北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0676】Michele Satta Piastraia 2005

 
ミケーレ・サッタ“ピアストライア”ボルゲリ・ロッソ[2005]
 
 色をみると、非常に黒っぽい、立派な赤ワイン色をしている。不透明度が高く、赤みを帯びている。で、最初の匂いはイチゴチョコレートを連想するような、いい匂いだけれどもこの価格帯の赤ワインにはありがちな水準の匂いで没個性。でも、イタリアっぽいというかキアンティ系と共通するようなスミレっぽさは帯びているように感じられる。
 
 口に入れると、柔らかくてコクのある、タンニンの穏やかな赤ワイン。ボルドーカリフォルニアの国際品種よりも、キアンティを連想してしまう柔和でスミレっぽい風味が口のなかに広がった。初手からとても打ち解けていて、呑みやすい。二杯目になると、はちきれそうな果実臭が、ほんの少しローソクっぽさと鼈甲飴を焼いた時のような匂いを伴いながらグラスのなかいっぱいに広がって圧倒されるような思いがする。来たぞ!来た来た!というような。なんというか、若々しい果実臭というより、ジャムになる寸前の果実というような感じで、自然発酵した果物ってこんな感じなのかなというような。初日から飛ばしてますよ、これ。でも、たぶん明日がこいつは楽しみだと思うので半分以上残して今日はおやすみ。
 
 ※残り半分を二日間放置。すると、色は二日前よりグッと濃くなって、腐った切り株のような凄い匂いがプラスされるようになった。味のほうもなんだか熟成感満点で、コクがグッと濃くなって&タンニンが出張って骨格がはっきりしてきていて、なんというか男性的になってきた。それでいて果実味を喪わないし、強いコーヒー風味も感じられる。複雑さもパワーもだんぜん二日後のほうが上。トスカーナ州の赤ワインでアタリを引く、初日は女性的で寛いでいても、二日目は牽引力の強烈な、男性的な外観になることが多くて面白い。これで3000円を切っているんだからたまらない。