北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0709】Marechal Saint-Aubin 1er Cru Le Charmois 1999


 
 年末の飲み会。最初に遭遇したのは、よくわからないメーカーのサン・トーバン一級、なかなかヴィンテージが古い。コルクの表面にカビが映えていて、思ったよりヤバそうな雰囲気。抜栓してグラスに注いでみると、黄緑色に近い黄色で、白ワインの色としては「蛍光レモン色」に近すぎる。これは危ないラインのような気がする。しかし匂いをかいでみると樽のような匂いより優勢なハチミツの香りがぷーんときて、これはこれで旨そうではある。サン・トーバンの白っぽいかはさておき、立派な匂いには違いない。
 
 口に入れてみると、少し木の樽っぽい&メロンの皮のような風味が来て、「新世界っぽいのか、悪くなっているのか、どっちなんだろう」という印象を受けた。渋みが少しあるのもあまり嬉しくはない。けれどもハチミツ臭はさすがのもので、ダメ判定するにはちょっとおいしすぎる。やがて、樽っぽさ&メロンの皮っぽさがかなり退いて、酸味がじわじわと全面に出てきた。最初は酸味がちょっと貧弱な印象を受けたんだけど、思った以上に酸味が生き残っていて、しかも嫌な酸味じゃなくてスッキリ気持ちいい酸味と感じられる。匂いのほうも、蜂蜜臭重視から、もう少し安いけれどもヴィンテージの若い白ワインみたいな、活きのいい匂いに変化してきたので、案外とこのワインは生き残っていた模様。そのくせ、バタークッキーみたいな香りがよぎることもあるあたり、ブルゴーニュ一級としての面目躍如。ハラハラはしたけど良い品だった。新世界っぽいかなと思ったらやっぱりブルゴーニュ風に落ち着いたあたりは幸い。