北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1544】Benard delagrange Volnay Clos du Village 2008

 
ドメーヌ ベルナール ドラグランジュ ヴォルネ クロ・デュ・ヴィラージュ
 
 このワインは、定点観測エリア・ヴォルネ地域の、あまりみかけない一級畑「クロ・デュ・ヴィラージュ」のもの。この畑のワインはなかなか見かけなくて、今回が初見。メーカーは、お手頃ながら手堅いヴォルネを手掛けている、ベルナール・ドラグランジュ、ヴィンテージは酸っぱいハズレヴィンテージの2008。
 
 まず、見た目。かなり赤茶けた色をしていて、このワインが年を取っているってことがうかがえる。辺縁が赤茶色で、明るい、というより薄い色合いをしている。香りは、トーンの高い揮発臭に、チョコレートとイチゴ菓子とカシスの中間のようなきつい香りが漂っている。
 
 ところが口をつけると、とにかく酸っぱい!うわっ! ザ・2008年ブルゴーニュという雰囲気。目の冴えるような、口をすぼめたくなるような酸っぱいブルゴーニュワインだ。それでいて、味にローソクのような風味と、ザクロや桑の実に近いような、あっさりとした甘味を伴っている。そうだ、2008年のブルゴーニュワイン、特にヴォルネ周辺ってこんな雰囲気だったなと、記憶がよみがえった。それでも、さすがに一級の毛並の良さか、舌触りが滑らかで、ヴォルネに典型的な軽さをみせている。とはいっても、香りの変化とボリュームが少しずつ萎んでいく傾向で、2008年、やはり弱ヴィンテージという印象は否めない。一応、いくらか残して明日飲んでみよう。
 
 ※二日目。驚いたことに、香りは初日よりも湿った土っぽさが漂い、豪華。そして口当たりがなだらかになって、酸味も丸まって穏やかな、それでいてフレッシュな果実味を残したワインとなった。旨さという意味でも、複雑さや構図という点でも、二日目のほうが勝った。ということは、初日に「これはあかん」と思って飲み進めたのは失策だったのかも。驚きました。