北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1562】Paul Beaudet Saint-Amour 2015

 
ポール・ボーデ サン タムール
 
 このワインは、クリュ・ボジョレーのひとつサンタムールのもの。このサンタムールのワインはほとんど飲んだことがない。ヴィンテージが若いので、抜栓してしばらく放置してから飲み始めた。
 
 まず、見た目。かなり不透明で、濃い色彩。あまり青色っぽいカラースペクトルは感じられない。グラスの表面がぴちぴちと空気に呼吸していて、とても元気そうにみえる。
 
 香りは、初手からわけのわからない香りがする。ボジョレーっぽいチープな甘い香りは控え目で、梅系線香にパラフィンを大量にぶっこんで、玉葱エキスとジビエエキスを足したような、相当な香りがこみあげてくる。このワインはヴィンテージが若い。若いうちからこうなのは、一体どういうことだろう?
 
 口に含んでみると、柔らかな口当たりで、香りに比べてマイルドで、ボジョレー・ガメイ系の風味のソフトタッチで飲み心地の良いところがしっかり来る。かと言ってペラペラには程遠く、飲むたびに手ごたえがある。軽いワインなんだけど、充実感があり、そういう飲み心地を飾るかのように、線香系の風味やチープなチェリーお菓子っぽい甘みが伴っている。かといってべったりと甘いのでなく、どこか風味に抑制が利いていると感じる。やるじゃないか。
 
 ※二日目は、昨日の香りに比べてだいぶマイルドになった。人前でインパクトがあるのは初日。一人でじっくり飲むなら二日目。二日目になって、初日はちょっと派手過ぎたんじゃないかという気がした。ワイン会のような場所では、そういう派手なワインのほうが人目を惹きそうなので、ボジョレーでびっくりさせるには良いワインだったのかもしれない。