北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0665】Hauner Malvasia Delle Lipari Passito 2008 (ハーフボトル)

マルヴァジア デッレ リーパリ パッシート(ハーフ375ml) 2009
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、2年ほど前に購入して保有しつづけていたもの。もっと寝かせたほうが良いような気がしたけど、なんとなく気になって開けてしまった。分類はシチリアになっているけれども、実際はシチリアよりはチュニジアに近い、地中海の孤島でつくられたワイン。思いっきり冷やして開栓。
 
 まず、色が既に普通のワインじゃなく、アプリコットを連想するような綺麗なオレンジ色をしている。匂いをかぐと、これが面白い!干し杏のような匂いにマスカットの爽やかさが潜んでいて、しかもその後から、ソーテルヌにありそうなバニラプリン(それも何か植物エキスがしみこんだような)の活きの良い匂いが漂ってくる。
 
 期待しながら口をつけてみると、鼈甲飴のような甘さのなかに、マスカットの爽やかさと酸味がキューと芯のように残っていておもしろ美味しい。しかも、カスタードプリンのような分厚くて洋風の甘みもなぜか同居している。二口目からは、植物エキスのような活きの良い匂いが少し強まって、これは何だろう……バジル?……のような紫蘇系の匂いが混入してきている。嗅ぎようによっては、グラスのなかが梅干し臭いとさえ感じられるような日本風の匂いがして、さらに紅生姜、ハッカク……これは全く得体が知れない。最初のグラス一杯目にしてこれなのだから、空恐ろしいワインだ。そして、ヨーロッパ離れした、オリエンタル〜アジアの嗅覚が満載の凄いワインだ。
 
 イタリア系だからそんなに複雑でもあるまいとか思いきや、とんでもない複雑さ&万華鏡のような絢爛さでびびりまくった。これは、同価格だったリューセック量販型を完全に凌駕していると思うし、なんか、ソーテルヌとは系統が違う何か優れたもののような感じがした。デザートワインとしては相当なモンじゃないかと思った。
 
 ※二日目は、ソーテルヌっぽさを離れて梅や胡椒やハッカクといったオリエンタルな風味主体。しかしこれはこれで興味深い。退屈しないひとときとなった。