalier-Montrachet "Les Demoiselles" 2002

 
シュヴァリエ・モンラッシェ・グラン・クリュ・特級・“レ・ドゥモワゼル”[2010]年
 ※リンク先はヴィンテージおよび購入店舗が異なります
 
 今日の夕食は、鶏肉の南蛮漬け、サラダ、お寿司少々。これの後に、パンをかじりながら勝負してみることにした。対峙するのはシャルドネ界のヒエラルキーのなかではNo.2と言って差し支えないであろう、シュヴァリエ・モンラシェの2002年モノ。この記録をつけ始める前から、ワイン貯蔵庫の大将として大事に保管(というより展示?)し続けてきたけど、そろそろ年頃だと思うのでおなかに入ってもらうことに。
 
 ちょっとだけカビの生えたコルクを抜くと、見事なまでに黄金色の液体がトポトポと。なんとなく今が飲み頃っぽい風采。で、匂いがびっくり。蜂蜜臭がするのは予想通りとして、蜂蜜は蜂蜜なのにものすごくマーブル臭いというか、なにか「蜂蜜でつくった大理石の御殿」の前に立っているような雰囲気。それか、外国の古い美術館の一室で蜂蜜壺をひっくり返したらこんな匂いかもしれない。
 
 口に入れると、とっかかりはそれほど激しくなく、鉱質たっぷり、酸味の強さはだいたい標準的。ところが匂いのせいもあってか、なんだかよくわからないけれど「そびえ立つ」ような感じがする。重ったるさは全然無いけど、この感触を軽いと思う人は絶対いない!今まで呑んだブルゴーニュ一級達とは挙動が全く違って、圧倒的な存在感がある。もうパンとかオツマミとか、そんなもの要らない!バタークッキーやザラメ糖のようなコテコテの甘い匂いがする時もあれば、石鹸のような、甘い匂いだけど全然甘そうではない匂いになったり。味わいも、よくよく味わってみると塩っぽい味が混じっており、少しずつ葡萄のフルーティーな味わいが染み込んでくるから油断ならない。開栓2時間ぐらいで、ものすごくピチピチツルツルした若々しさが匂いのほうにも宿ってきて、大理石臭と相まって神懸ってきた。
 
 なにこれ、バケモノワインじゃないか!呑む側としては、とても余所見なんてしていられなくて、ワイン呑む以外には何も出来ない状態。のんびりとtwitterでもやりながら呑もうとか思っていたけど、そんな余裕は与えてくれません。ワイングラスに引き寄せられて他には何も出来ない。固唾を呑んで、ただ呑むばかり。
 
 えーと、今まで呑んだ白ワインの中で、ダントツの一位、他の追随を許さない感じ。風味豊かで、味も匂いも変化に富んでいて、存在感が異様なほどで、気品も最高クラス、どうしてこんな飲み物に仕上がるのかさっぱり分からない。本当にとんでもないシロモノだった。これより上は、ル・モンラシェを買うか、シュヴァリエ・モンラシェ内のもっと高価なメーカーの品を買うしかなさそうだから、もう、これでいいやというか、これをもう一度呑みたいです。ああ神様!
 
 ※開栓直後に密封容器に封印しておいた180mlを翌日呑んでみた。ちょっと酸っぱさが勝ってきて、そびえ立つ感じが薄れてしまったかも。開けて2時間ぐらい経った時が一番燃え上がっていた模様。