北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1380】Bruno Gianosa Barbaresco Asili 2008

 
ブルーノ・ジャコーザ バルバレスコ アジリ 2012
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、去年にワイン貯蔵に問題が生じて、カビだらけの姿で発見された気の毒なボトル[3868]。それでもカビに覆われる度合いが軽かったので今日まで隔離保存していた。ちなみに、もう一本の、ひどくカビに覆われていたほうはあんまり奮わなかった模様
 
 まず見た目。バルバレスコにありそうな、赤茶けた、それほど濃くはない赤ワイン色をしている。透明感は保たれているけれども、かなり暗い色彩。香りは、抜栓直後に少し甘いチョコレート菓子のような香りがあったけれども、その後、森の下草のような弱い香りに転じて、なんと、漆喰の香り以外は何も匂わなくなってしまった!嫁さんは「アルコール脱脂綿のようだ」と言っている。
 
 口に入れてみると、口当たりはしっかりしていて充実した飲み物という感じ、そこからじわじわっとタンニンが垂れ込めてきて、軽い甘みの果実(野苺~桑の実系)風味がした後、痺れるようなタンニンとごつい充実感が後に残った。傷んでなさそうだけど美味くないですよ!
 
 ところが、果実味に微妙な変化というか、一瞬、上等なブルゴーニュ赤にでもありそうな強烈な甘みが来たり甘草リキュールのような甘苦さが感じられたり、面白そうな雰囲気。雨に濡れたような味と香りになってきてもいる。そしてこれは……ウ○コの匂いだ!医療用アルコールの匂いも混じって、なんだか凄いことになっちゃっているぞ!
 
 その後も、古い木の彫刻みたいな匂いや玉葱っぽい匂いがして興味をそそる。得手なワインではないけれども、興味深いワインではある。明日に半分残すので、明日も楽しみだ。
 
 ※二日目。カラメルのような甘さとチョコレートの雰囲気が、ほんのりと乗っかって、酸味やタンニンの荒々しさが落ち着いて非常に円満なワインになってきた。とても上品で、色彩豊かなワインだぞ。ということは、やはりこいつは若飲みもいいところだったんじゃないか。バルバレスコバローロはもう放棄しようかと思っていたけれども思い直すことにした。捨てがたい……。