レ・フォール・ド・ラトゥール 2009
で、トリは押しも押されぬラトゥールのセカンドワイン。セカンドワインったって、そんじょそこらのフラグシップワインよりはとんでもないでしょう。途中でデキャンタされていて、幾らか時間が経ってからの登場。
まず、見た目はすごく不透明。ただ、ライトを当ててみると見通せないほどのものではない。香りは、カベルネ系らしい落ち着いた感じ。木がどっしり生えているような。それと煮豆っぽい香り。
味は、意外なほど真っ直ぐ。大変失礼ながら、コノ・スルのカベルネソーヴィニオンリゼルヴァを真っ先に思い出した。ああいう、スカラー量の大きなカベルネが真っ直ぐに迫ってくるような。ただ、呑み進めれば果実味とフレッシュなフレーバーが鼻腔をあがってくるようになって、若返ってきているような。1989年とあるけれど、まだ全然若いんじゃないでしょうか。
一つ前のローヌが相対的に甘かったせいか、こいつは甘みがあまり感じられず、ジェントルマンなボルドーの風味。控えめな甘さ、出しゃばらない態度、刺々しさの無い渋みと苦み、みたいな。でも、そうこうしているうちに梅っぽいフレーバーが来たりミカンっぽさが来たり。プロパンガスは来なかったけれども、短時間に色んな姿はみせてくれた。これも、一人で時間をかけて呑めたらどんなに良かったんだろう、とは思う。ただ、ボルドーのこのクラスのワインを寝かせるだけの甲斐性と予算はうちにはないなー。
延々とワインと付き合い続けた魅惑の時間だった。どのワインも尻上がりに面白くなってきたので、これらを一本一本、時間をかけてにらめっこしたらさぞかし楽しかろうなぁと思った。