北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0680】Pieropan Soave Classico La Rocca 2009

 
ソアーヴェ・クラッシコ ラ・ロッカ[2009]ピエロパン

 このワインは、ソアーヴェクラシコの名門・ピエロパン社のフラグシップな単独畑なソアーヴェクラシコ。以前に一度だけ飲んだことがあるけれども、かなり前の、ワイン修練がまだ始まったばかりの頃なので、今呑んだらどんな感じなのか確認のために開けてみた。
 
 まず、色がソアーヴェっぽくなくて、黄金色の、普通のワインだったら肯定的に捉えたくなるような美しい色合いをしている。ソアーヴェのなかでもこのへんに近いようなカラー。で、匂いがハチミツ臭さと、ソーテルヌを思わせるカスタードプリンっぽい匂いがぷんぷんしてきて、意外過ぎる。遅れてオズオズと、ソアーヴェらしいフレッシュな匂いが感じるような感じないような。
 
 口に入れてみると、当たりは柔らかくてソアーヴェっぽいけれども、樽っぽいメロンの風味とハチミツの香り、ちょっとした甘みがよぎる。うへーこれ、バリック(樽)とか使ってるんですか?なにか濃厚系のシャルドネみたいな造りで、ちょっとこれは期待していたのとは違う方向かもしれない。ただ、後味がまるっと引いていく感覚と軽やかな感覚は、綺麗な酸味が長く尾を引くブルゴーニュ白とは大分方向性が違っていてソアーヴェっぽいといえばソアーヴェっぽい。飲み始めてみると、口の中にクッキーのような甘くて濃い風味が感じられるようになり、わけのわからない方向でハイパワーっぷりを発揮している。それはまあ、嬉しいんだけど、ほんの少しだけ樽の風味が五月蠅くガチャガチャと感じられるのは大きな減点対象のような気がする。これがシャルドネ、特に新世界のシャルドネだったら、少々樽臭さがあっても「趣向のうち」とか言っていられるけれども、軽々として、澄みきった、柔らかいワインであって欲しいソアーヴェクラシコでこれはちょっとどうなんですか。
 
 ところが、開栓して30分ほど経過すると、俄に爽やかな酸味が全面に出てきて、鬱陶しい樽臭さを突き破るように爽やかな匂いが鼻を駆け抜けるようになってきた。そのくせ、クッキーやカスタードプリンも健在で、不可思議な風味。ここまで来ると「凄いソアーヴェ」という気がするようになってくる。二日目はどんな表情になっているのかな。
 
 ※二日目は、はっきりと澄んだ香りに変化し、味もソアーヴェよりも少し水仙風味が増したぐらいの方面へ。軽くて爽やかな姿になった。