レ・ヴァカンツェ・シャルドネ・フリッツァンテ・デル・ヴェネト
このワインは、メーカー名と産地から察するに、きっとたいしたワインではなさそう。そのうえイタリア産微発砲ワインのフリツァンテの名前がついているので、全く凝っていない、デイリーな何かと思われる品。でも、暖かくなってきた日に微発砲の白ワインを飲むってのも気分の良いものだろうと思い、こいつを飲むことにした。
見た目は、小さな泡がやる気なさそうに登り立ってくる感じ。普通のスパークリングワインなら失格、でもフリツァンテだから合格。匂いをかいでみると、意外や意外、第一印象は「ハチミツ」で、その後に、爽やかで花畑を思わせる匂いがついてくる。これは驚き。
口にしてみると、「気の抜けた葡萄ジュース」のような感じで、やや水っぽく、苦みはあまり無い。酸味はそれなりにあって、シトラスな爽快感を伴っているけれども、重量感が欠如しているせいか、かるーい飲み心地。ただ、微炭酸なことも手伝って、アンニュイな夜の暑さをしのぐには、これぐらいが良いような気もする。オーソドックスな発泡ワインとして優れているかはさておいて、こういう軽い趣向のイタリアワインが存在すること自体は、とてもいいことだし、好きだなぁと思った。