北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1644】Comtes Lafon Volnay Santenots du Milieu 2013

 
ヴォルネイ プルミエ・クリュ サントノ・デュ・ミリュー [2013] 
 
 このワインは、コント・ラフォンが作っているヴォルネ(ただしサントノ)の赤ワイン。ヴォルネファンとしては捨て置けない名品だし、それでいて価格的にも何とか手に入らないことがないギリギリの水準。でもって、このボトルは市場価格の約半分の値段で叩き売られていたので、「わけあり」を承知のうえで購入してみた。
 
 まず抜栓時にちょっと驚く。なんと、コルクが屑コルクだ!コント・ラフォンの印字はされているし長いコルクでもあるけれども、屑コルクは屑コルク。コルクの上に張られたコント・ラフォンのシールは本物っぽくみえるけれども、こいつは大丈夫なのか?
 
 グラスに注ぐと、他の赤ワイン品種に比べれば明るく薄い、ピノ・ノワールらしい色彩。けれどもヴォルネ産のピノ・ノワールにしては暗いほうだと思う。香りは、初手ではミルクチョコレートが少し弱く匂う程度で、その後から、以前、ヴォルネサントノで感じた香木系の香りが厳かに立ち上がってきた。甘い煮豆やジャムの要素も。香りの押しは正直あまりしっかりしていないけれども、バリエーションはかなり豊か。
 
 口をつけると、ゆったりとした口当たりでお出迎え。ミルキーでこってりしたスタートが、数秒後には凝縮果実系、さらに苦みと適度なタンニンを伴ったしっかりとした口当たりに辿り着く。ほんのりベーコンのような風味もある気がする。若干苦みが強いかもしれないし、若干香りのパワーが弱いかもだけど、風味のバリエーションと迸る生命力からは、コント・ラフォンをほうふつとさせるものがある。もし偽物だとしても、よほど巧くつくられた偽物か。たぶん、本物だけど少し悪い環境に曝されて捨て値で流通していたとか、そういうのじゃないだろうか。定価で買っていたら憤慨していたかもしれないけれども、入手価格にみあった程度のワインなのは間違いない。
 
 そうこうするうちに、果実味と香木っぽさが猛烈な勢いになってきて、ほんの少しスパイシーな風味も帯びるようになった。つくづく魅せてくれるワインだ。
 
 ※二日目は酸味が勝ってしまってバランスのとれたワインとは言えなくなってしまった。やはり、ちょっと弱っていたんじゃあるまいか。それでも、酸が勝っているがために鉄っぽい迫力みたいなものを伴うようにもなった。そして香木っぽさやこってりとした味わいは健在。