北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1616】Famille Perrin "La Gille" Gigondas 2014

 
ジゴンダス ラ ジル 2014 ペラン家
 
 このワインは、だいたい当たりの多いワインをつくっているドメーヌ・ペランの息がかかったジゴンダス。2014と、どう考えても若いので、朝のうちに抜栓しておいて夜にいただくことにした。
 
 まず見た目。意外なほど茶色っぽい。この若さでも茶色なのは、ローヌな品種(グルナッシュだったっけ?)の影響か。透明度は低く、赤茶色とワインレッドの絵具を足して水に溶かしたような雰囲気のルックス。香りは、もうもうとしたジャムの匂いとむせかえるアルコールがウワッと来て、その次に木材が来た。木工所のような匂いとも感じる。
 
 口に入れると、木の風味がきつい。うわ、やっぱりまだ若すぎるんじゃないかこれは。タンニンは予定どおりに荒々しいけれども、この場合、木っぽいえぐさのほうが強いと感じる。うわー、いくらなんでもこれは早飲みすぎたんではないか。果実味だけでなく、タンニンも、苦みも、アルコールっぽさも、すべてが大柄で、それらの辻褄が合う前の段階を飲んでいる印象が否めない。未来の姿を想像しながら飲む未完成のワインというか。
 
 ところが、飲み進めるにつれて、パラフィンやシュナン・ブランを連想させるようなクセのある香りと特濃コーヒー牛乳のような滑らかで濃厚な飲み心地が加わって、重たいところで焦点が合ってきた。ブルゴーニュとも、上質のボルドーとも方向性は違うし、アマローネよりも「クセ」があるけれども、これはこれで値打ちのある何かだ。この若さでこの出来栄え。それとも早飲み向きなのか?さあ、半分残して明日を楽しみにしよう。
 
 ※二日目、ちょっと風味が落ちて酸味が先立つようになった。ここにきて、発酵臭やオーガニックな風味と言いたくなるようなやつが強く感じられるようになった。そして相変わらず酒っぽい。パワーのあるワインではある。