北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0583】Linard Gontier Brut (N.V.)


リナール・ゴンティエ
 
 このシャンパーニュは2000円を切っている激安シャンパン。思わず二本買ってしまった、そのうち一本。今日はブルゴーニュ一級とかを気合い入れて呑みたかったんだけど、GWの前から強行軍モードに入っていて、なんとなく疲労感が先立ってこちらを選んでしまった。
 
 しかも急いで冷やしにかかったせいで、開栓時、少し吹きこぼれてしまった。なんたる失態!気を取り直して色を見ると、僅かに赤みを帯びているタイプのシャンパン色をしている。細かな泡が高速モードで立ち上る感じが面白い。匂いをかぐと、八つ橋と林檎とパンが混じったような。
 
 口に入れると、まず甘い林檎風の風味が来て、漬け物っぽさを伴った苦みと八朔の皮を連想するようなニュアンスが顔のまわりを通り抜けていった。少しだけ金属っぽいけれども、キンキンになってしまう手前で留まっている。ただ、飲み慣れてくると八朔の皮がちょっと頑張り過ぎているような気がしなくもない。まずくはないし、味の種類がいっぱいあっていいんだけど、味の押しくらまんじゅうになっているというか。
 
 「購入したヴェリタスの売り文句の“まるでボランジェ”がなんとなく分かるような気がするけれども、ボランジェに比べるとゆっくり感・ゆったり感が無いなぁ」などと文句を言いながら呑み続けていると、甘みがグンと増して、八朔の皮っぽさも引っ込んで、むしろ伊予柑を連想させるような雰囲気に化けてきた。例の金属感がどこかで効いているのか、涼やかな呑み心地も嬉しい。ブツブツ言いながら呑んではいたけど、実は最後まで楽しめたかも。後半、どこかプロセッコに近い感覚を覚えたのも個人的には幸いした。