フレスコバルディモレッリーノ・ディ・ スカンサーノ サンタ・マリア
で、前菜にはサラミやプロシュートやモルタデッラがゴロゴロしていたので、赤ワインの助勢をたのむべくトスカーナワインを。色はバンバンに黒っぽくて不透明、匂いには少しばかり森の下草のような雰囲気が混入している。これはおいしそう。
口にしてみると、そんなに攻撃的ではない、まろやかで呑みやすい赤ワインと感じた。タンニンもそれほどきつくなく、もちろん前菜にはうまく付き合って……あれ?前菜のパワーの前にはおとなしくなってしまったぞ?困りましたねぇ、今回も料理にワインが服従してしまっておとなしくしているぞ?前菜のおいしさが際立つ一杯になってしまった。いや、案外それでもいいのかもしれない。
今回のイタリア滞在中は、料理のほうがワインを従える局面が多く、ワインが主役になったのはトラステヴェレのワインバーの時ぐらいだった。でも、それでいいのかもしれない。あまり値の張らない、けれども間違いなくおいしい料理にたくさん出会えた。観光にがっつくでもなく、そこそこにタスクをこなしつつ、食事とワインは現地のもの。いい滞在だった。