北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1344】Domaine de la Plaigne Moulin-a-Vent 2012

ムーラン ナ ヴァン 2012 ドメーヌ ド ラ プレーニュ
 
 このワインは、ボジョレーはボジョレーでもクリュボジョレー「ムーラン ナ ヴァン」で作られたもの。今まで、クリュボジョレー相当のワインでは結構おいしい思いをしてきたので、あやかりたいと思って抜栓してみることにした。ただ、心配なのは「飲むにはあまりにも早すぎるのかもしれない」点。
 
 抜栓してグラスに注ぐと、ブラックチェリーのような色合いで不透明な、いかにも濃そうな出で立ち。ところがグラスに注いでみても香りはちっとも上がってこない。とりあえず、しばらく待ってみることにした。
 
 30分。あまり変わらないので飲んでみることに。飲んでみると、すごく酸っぱくてコクの強いワインでびっくり。しばらくするとサクランボっぽい新鮮さ~カシス濃縮版といったものっすごくフルーティーで新鮮な風味が口のなかに炸裂!それともコケモモジュースか?ボジョレーってこんなに酸っぱかったっけ?と首をかしげるような味わいながら、いつぞやのパレオ・ロッソに相通じるような、やめられない果実味が野太く響き渡る。ただ酸っぱくて軽いワインなんじゃなく、飲むほどに「濃くて」「コクがある」と表現したくなる何かを秘めていて、あっけにとられながら美味い美味いと飲まざるを得ない。
 
 やがて香りのほうでも「ザ・葡萄酒」と言わんばかりのやつが吹き上がってきて、洗練されているとは言い難いけれども魅力的だ。いつものボジョレー系とは全くの別物のようなワインだけど、これぜんぜん否定できない何かだ。
 
 ※翌日、梅のような香りが強く漂うようになってきた。他方、風味は若干ボジョレーっぽくなったけれども、相変わらずコクがあり、肉料理とあわせると少々鉄っぽくも感じる。「飲む角度」によっては、そこらの村名格のブルゴーニュ・赤と勘違いしたくなるようなところも。面白いワインですね。