北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1413】Chateau des Jacques Morgon 2012

 
商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。ルイ・ジャドモルゴン シャトー・デ・ジャック [2012]
 
 今日の夕食はアジの刺身そのほか。でも赤ワインがどうしても飲みたかったので、比較的社交的で日本食についていけそうなものを、後半からおつまみに替えてやってみることにした。選んだのはクリュ・ボジョレーのモルゴン2012、もう少し寝かしておいたほうが良いのかもだけど、このクラスのワインを10年も寝かせるなんて我が家では無理なのでエイヤで抜栓。
 
 まず見た目。ボジョレー系のガメイ種って、なにげにブルゴーニュ直系のピノ・ノワールに似ていると思う。こいつもガーネットみたいな色をしていて、そこらの平格ブルゴーニュとあんまり変わらない。ただ、辺縁が「藤色」に光ってみえるあたり、ピノにはあんまり無いような気がする。
 
 で、香りは「ボジョレー系にありがちな甘いチープなお菓子」のようなやつに、キアンティ・クラシコにいくらか似たスミレ系の匂い、それとイチゴ大福をかじった時の断面のような、和菓子やあんこや生の果物の混じったような匂いが近いかもしれない。
 
 口をつけてみると、甘ったるいチープな風味はあまり感じられず、びっくりするほどフレッシュだ!2012年のボジョレーヌーボーの作柄は「最悪」だったらしいけれど、このワインはクリュ・ボジョレーだけあってか、そんなに酷いとは感じない、モルゴンとしては軽いかもしれないし果実味も「リッチ」ではないかもだけど、爽やかで、クリュ・ボジョレーにあって欲しいコクとマグネシウムのような軽金属~アルカリ土類系の風味がガッシガッシと感じられて好感が持てる。それと口当たりがザラザラとした滑らかさで、ミルキーっていうよりは出来の良いあんこを思わせる丁寧さがある。そしてアジの刺身と合っているとはいわないにしても、他の日本食メンバーとはそこそこ付き合ってくれている。
 
 食後、二杯三杯と進んでいくと、上質なあんこのような口当たりと甘さに、引き締まった筋肉を思わせる苦み(「苦み」という形容詞にこの比喩は不適切な感じだけど、引き締まった苦みなのだ)と、モンテプルチャーノ・ダブルッツォよりも集中力のある酸味があって、やはり良いワインだと感じる。敢えて欠点を挙げるなら「ピノ・ノワールっぽい美味さではなくボジョレーの上位な美味さ」って点だけど、そんな事を言い出したらきりがないわけで、十分すぎるほど期待に応えてくれたと思う。
 
 ※二日目。鉄錆っぽい味が加わり、昨日よりも一層男性的な面持ちのワインになってきた。全然期待していなかった「パワー系」の赤ワインの膂力が、ボジョレー風味に加わっている!マグネシウムイオンっぽい風味も健在、なんとまあ、立派なワインですこと。ガメイって、こんなに力強いワインになれるのか。2012年がハズレ年でこれなら、良年のモルゴンなんて素晴らしいんじゃなかろうか。この方面、もう少し探索してみよう。