北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0958】Miani Ribolla Gialla "Pettarin" 2011

 
リボッラ・ジャッラ『ペッタリン』[2011]ミアーニ
 
 今回選ぶのは、イタリア北東部はフリウリ地区の高級メーカー・ミアーニのワイン。これはそのなかでは安いほうのリボッラ・ジャッラだけど、ただのリボッラジャッラではないでしょう。現地ワイナリー・トリマーニでなんと29ユーロ(+輸送費で合計45ユーロ)ほどで売って貰えたお値打ち品。
 
 色は、割とふつうの白ワインで、ムルソーなんかに比べれば濃くはない。ただ、それなり照りがあって、粘性度が高いあたりはリボッラ・ジャッラらしい感じはする。匂いは、少し冷やしすぎているせいもあってか、グラスに籠ったような匂いながら、こんがりとしたはちみつクッキーの匂いがぷーんと漂ってくる。
 
 口をつけてみると、おお、ボリュームのある飲み物だ!口のなかで大きく広がっていくスケール!スケールなんてこのワインログではあまり使わない連想だけど、これはスケールが大きい!それでいて、酸味がシュッと口を降りていくところがあって、香りの甘さと相通じあっているところがある。
 
 そんなに魅了してくる飲み物ではないし、リボッラ・ジャッラによくあるナッツ系の香りは迫って来ないんだけど、変わり身の多彩さはさすが。ある瞬間は、はちみつのような甘味がギューッと振り絞るようにやって来て「ほとんど甘口ワイン」のような姿になったり、別の瞬間には、イタリア南部の白ワインもかくやというような、ゴワッとしたカルシウムイオンの豊富そうな風味が迫って来たりもする。残念なほど水っぽい姿になることもある。見た目も不思議で、最初より濃くなったり、薄くなったりしているようにみえる。匂いも、ビワのような不思議な甘さを帯びたり、シャブリ風の感覚に傾いたり。享楽的なワインじゃないけれども、考えさせられすぎて疲れるワインでもなく、面白い品ではある。ただ、凝り過ぎのような気はする。最後のほうは、金柑とセメダインを合わせたような物凄い匂いや、ヨーロッパ石鹸のような匂いがしてきた。凄いワインだけど、普段はここまで凝りまくったリボッラ・ジャッラは要らないと思う。