北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1640】Veuve Clicquot Ponsardin White Label Demi Sec (N.V.)

 
ヴーヴ・クリコ ホワイトラベル
 
 たまにはシャンパンでも飲みましょうとなった折、嫁さんから「白クリコがいい」とお声掛けがあったので白クリコをあけることにした。
 
 まず見た目。普通にきれいなシャンパン。麦わら色をしていて、細かい泡がゆったりと立ち上っている。香りは、まず青りんごの新鮮なやつが来て、その後からメレンゲ菓子みたいな甘い香りがほんのり追いかけてくる。うんうん、シャンパーニュとしてはこれで良し。
 
 口をつけると、リンゴのバター焼きを思わせるような甘みが口のなかに広がる。ある種のシャルドネのバターっぽさに通じるような、そういうバター感を帯びた甘味だ。それでいて、口のなかには青りんご~シトラス系のさっぱりとした酸味もある。それがバターと溶け合って、うまい具合のバランスがとれているのがこのワインの良いところ。甘口シャンパンを作っているメーカーは他にもいくつかあるけれども、やっぱりこいつが一番美味いというか、甘口シャンパンとしてのバランスがとれているように思う。スイスイと飲めてしまう。酔っ払ってしまった。
 

【1639】Medici Ermete Le Tenute "Bocciolo" Grasparossa (N.V.)

 
メディチ・エルメーテ ボッチオーロ ランブルスコ グラスパロッサ
  
 このワインは、ランブルスコを作っている会社としては割と有名なメディチ・エルメーテの品。いつもは低いランクのものだけど、今回はほんの少し良いランクのボッチオーロという品を選んでみた。ちなみに前回は7年以上前に飲んでいる。当時は満足していたみたいだけど、それからずっとワインを呑み続けた今はどう感じるのやら。
 
 まず見た目。とても黒っぽいランブルスコだ!カシスリキュールのような深い色をしていて、ランブルスコとしては嬉しい。薄い赤色のランブルスコはたいてい味も薄くて飽きやすいので、これは良い兆候。香りを確かめると、飲むヨーグルトブルーベリー味をほうふつとさせる匂いがふわーん。
 
 口に含むと、スイート&サワー。飲むヨーグルト風味をもうすこし甘く、濃く、果実味寄りにした味がしっかり来る。コクがあって飲み応えじゅうぶんで、炭酸風味とは別に、微妙にワインにざらつきまであるように感じられる。こりゃあ美味い。このメーカーの平格とは100~200円しか違わないのに、かなりうまい。甘口が苦手でなければおすすめ。

【1638】Lunera Monica di Sardegna 2014

 
ルネラ モニカ 2014
 
 見た目はごく普通で、透明度そこそこの赤ワイン。若干、オレンジ色側にカラースペクトルがあるかもしれない。香りは非-梅系線香の香りと香料のようなややこしい化合物を思わせる匂いがする。ジャムというよりエキス。そこに、ミントとはちょっと違う、薬草っぽい臭いがするような気もする。概して、おくすりっぽい雰囲気だ。
 
 口をつけてみると、なんだか的の定まらない土っぽい風味が口に入ってきた。もちろんワインらしい果実味はあるし、前述の香料を思わせるやつも入ってくる。ただ、このワインに伴っている土っぽさは、ブルゴーニュやキアンティクラシコやクリュ・ボジョレー(のモルゴン)なんかで出会うタイプとは全く別物で、「土砂」とか「砂岩」と言いたくなるような、独特の雰囲気がある。ネットでちょっと調べてみると、いろんな感想が書かれているけれども、そのなかではカンゾウ系の風味があるって意見には割と賛成かもしれない。高価なワインのオーガニックさとはちょっと路線が違うながら、面白くて土っぽさがあって独自の世界になっている。アルジオラスが作っている優れたモニカ二種には及ばないけれども、モニカという品種についてますます好きになる一助にはなった。モニカ、やっぱり狙い目です。
 
 ※翌日も、おおむね美味いワインのままだった。価格帯を考えれば健闘していると思う。1800円ぐらいしてもおかしくないと感じた。

【1637】Bellini Chianti 2015

ベリーニ キアンティ 現行ヴィンテージ
 
 キアンティ・クラシコの下には無印のキアンティ(やその他色々)が控えているけれども、無印もときどき飲んでおいたほうがクラシコの良さがわかるかもと思い、大手がざぶざぶつくっている無印を買ってきた。どんなものでしょう。
 
 まず香り。すごーく葡萄酒っぽい香りがして、若干生臭くもあるけれどもそれもお似合い。スミレ-ヴァイオレット系の匂いよりも果実が前景。見た目はちょっと暗くて透明度があまりない赤茶色のワイン。
 
 口に入れると、まさに葡萄酒!もうとやかく言わせないフレッシュ果実、引っかかりどころが無く、ストレート。これ、白ワインを混ぜてある安キアンティなんじゃないか。飲みやすいけれども、やや単調。価格や格付けを考えれば致しかたのないライン。
 
 ※翌日は、ちょっと酸っぱさが勝っていよいよテーブルワイン然としてきた。ただ、押し付けがましいところが少ないのはこの価格帯のワインとして好感が持てるしイタリアワインの面目躍如。へたな気負いや厚化粧が感じられないのは、個人的には良いことだと思う。こんなワインで「国際的な」おいしさ追求されてもねえ。

【1636】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay 2015

ゴランハイツワイナリー ヤルデン シャルドネ
 
 このワインは、夏ごろに呑んでコスパが非常に良いと感じたイスラエル産の白ワイン。前回記録によれば、爽やかさとリッチさのバランスがとれた品だった書かれている。さて、今回も期待にこたえてくれるか。
 
 白くてきれいなコルクを抜栓すると、山吹色の白ワインが出てきた。明るさも伴っていてなかなか綺麗。ねばねばしているのか、ワインのあしが長い。香りは、ローソク系の揮発臭がぷんぷんと来て、その下から蜂蜜クッキーがもわっとこみあげてくる。焼きリンゴのようなニュアンスもある。
 
 口に入れてみると、ふんわりとした甘さに包み込まれる。焼きリンゴと蜂蜜クッキーがメインなんだけど、ローソクコーティングがほどこされたような滑らかな口当たりと、それこそリンゴを思わせるような爽やかで軽やかな酸味を伴っている。驚いたことに、マッシュルームのような風味すら感じる。で、前回同様、石灰岩を連想させるようなスカッ!とした酸味が支配的になることもある。フルーツポンチのようなすごくフルーティーなことも、干しアンズみたいな生意気な風味が来ることもある。あと塩化ナトリウムな風味も。とにかく表情がたくさんあって楽しませてくれるし、作りも割と丁寧。これはやっぱりお買い得。クリスマスなので高いブルゴーニュシャンパンぶつけるつもりだったけど、これで良かった。とても楽しいワインだった。
 
 ※翌日も表情豊かで、アンデスメロンのような甘ったるい雰囲気も感じられて健在。やー、お得度が高いワインです。
 

【1635】Pieropan Soave Classico 2016

 
ピエロパン ソアーヴェクラシコ 2016
 
 このワインは、いつもいつもお世話になっているピエロパン社のソアーヴェクラシコ。飲んだ数は数知れず、直近では8月に呑んでいる。今回は冬のソアーヴェ、トマトパスタと一緒に。コルクが屑コルクではなく立派なコルクになっていた。どういうことだろう。
 
 まずはグラスに入れて検分。あいかわらず白ワインとしては薄めの色あい、少し緑色がかっているかもしれない。香りは、台所洗剤をもっとソフトにしたような香りがほんわりと漂い、今回は、ほんのり蜜の香りと、ブロッコリーを湯がいたような香りがする。
 
 口に運ぶと、実に口当たりがソフトで、シャルドネなんかとは全く違う。それでいて、後味にはしっかりとした酸が感じられて、それでいて酸の後味には温野菜のようなニュアンスがじーんと残る。やはり、このワインには水彩画にたとえたくなるような、滲んだおいしさがあるように思う。他国の品種でいえば、アルザスのシルヴァネールあたりが近いのかもだけど、デイリーなおいしさとしては抜群、いやされるところがある。ついつい飲んでしまって1/3しか明日に持ち越せないことに。飲み過ぎてしまったほう。
 
 ※翌日は少しブロッコリーっぽさが減って酸味が勝ったかも。初日にたくさんおいたのは正解だったかも。