北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0600】Domaine Marquis d'Angerville Volnay Fremiet 2008

 
ヴォルネイ・フレミエ ダンジェルヴィーユ
 (※リンク先はヴィンテージが異なります)
 
 今日はこのワインログをつくって600本目にあたるので、何かいいワインを呑んでやろうと思ってゴソゴソ漁って出てきたのがこのワイン。舌を噛みそうな名前の作り手の、オフヴィンテージな一級ワイン。オフヴィンテージなので、調子の悪い日のエースの登板みたいなものだと思ってかかることにした。
 
 グラスに注いでみると、ほんの少し青みがかった、薄くて透明なピノ・ノワール色。グラスの辺縁部が赤みがかっていない、というよりモロに青いので、これはいくらなんでも早く開けすぎてしまったんじゃないか……。匂いをかいでみると、先日のサヴィニ一級に似たところのある、苺ミルク的な匂いとローソク臭、それからあまり赤のブルゴーニュでは想起されることのない、ハチミツっぽい匂いが混じっているような。
 
 口をつけてみると、とにかく酸っぱい!真ん中に一本、芯のような酸っぱさがあって、苦味や渋みはその周りにいるという感じ。飲み口はとても軽やかでヴォルネ風だけど、なんだか水っぽいし、愛想も悪そうだし、これはいただけないなぁとがっかりしてしまった。ところが、二口目を口に運ぶ頃から、木の枝を折った直後のような、ただならぬ風味と精気が感じられるようになった。苦くて酸っぱくて渋いワインなんだけど、精気と風味の強さはたいしたもの。そして二時間ほど経過すると、果実味と甘みがギュッと加わって、ヴォルネのハズレヴィンテージとは思えない力強さを伴ってきた。こうなると、例の木の枝を折ったような精気の良さがみなぎってかなり良い感じ。このワインを、良いヴィンテージで・もっと熟成させた後に開けてみたら、とても凄いのかもしれない。そんなことを思いながら、今日の分をじっくり味わって楽しんだ。
 
 ※翌日も全くだれることなく、もう少ししっとりしたワインになっておいしくおもしろかった。