北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1659】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay 2015

 
ゴラン・ハイツ・ワイナリー シャルドネ
  
 たちまち我が家の定番ワインとなった、イスラエルはゴラン・ハイツ・ワイナリーのヤルデン。またまた抜栓します。
 
 まず色。黄金色をしていて大層きれい。ワインの「あし」もしっかりしている。香りは、ローソク、フルーツポンチ、蜂蜜クッキーと初手から豪華。快楽がしっかりと詰まっている。
 
 口に含むと、気持ちの良い甘さとバターっぽさ。それでいて、適度なふくらみを伴ったフルーティーな果実がのどを潤してくれる。なんとも気持ちの良いワインだ!普段飲みワインにするのがもったいないと言いたくなるワインだった。
 
 ※二日目は、石灰石の香りも蜂蜜もたっぷり、もう馴らされてしまってこちらでいいやという気になる。普段飲みのシャルドネ+αとして、リッチ系はこのワインはばっちり(爽やか系シャルドネはまた別の銘柄を連想したくなるけれども、それはまた別の話)。
 
 

【1658】Prunotto Barolo 2009

 

 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、若干知名度があり、お値段もそこそこで、ヴィンテージもまずまず古いバローロ。デキャンタして、二日目メインでいただいてみることにした。
 
 色は、オレンジ色がかっていて赤レンガじみている。それでいてカベルネメルローなどよりずっと薄い。バローロバルバレスコの品種、ネッビオーロらしい色をしている。香りは、意外なほどチョコレートやバニラの風味が強くて、オーク樽使っているのかな?と思いたくなるような。その後ろから、湿った雰囲気を伴って、赤色系果実の匂いも漂ってくる。
 
 口をつけると、きっついタンニンを伴った、とても苦みも強いやつが来た。果実味やチョコレート風味といった、飲む者を甘やかす風味もあるはあるけれども、それを追いやる強いタンニンと苦み!タンニンが上顎にびっちりこびりつくような強さがある。バローロは長熟と言うけれども、これ全然早かったんじゃないか。
 
 ところが、数時間ほど放置してから飲むと、桃のような果実味を帯びるようになってきて、飲み心地に温かみが伴うようになってきた。この、温かい飲み心地はバローロバルバレスコには比較的ありがちなもので、とりあえず長所だと思う。それと太い喉越し。ある種のキアンティ・クラシコや(ブルゴーニュ北部の)コート・ド・ニュイの高い赤ワインにありがちな男性的な感じではなく、包容力のある野太さがあって、とてもふっくらしたものを飲んでいるという喜びがある。このワインは香りや匂いではブルゴーニュには全く及ばないけれども、とにかく鷹揚なのは長所だと思う。たっぷり残して明後日へ。
 
 ※二日置いてみた。口当たりが少し円やかになって、最初から赤色果実系の風味がしっかりある。包容力はあいかわらずで、そこに、(長熟した赤ワインにあるタイプの・決してシャルドネ系のものではない)メロンっぽい風味が伴うようになってきてリッチ感が出てきた。香りがどんどん揮発性を増して、トーンの高い風味になってくる。おお、これぞネッビオーロ。納得できる一本となった。
 

【1657】Cavalierino "Sanlor" Sanginovese 2009

 
サンラー (オーガニック) 750ml(カヴァリエリーノ)
 
 このワインは、馬の絵が描かれているお手頃トスカーナのメーカーが作っているもの。馬の絵が特徴的だけど、色んな色のやつがいて、この青色は初めて。「Sanlor」って何のことかわからなかったけれども、ボトルが届いてみると「Sangiovese」と書いてある。サンジョベーゼってことは、品種的にはキアンティとかブルネッロの系譜ってことか。
 
 まず、コルク。コルクの裏がすごくきれいな紫色になっている。だいたいのワインは紫色のコルクなんだけど、こいつは値段の割に美しさが凄い。肝心のワインは、少し赤レンガ色がかったところのある不透明なやつで、少し時間の経ったサンジョベーゼ種のワインとしておかしくない。
 
 香りは、ヴァイオレット-スミレ系と例えたくなるような、この品種のいいワインにありがちな匂いがふんわりとする。あとはザラメ糖みたいな香りも。あと、このボトルがいけないんだろうけれど、少しコルクの匂いがする。
 
 口に運んでみると、予想以上の酸の強さで驚いた。アタックの第一声は「酸」。その後から、少しバター&コーヒー風味も帯びた、コクたっぷりの赤ワインの風味がやってくる。カベルネメルローなんかに比べると、素の果実らしさが炸裂している感があり、この品種の「らしさ」はあるように思う。飲み進めるにつれて、より素の果実らしさが明確になり、単純だけど楽しいワインに。価格や品種を考えると、この路線も悪くないと思った。
 
 ※二日目。果実らしさは残っているけれども僅かに生臭くなった。それと、昨日はあったヴァイオレット系の風味が吹き飛んでキアンティ系らしさが損なわれた。寂しい。

【1656】TOPVALU Cava Metodo Traditional "Rigol" Exelencia Brut (N.V.)

 
https://www.aeondewine.com/shop/goods/goods.aspx?goods=A106-4901810987405
 
 このワインは、トップバリューの名前が入ったイオンオリジナルのカヴァ。イオンのワインは意外と侮れないので、いっちょやってみようと思った。お値段は850円。
 
 まず見た目。ちょっと黄金がかっているけれども、スパークリングワインとしては若干薄め。でも泡はしっかり立ち上っていて、なかなか勢いが衰えない。香りは、甘夏とスダチの匂いがかなり立派に漂ってくる。いかにもカヴァという感じで好感が持てる。
 
 口に入れてみると、まさに甘夏&すだち。風味が濃厚で、炭酸もしっかりしている。でもって、カヴァ特有の金属系の風味が過不足なく備わっていて、これがワインに緊張感を与えていてダレない。酸っぱさを旨とするカヴァに相応しい清々しさがあって、普段飲みのスパークリングワインとしては十分に合格点。同じ量販品のカヴァでも、フレシネなんかより飲みやすいんじゃなかろうか。格の低いイオン(すごい田舎のトップバリューとか)でワインを調達しなければならなくなったら、これはアリだと思う。
 

【1655】Etienne Rodier Bourgogne Pinot Noir 2014

 
[2014] ブルゴーニュ ピノ ノワール ヴィエイユ ヴィーニュ エレーヴ アン フュ ド シェーヌ
 
 夕食に、なんか軽いワインでも当てようかなと思った時、そういえば安いブルゴーニュの平格赤が買ってあったっけと思い出してあけてみた。豚の生姜焼きやポテトハムサラダがメインの夕ご飯に。
 
 まず色。ちょっと朱色がかった薄めのワインレッドで、平格ブルゴーニュらしい姿。平格は、へんに濃かったりするよりこれぐらいがいい。香りは、冴えないブルゴーニュ平格らしい、あんまりピンと来ない匂いだけ。なんとも安い平格らしい。
 
 口に入れると、酸味ほどほど、ニュニュっとした口当たりで、甘味も少ない禁欲的なもの。欲目の少ないワイン。ところが、こういうのって食事によく合う。夕食との相性は抜群、食卓で威張り散らすようなところは皆無で、普通の夕食と上手く付き合ってくれている。酸味が足りないってことはなくて、むしろちょうど良いぐらい。甘みや香りの強さが弱いところが、かえって食事の助けになっている気がする。実にしようもないワインだけど、サポート役に徹している感じがして好感が持てた。食後に余りを呑むと、単純に甘酸っぱくてこれも良い。現地の人が普段飲みで使うのってこういうワインじゃないかなぁと思った。
 
 ※こういうのは塩っぽいドイツパンに合うんじゃないかと思い、翌日あわせてみたら、やはり抜群だった。ブルゴーニュの一級や特級のような高貴なピノ・ノワールからはかけ離れているけれども、うんまい。うまい。こういう下っ端ワインの美味さの上部構造として、一級や特級、ぜいたくな作り手の平格を位置づけたい、とか思った。
 

【1654】Vina Belje Grasevina 2015

vinica.me
 
 このワインは、既においしいことがはっきりとわかっている、クロアチア産の白ワイン。国際品種で言えば、ソーヴィニオン・ブランに近い飲み心地だったと記憶している。スズキの刺身などと一緒にやってみることにした。
 
 まず色。薄くて少し緑色がかっている。とてもフレッシュなイメージを想起させる。香りは、黄桃の缶詰の汁みたいな甘いやつと、いくらか植物の茎やヨモギを思わせるやつが来る。かといって、一部のソーヴィニオン・ブランにあるような、変な灰汁の強さは感じられない。
 
 口をつけると、黄桃+すごく酸っぱい風味が炸裂。この酸っぱさはレモン系っていうより、やはり植物の茎~ヨモギといった、ハーブっぽい雰囲気の酸味。すごくふくらみと潤いがあって後味はかなり爽やか。よだれが出てくるワインだ。スズキの刺身や、その他の適当な料理を相手に、適当に付き合ってくれている。。