北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0620】Domaine Marius Delarche Pernand-Vergelesses 2004

 
ペルナン・ヴェルジュレス・ルージュ[2010]
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 今日の夕食は、鶏肉のグリル、温野菜、つけあわせとしてのパスタ、ベーコンの入ったパン。これに、いかにも軽そうな年のコート・ドール村名を合わせてみることにした。エリアは、かなり久しぶりなペルナン・ベルジュレス。
 
 グラスに注いでみると、色は薄くてはっきりとオレンジ色がかった、なんとも年取った薄ピノ・ノワールらしい出で立ち。透明感が、ここ最近のブルゴーニュ赤のなかでは一番高い。で、匂いをかいでみると、先日のサヴィニ一級サヴィニ村名とは違って、グラスの中に匂いが籠もっているような、こんもりとしたイチゴムースの匂いが漂ってくる。
 
 口に入れてみると、軽い甘酸っぱさと鰹だしのような味がじわーっと来て、その後から僅かなタンニンと少しくどいところのある果実味がやってきた。二口目以降になると、このへんの分離があまり感じられなくなり、えらくまったりとした果実味の、ゴクゴク飲みやすいピノ・ノワールの味になってきた。せっかくブルゴーニュ村名なんだから、ゴクゴク飲むなんて罰当たりな!とか思ってしまうけれど、これって、新世界のもっと安くてごついピノ・ノワールより遥かにゴクゴク飲みやすい。飲み口が軽くて、酸味も甘みもほどほどで、まったりとした果実味で、匂いがそんなに自己主張しないとなると、なにげにデイリーワインとしては最強なんじゃないか。この手の軽量級赤ワインのデイリー路線なら、もっとコストパフォーマンスに優れたワインがイタリアなんかにはある*1けれど、そこはそれ、ピノ・ノワールでこういう方向性ってところがいいのかもしれない。
 
 しかも、微妙に腐葉土とドジョウを足して2で割ったような匂いが少しずつ、少しずつトーンをあげてくるからたまらない。「高貴な」「パワフルな」というワインでは無いかもしれないけれど、軽くて呑みやすく、土っぽさがあって気安い、とてもいいワインだと思った。これは大当たり。
 

*1:グエッリエリ社の赤ワインとか、シチリアのネロ・ダヴォラあたりとかあのへん