サンタ・カロリーナ“サンタ”
このワインは、料理用に買われたチリ産の赤ワイン。試飲だけはしてみようと思い、ちょっとわけていただいた。
まず見た目。品種と産地から想像されるほどには濃く無く、暗いながらも透明度が感じられる。シラーがたっぷり入っているためか、あまり青紫っぽくなくて、赤黒い印象を受ける。香りは、木材と梅がぶわっと来た。おがくずのような香りさえある。
口に入れると、甘さ控えめで節制が整っているところは若いカベルネ譲り、果実味がじゅくじゅくしているところはシラー譲りな感じ。それでいて、まだ熟していないサクランボやトマトを思わせるところもある。タンニンはあまりきつくない。甘味を期待しない限りは、意外と良いワインでは。凄いワインには程遠いけれども、食事には合いそうな雰囲気。ちょうど、ミシェル・ラファルジュの平格ブルゴーニュが残っていたので飲み比べると、品種の違いはさておいても、さすがにあらゆる点で劣ってはいるし、どちらもオーガニックな香りはあるんだけど、こちらのほうが野暮ったい。でも、こんなのは比較対象が悪いわけで、飲めない安ワインには程遠く、しばらく置いてからもう一杯飲んでみると、いくらか甘味も出てきて善戦しているとは感じた。