北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1077】Domaine Michel Lafarge Volnay 2009

 
ミシェル・ラファルジュ ヴォルネー[2009]
 
 まず、見た目。いかにもヴォルネらしい、とても薄くて明るさを帯びたワインレッド。透明感はもちろんバンバンにある。意外なことに、ほとんど熟成色っぽさを伴っていない。香りを確かめると、少しローソク臭を帯びた、甘くて柔らかなイチゴチョコレート系の香りが立ち上がってくる。
 
 でもって試し呑み。うわっ、いきなりビターチョコレートのような強烈なアタックにグッと来る苦み。けれども口のなかいっぱいに甘酸っぱい風味が広がっていく!なんだか信じられないほどパンチ力があって驚かされる。それと妙に鉄っぽいというか、金属系のテイストが甘酸っぱさに付随していて妙な感じがする。これがヴォルネ?と驚くほどの剛腕ワインとして滑り出した。森の下草みたいな香りも伴ってきたけど、全体としては硬い感じがする。
 
 一時間ほど放置して呑み直すと、やっぱり苦みが強く、飲み応えの強い剛腕タイプ。二時間目になってようやく打ち解けてきて、爆発力のある果実味が押し寄せてくるようになった。ここまで来ると、梅っぽい風味だけでなく、ビワとかグァバとかそちら方面の風味がいっぱいで、ザクロもちょっと連想される。甘味がキュートながらタンニンのふさふさ感が強く、なんとなく妙な感じはするけれども、これはこれで良いものだと思った。ただし好みではないかも。
 
 ※翌日は力の入り具合が適度に落ちて、苦みや金属系テイストも軽くなり、だいぶ打ち解けたワインになってくれた。こっちのほうが好み。正直のところ、初日はヴォルネのワインとしては驚くほど力強く感じられて、たじろいでしまった。次に呑む時は気をつけよう。