北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1111】Joseph Drouhin Grands-Echezeaux 2006

 
ジョセフ・ドルーアン グラン・エシェゾー [2006]
 
 今日のワインは、バッドヴィンテージな2006年の赤ワイン。とはいえ、モノはドルーアンのグラン・ジェセゾー。色々と準備不足な時代にボーヌで買ってきた品の生き残り。みるからに薄そうな見た目をしていて倉庫を圧迫しているので、開けてしまうことにした。
 
 ところが、長い長いコルクが上手く抜けない。現在のソムリエナイフになってからコルクが抜けないなんて皆無に等しくなったのに、こいつは抜けない!なんと、真ん中でぽっきり折れてしまった。でも残り半分をコルクで抜き直して比較的少ないダメージに。それでも少しだけコルク粉末が水面に落ちたような気がしたので、はじめの100ml程度だけフィルターで濾過して、残り600mlほどを静かにデキャンタに注ぎ、澱の混じった最後の50mlほどもフィルターで濾過した。
 
 見た目は、こんなのでブルゴーニュ特級なんてあり得るのかというほど薄い。薄けりゃ悪いってものじゃないけれども、そこらの平ブルゴーニュとあんまり変わらないような気がする。ややオレンジ色〜茶色に傾いた色合い。
 
 香りを確かめると、チョコレート系のふくよかなやつ、甘酸っぱそうなベリー系の香りがもうもうと。ちょっとクッキーっぽいところがあって、森の下草みたいなやつも漂っている。かなり美味そう。
 
 口をつけてみると、ものすごく滑らかな舌触り。そして軽い……と思いきや、凝縮した果実味がこみあげてきた。ローソク系の揮発臭もそこそこ強く、タンニンはかなりしっかりしているほう。とにかく苔むした木の風味の強いワインで、軽いけれども充実感があって余韻がずーっと続く。前回同じものを呑んだ時に比べると、ずっと特級らしい彩りにみちている。重いワインではないけれども、軽いところ・酸味の利いたところでバランスはとれている。肩書に相当するワインかというとあんまりピンとこないけれども、美味さという点では10000円クラスのピノ・ノワールとしては不思議じゃないと思う。
 
 そのうち、梅の香りが漂ってきた。キューとしてくる。美味い!なんかケチでもつけてやろうと思っていたけれども、美味くもあり、表情の移り変わりもしっかりしている。「迫力」は乏しいけれども、ヴィンテージの水準を考えれば、これは哀しむべきではなく楽しむべきものなんだろう。トラブルがあって心配だったけれども、現地で格安で買ったものとしては十分すぎるほど楽しませてくれた。