北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1601】Villa Annaberta "Canaja" Rosso Verona 2012

 
カナヤ ロッソ 2012 ヴィッラ アンナベルタ IGP.ヴェローナ
  
 このワインは、イタリア北東部・ヴェネト州ヴェローナ近郊で作られていると思われるワイン。ヴェネト州は赤ワインの当たり外れが激しい地区で、立派なアマローネやヴァルポリチェッラ・クラシコがある反面、なんだかぐしゃぐしゃした赤ワインもあって、かなり難しい印象。
 
 こいつはなんでもアマローネと同じ製法でつくられていて、ヴィンテージも2012と少し時間が経っていてお試しには良さそうなので、やってみることにした。
 
 まず香り。煮豆系ですね。小豆とかを煮詰めたような甘くて田舎っぽい匂いがする。マッシュルームのような匂いとお線香、アセロラと来て、木の匂いもする。見た目はアマローネ同様、とても黒っぽくて不透明、少し赤茶色っぽい。
 
 口に入れてみると、穏やかな口当たりで、なかなかに奥深いというか、果実味に奥行きがある。甘さが強いわけでも、タンニンがごついわけでもなく、フレッシュなわけでもない、ただ、喉の奥までじっとりと残るような飲み応え、手応えがあって、この価格帯のワインとしてはかなり珍しい喜びがある。正規のアマローネ達と比較すると甘味が乏しく、苦みも足りないかもしれないけれども、商品としては面白いワインだと感じる。ローヌ産の濃い赤ワインとも少し路線が違うし、カベルネソーヴィニオンでつくられたワインほど穏やかでも杉/檜っぽくもなく、高級/低級メルローともまた違う。
 
 ※二日目は、少し野趣を帯びたジュクジュクのジャムに、ワインらしくてそんなにわざとらしくもない酸味がくっついていてなかなか良い。少しワンパターンだけど、森&オーガニックな風味が確かに効いていてワイン然とした美味さがある。純正アマローネとは少し違うが、見込みのあるワインではある。たぶん、また買いそう。